夜に散歩、のりたま、papico
月曜夜10時。
リビングで髪の毛をタオルドライしていると、
ごみ捨てに行ったTくん(主人)が戻ってきて言った。
「ねえ、外、きもちいい。夏の夜って感じ」
「夜になると少し涼しい?」
「そうだね……あ、シャワー浴びちゃったね」
「いいよ、散歩?」
「ほんと?」
じゃあ、とTくんはにっこり笑った。
「銭湯の前まで行って、セブンでアイス買って戻ろう」
すてきなお誘い!!
急いで、Tくんの大きなシャツを着て準備。
まあるくお腹が膨らんだシャツを見て、
「これもぎりぎりになってきたね」と笑う。
「ねえ、このシャツ背中になんて書いてある?」
「体育会系……(笑)」
ふにふに。
と言いながらわたしの二の腕を触る。
くすぐったくて笑う。
これでも毎日ヨガや筋トレをがんばってるんだけどな。
* * *
公園の紫陽花はすっかり大きくなった。
線路越し、のりたまの看板が見えて
同時にCMソングを歌い出す。
「のり〜♪」
「たま♪」
「のり〜♪」
「たま♪」
「ぽんたみたいだねえ」と言いながらお腹を撫でる。
「まるっこいのが似てる」
「ぽん〜…たま♪」
「こら(笑)」
「ごめん(笑)」
「ふりかけは何が好き?」
「のりたま(笑)」
* * *
ローソンでメルカリの発送手続きをしているあいだ、
Tくんはじっとレジの前を見ている。
視線を辿ると、並んでいる和菓子。
まんじゅう、鮎焼き、わらびもち2種類。
ふむ。わらびもちだな。
「抹茶味のほうがいいんじゃない?」
「やっぱり?」
「大学のときよく食べたんだ」
と、言いながらうれしそうにレジに持ってくる。
「抹茶味のほう?」
「そう、どちらも黒蜜でおいしいけど」
* * *
目的地のセブンに到着。
「何にしようかな〜」
「俺、ミントのブラックサンダー」
「ミントにするの?」
「あ、キライなの?(にやにや)」
「すーすーするもん」
「だから……」
「別に、だから歯磨きサボったわけじゃないからね」
※つわりの時期に歯磨きをサボったのが原因で
虫歯ができてしまったのです。
「わたしはpapico」
「どっち?」
「抹茶味」
抹茶好きな二人である。
よいのである!
帰り道は、papicoをはんぶんこして歩いた。
一口だけミントのブラックサンダーも。
* * *
散歩すると、もう寝たくなるね。
仕事ももうできない。
あすの朝の、わたしに期待。