処暑
処暑とは暑さがおさまる頃なのだそうだ。うん、そろそろおさまって欲しいですね。もう腹いっぱいです。今年は本当に暑い夏だった。よく乗り越えてきたなあ。あなたもわたしも。みんな自分を褒めたらいいと思う。
全県ツアーは46県終えた。あと1県。いろんな思いが胸にわく。この暑さの中ツアーが続けられたのも一緒に回ってくれたマリノや行く先々で励ましてくれた皆さんのおかげ。ありがとうございました!
ツアーの始まりは埼玉県上尾市プラスイレブンから。3月に29県目になる予定だったが、わたしの体調不良で延期となった場所だった。埼玉県ではほとんどライブをしたことがなかったので、ローリングピアノマンのリクオさんに教えてもらったライブハウスだった。
プラスイレブンではジャズライブが多い。マリノの友人のジャズピアニスト栗林すみれさんが7日が誕生日だったマリノにひまわりの花束をプレゼントしてくれた。清瀬のひまわり畑で自分で刈ってきたという。茎の太い大きなひまわりだった。この日たまたま映画「ひまわり」のテーマを演奏する予定だったので、ステージに飾ったら素敵だった。マリノは花が好きなのでひまわりの横でご機嫌だった。ピアノはYAMAHAで小ぶりだけど澄んだ音のするピアノでわたしもご機嫌だった。
すみれさんはプラスイレブンでもライブをされることがあるようでマスターも喜んでおられた。せっかくの花束だけど明日からのツアーには持って行けないのでお店に飾ってもらうことにした。オーナーの鈴木さんご夫妻、素敵なお二人だった。
43県目は餃子の町、そしてジャズの町宇都宮のカフェ悠日でライブ。千葉県柏市に行ったときに仲良くなったチッコロさんが教えてくれた場所。宇都宮特産の大谷石でできた建物群の一角にある。もともとは米の倉庫だったとオーナーの柏崎さんはいう。中に入ってびっくり。なんと趣があって映える会場だろう。
「配信もやればよかったね」と、マリノと言いつつライブのリハーサル。音が壁の石に反響する。照明が入るとさらに幻想的な空間になる。そこかしこに手作りならではの工夫があって柏崎さんが大事にコツコツ作ってこられたんだなと感心する。場の雰囲気で盛り上がったか、マリノが自分のMC中に急に感極まって泣き出す。→それを見ていたお客さんも泣き出す。→それを見たわたしももらい泣き。なんだったんだろう、あの涙の連鎖。いつもは泣かない歌の途中で不意に泣きたくなったのはお盆のせい?
打ち上げは東部宇都宮駅近くのお店で。いつになく洒落た店でわれわれおじさんおばさんたちはちょっと浮いてた。前橋ライブの時に来てくれていたともみさんも来てくれて楽しかった。宇都宮には結局4泊した。4日もいるのだから一回くらい餃子を食べなきゃと思ったが、どの店も行列している。でもがんばって30分並んで一回だけ食べた。写真は撮り忘れたが美味しかった。
台風7号、8号、9号が発生して交通機関が西から乱れ始め、お盆の帰省や行楽にも影響が出ていた。まだ台風になる前の温帯低気圧もいくつかあった。昨年は宮古島で台風に遭って足止めをくらったけれど今年は奇跡のようにすり抜けて秋田に向かうことができた。予定が1日ずれたら大変だった。
44県目は秋田老舗ジャズクラブのCAT WALK。秋田は2010年に初めて行った。当時お世話になったイベンターのギルドネクストの佐藤社長に昨年の盛岡と仙台以来再びお世話になる。
会場入りすると、老舗感に圧倒される。ジャズジャイアントのポスターとか写真とかサインとかに囲まれて博物館みたいだなー。今夜はジャズ演奏しないといけないのだろうか。なあんて。できんけどよ笑。
風味だけでも、ジャズっぽくした方がいいのかなあとマリノと相談してリハーサルをしたみたけど、結局はお客様の様子や反応やら雰囲気で曲の差し替え変更をしながらいつも通りのライブになった。秋田が生んだ大先輩友川かずきさんの曲のリクエストが来て「祭りの花を買いに行く」を歌う。
みんなで歌うコーナーで「つぐない」を演奏したのだが、この日の合唱の声の大きさよ。途中ちょっと笑ってしまうくらい元気な声で歌ってくださった。楽しかった。壁に貼られたジャズジャイアントもきっと楽しんだだろう(多分)。
翌日は青森県弘前市まで移動。佐藤社長に頼まれて、弘前ライブのオーガナイズをしてくれたのは市内で学校の先生をしている恭子さん。なんと理科の先生!音楽好きでたくさんのコンサートに遠征して行く方だ。恭子さんの車に乗って弘前の喫茶れもんへ。青森県では、青森市と八戸市でコンサートをしたことがあるが、弘前市は初めて。桜並木が有名な広々として美しい町。
ピアノはきれいな音で、気持ちがよかった。大事にメンテナンスしておられるのがわかる。お客様は恭子さんの関係者も多かったので学校の先生方多め。マリノの宮古島テーマの「ちょっといい話」に関心を持つ方もあった。マリノこうなったら、講演会すれ。
外食続きの旅のせいで太って、ワンピースのファスナーが自分では上げられなかったことは内緒でお願いします。松江に帰ったらダイエットしよう。ダイエットってもはやライフワーク。
打ち上げは恭子さんおすすめのお店へ。テキパキといろいろ美味しいものを頼んでくれて満腹食堂。秋田でライブを見て、弘前にも泊まりがけで続けて来てくださった真理子さん(同名!)、そして先生仲間の惠子さんと話盛り上がる。まさか弘前で女子会できるとは!
