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宮崎駿さんオススメの『真夜中のパーティー』を読んで
これは、ケンブリッジ大学卒業のイギリス人作家、フィリパ・ピアスによる8つの物語を集めた短編集です。
ケンブリッジ州のグレート・シェルフォードで生まれ育ち、成人してからしばらく離れていたものの、永住の地としてまたこの地に戻ってきたピアス。
ピアスは、自分の熟知しているその辺りの土地と自然を背景に、ごく平凡な子どもたちの日常を淡々と語っています。
子どもたちの些細なやりとりやことばの駆け引き、大人との関わり方等を、実に抑制のきいた言葉で表すことで、ごく当たり前の日常の繰り返しの中にも、子どもにとっては一生忘れられないような瞬間やドラマが潜んでいることを伝えてくれています。
謎めいたおとなりさんや、ソーセージと呼ばれる太っちょくんの巧みな川もぐり、自分勝手なおとうさんの話等バラエティーにとんでいますが、
お姉さんの機転でお母さんをまんまと騙し、楽しい夜を過ごした兄弟のストーリー『真夜中のパーティー』の軽やかさが、なかなか愉快で気に入りました。