沖縄三島ツアーのこと3〜那覇編〜
桜坂劇場
今回のツアーに同行してくれた友達は二人いた。大阪のまあこと島根のおがっち。二人は大阪でアナウンサー時代の友達同士だ。わたしも何年か前におがっち経由でまあこと友達になった。大人になってからの友人って、もしかしたら珍しいのかもしれないけれど、同世代でもありとても気が合って、まあこには大阪ツアーのときは家に泊めてもらったり、物販を手伝ってもらったりいつもお世話になっている。
おがっちは友人でもあるし、FMの番組ではプロデューサーもつとめてくれているよき先輩でもある。またライフサイクルをみてもらう先生でもある。ツアー初日、到着したばかりのおがっちとまあこに物販をお願いした。
桜坂劇場の野田さんは、いつも通り淡々としみじみとわたしたちを迎えてくれた。楽屋が広いので、以前一人できたときはその広さをもてあましていたけど、今回は六人いるので、それぞれが好きな場所に座って、それぞれのやり方で過ごしていた。
桜坂劇場の楽屋の鏡は壁一面にあるのだが、心なしか縦長で写し出された自分の姿がスマートに見える。それに向かってシャドウボクシングしながら、綾野が「これ卑怯してる」と言い続けている。あとで聞いたら、こういう鏡を見ていたら自分が痩せていると勘違いしてしまいそうでこわいと言っていた。どういう方向で卑怯なのかわからないがまじ、ピュア、綾野。
美和さんは手ぬぐいを持って歌いながら優雅に踊っている。せっかく作った手ぬぐいを見てもらうのだからと、口上も入念に練習している。真理野はすぐに楽器を出して音を出してみている。いつも真剣。七重さんはみんなの共有テーブルの上に、軽食や差し入れや消毒のためのティッシュなどをきちんと並べている。わたしは誰にいうともなしに、冗談をとばして一人で笑っている。マキコちゃんは、この喧騒の中、1人テーブルの前にまっすぐ座ってお菓子を静かに食べたり水を飲んだりしている。何も見ていないような、何も聞こえていないような表情で。
まあこは後にマキコちゃんを称して「マキコちゃんは佇まいの人だね」と言った。気配を消すでもなく、もちろん主張をするでもなく、ふんわりとマイナスイオンを出す観葉植物みたいにその場にいる。その周りの空気だけが、しん、としている。暗いわけでもない。ただ静かで涼やか。エアコンの霧ヶ峰みたいな不思議な人だ。
さていよいよライブ。
いきり禁止
この日は1部マキコちゃんが2曲ほど歌って、Miuniだった。綾野・真理野姉妹のご家族や親戚のみなさんや同級生までも勢揃いで真理野はいつもより緊張しているようだった。Miuniのいつも、がわからないので、緊張しているかどうかはわからなかったけれど、相変わらずすごい歌声だった。お客席も盛り上がっている。舞台袖で聴きながら、一人踊るハマダ。
「東里真中(あがいざとぅんなか)」は子守唄だ。背中に子供を負った子守の少女が歌う歌で、子供の成長をみかんの木の成長に例えて歌う歌だ。花を咲かせて実をならせて香り高く「大きくなって偉い人になってね」この歌を聴くと空気が揺らいで背中に負われているような気分になって、美しさに涙が出る。そしてそのあと眠くなる。さすが子守唄。
休憩をはさんでハマダand真理野のMariMari。一緒に音楽をするようになって丸4年。真理野はどんどん成長しているように思える。どんどん大きくなって偉い人になってね、真理野みかん。と思う。
アンコールは1曲。中島みゆきさんの「時代」を歌うことにした。戦争やコロナ、今の時代にこの歌がぴったりの気がしたからだ。三線、サックス、キーボードにギター、わたしのピアノとみんなで演奏しながら歌ったら素敵かなと思っていたのだが、リハーサルのとき、誰も楽器を演奏しないことがわかった(こら)。六人がワンフレーズずつ歌うのだが、みんな歌に集中したいと言う。合唱団やん。俺伴奏の人やん。
終演後まあこが「時代」がとてもよかったと言ってくれた。「大勢で歌っているけど誰もいきってなくてそれでいて全員の声が聞こえたよ」。みんなで演奏したり歌ったりするとついつい張り切っちゃって目立とうとしてしまったりするけど、くぎくぎ合唱団はいきり禁止なので。ただただ一生懸命歌えばよいのです。嬉しい言葉ありがとう。
久しぶりにサイン会もさせてもらった。5年前も来ましたよという方もあって嬉しかった。
ライブの後に食事にうかがったお店のマスターが、Miuniの船出のお祝いににとほら貝を吹いてくれました。ありがとう〜。
明日は初めての石垣島へ。那覇空港への見送りは綾野・真理野のにーにーの豪基(ひできと読みます)さんが。とっても優しいにーにーでした。つづく。
一週間に一度くらいの頻度で記事をアップできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。