恭子さんには翌日新青森駅までまたもや車で送ってもらった。お世話になりました。「車内で食べてね」とおやつももらう。弘前はりんごの産地だからアップルパイも最高だった。あ、いや、だから、帰ったらダイエットしますって。
ツアーの最後は46県目の福井。初福井だ!新幹線の新しい駅に降り立つとなんか都会。そして恐竜。1980年代に恐竜の骨がたくさん発見されてから、ここは恐竜の町になった。子供がいたら喜ぶだろうなあ。
ライブ会場は老舗ジャズライブハウスのシライハウス。サックスプレイヤーで元オーナーの白井淳夫さんから引き継いだお店を現オーナーの畑春美さんが経営している。白井さんの門下生の歌手でもある。突然のライブのお願いも気さくに受けてくれた。今夜は白井さんに会えるだろうか。
地元の皆さんでライブセッションをする週末には白井さんも来て一緒に音を出すそうだ。いいなあ。白井淳夫さんはかつて宮間利之とニューハードオーケストラの初期メンバーで、真理野曰く「日本のジョニー・ホッジス」なのだそうだ。かっこいいー。「CDを買わせてください」と春美さんに言うと「店に在庫がなくなったから、師匠(白井さん)に持って来てもらいましょう」と電話をしてくれた。いいのか、レジェンド呼びつけて笑笑
一部の演奏が終わった頃に白井さんは現れた。CDにサインをいただいてわたしもマリノも大喜び。「出雲というと、熱田楽器の熱田修二という男がいてね。トランペットの」という。熱田さんは出雲のレジェンドで、父の時代から熱田楽器に通っていたのでよく存じ上げているどころじゃなく。9月も熱田さんとの仕事入ってるし。熱田さんはほぼ白井さんと同じ頃にニューハードで活躍していた人だから、もしかしたら白井さんとも知り合いかもね、とマリノと話していたのだった。出雲レジェンドと福井のレジェンドは友達だったー!読みが当たって狂喜乱舞。わーい🙌ばんざーい笑笑
白井さんのCDを熱田さんにプレゼントしようと思ってもう一枚買わせてもらった。「熱田さんになにかメッセージを」と頼むと「To Old Friend Mr.Atsuta We keep swinging!」と書いてくださった。不覚にも涙が出てしまった。ライブでは恐竜にちなんで、「やつらの足音のバラード」を歌った。松江出身の園山俊二さんの漫画の主題歌より、というわけで少しだけ松江と福井がつながった。
終演後、打ち上げもお店で。美味しいカレーや、ピザをいただきながら、お客様からいただいたお酒で酔っ払ったマリノは超ご機嫌だった。ツアーの最終日だったこともあるけれど、白井さんにお会いできたのが嬉しかったのだろう。白井さんもマリノの音を気に入られたようで、ご機嫌さんだった。夜も深くなって、お客様がほとんど帰ってしまわれると不意に白井さんが楽器を出された。「Memories of You」を。泣くー。美しい音。そしてピッチの良さ。素晴らしい。
マリノが頼み込んで、3人で「Blue Moon」を演奏することになった。その日が満月だったので、演奏しようかと迷ってやめていた曲だった。僭越ながらわたしがピアノで歌って、アルト、テナーの2管だった。聞いている人は、お店の方々と赤い人夫妻のみ。本編でやればよかったー涙。ゆったりと、3人で演奏して気持ちよかったー。ありがとうございました!
マリノと白井さんは仲良くなって、ずっと演奏や楽器の話をしていた。弟子入り決定だねマリノ。シライハウスまたいきたいね。早速熱田さんにも連絡して、写真も送っておいた。二人の共演見たいなー。そう、北村英治さんも一緒に。デビッドマシューズさんがピアノで〜、斎藤悌子さんが歌うとか〜。誰か企画してください。お願いします。
さて、松江に戻って明日はミュージックバーバースデーでヤマモトマサヤさんと2マンライブです。オープニングアクトには当初益田から河上耕二さんに来ていただく予定にしていましたが、河上さんがくも膜下出血で倒れられたため急遽Marino の出演が決まりました。河上さん、倒れられてから6日目に意識が戻り、今日からリハビリを始められるとのことです。こうちゃん!また一緒にライブができますようお祈りしています!がんばって!!!❤️