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西成労働福祉センター〜尼崎へ  卒論リサーチの旅(関西編)

東京中野の戦後間もなく建てられた古民家を借りて、DIYでコツコツリノベした秘密基地を、みんなの秘密基地にしたい!
そんなことを在学中(2022年現在4年生)のBBT大学の卒業論文でも研究中です。様々な取り組みを知るために、6月末に関西へ旅してきました。

2日目は、西成〜大阪中之島美術館〜WeWork 御堂筋フロンティア〜尼崎〜豊中市〜高槻〜西成とあちこち大移動!

まずは朝一で西成労働センターへ、西成X アートの展示を見に。

西成福祉労働センター
あいりん地域で建設・土木などの現場で仕事をされている日雇労働者の方々のための就労斡旋(職業安定)と、 福祉・生活の向上を目的として開設された施設、とホームページの説明にある。
2019年に閉鎖されたあいりん労働福祉センター内の3階にあったセンターが、建て替えに伴いこの場所に仮移転している。
ホームページを見てみると、YouTubeチャンネルも開設されている。
西成xアート

ここで「西成Xアート」という展示がされていると、釜ヶ崎芸術大学で知り合った方から教えていただいた。
NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)、大阪工業大学との共催で、学生が地区の歴史を学び、コンセプトを考えて設計し、制作した模型が展示されていました。

入り口入ってすぐのホールのスペースに展示はありましたが、仕事探しに来ている人たち、床に座って寛ぐ人たちの雰囲気と、この展示あたりの雰囲気が、なんとなく不思議なバランスを醸し出していました。

全て本格的な素晴らしい作品

私が行ったときには誰も見ていなかったのですが、しばらく展示をみていると、おじさんが数人、展示を一緒にみていました。感想とかを聞いてみたかったけど、ちょっと勇気がなくて断念。

あいりん労働福祉センター
2019年3月末に閉鎖されたが、労働者が抵抗
4月には機動隊が出動する騒ぎにもなった
6月に行ったときにも、多くの人たちがシャッターの前で暮らしている様子でした

以前、コロナ前に知り合いを訪ねて西成に行ったときにも、この通りの中まで入りませんでしたが、今回、あらためてセンターに行ってみることで、このあたりの空気感を感じることができました。以前は暴動なども度々起こっていた地区ですが、橋本徹元市長の西成特区構想のあとは、治安も良くなっていったそうです。

釜ヶ崎の歴史を見てみると、明治時代、大阪の別の地区の木賃宿の営業の規制などがあり、この地区にスラムが移住。戦後には、浮浪者・貧困対策を重視した経緯から、西日本各地の貧困・浮浪者層が次第に大阪市に集積。釜ヶ崎一体に集約される。ここの労働者は高度成長期を支えた貴重な人たちだったが、年月と共に若者だったみなさんは年をとっていく。

今、このあたりは高齢化が問題になっており、日雇い労働者が使っていた簡易宿所も近年、高齢者向け住居やバックパッカー向けのゲストハウスなどに業態を変えていたりする。

働けなくなった高齢者は、生活保護に頼ることになるが、その割合はあいりん地区で40%を超えているそう。

日本の問題の縮図がここに現れているようにも思った。

大阪中之島美術館で、「みんなのまち 大阪の肖像 第1期/「都市」への道標。明治・大正・昭和戦前」を見て、大阪のことを少し勉強したあと、御堂筋へ。

wework 御堂筋フロンティア

大学の卒論でお世話になっているLAの方の会社が、御堂筋のweworkにあり、見学もさせていただきました。

平日のお昼なので、当然沢山の人たちがお仕事中。様々な会社が入っていて、面白い場所でした。

このあとは尼崎へ。

ぶっかけうどん

お昼時、おすすめのうどん屋さんでうどんをいただきました! 昔、四国に半年ほど住んでいたことがあり、その時、サッと食べられるうどんの美味しさに感動してましたが、ここのうどんもめっちゃ美味しい。

地元の人に教えてもらわないと、なかなか入れない店構え

この日は6月なのに急な猛暑日だったからか、いつもなのか、店内は満員で賑わっていました。

中央4番街
昭和感を感じます

お腹が満たされたあとは尼崎中央商店街へ。昔ながらの商店街!という雰囲気がしっかり残っています。平日の昼間、かなりの賑わい。

でました!
阪神タイガース推し!
シャッター通り

しかし賑やかな通りから一歩入ると、シャッターが延々と続く静かな薄暗い通りに。昔はこのエリア一体が華やかだったのかと思うと、たった30年ほどで街はこんなにも変わるのか!と驚きます。

アートで街を盛り上げる試みは多くの地域で実践されていますね
ガサキングにはどこで会えるんだろう?
表通りは活気に溢れてる
鳥屋さんってどこの街も人気なイメージ
商店街を抜けたところ

この入り口の感じ、イランのバザールの雰囲気を思い出しました。一度中に入ると、自分がどこにいるのなさっぱりわからなくなっちゃうくらいお店が迷路のように立ち並ぶ景色。お店を見てても、そこに行き交う人を見てても、ずっと飽きない。

マーケットってどこでもワクワクするんですよね。

商店街から離れて住宅街へ。
古い住宅街がたくさん残っています。案内してただいたLAは不動産関係の会社をされており、このエリアの空き家等の住宅問題をいろいろ教えていただきました。

東京の中野区でも、数年前に空き家の調査をして資料も出ていますが、現状で言えば、再開発で土地の値段が上がっていたり、人口も多いので、問題として扱われるほどには行っていないようです。

しかしながら、こうしてかつて賑わいのあった地方都市を歩くと、高齢化と人口減少の問題は目に見えて分かり、今後どのような景色になっていくのだろう?と考えてしまいます。

私の地元の豊橋も、帰省するたびにかつて賑わっていた駅前は物寂しくなっていくのが気になっています。最近では、新しく図書館ができたりしているようですが、今度帰る時にまた様子を見てみよう。

近所にあったら絶対通ってしまうお店発見!
この市場の中もシャッター街
案内いただいたLAと一緒に

あいりん地区からスタートし、中之島、御堂筋、尼崎と歩いて、関西の比較的小さなエリアで、こんなに様々に違う場所や生活があるのかぁと驚きました。

LAの街の解説のおかげで、かつて賑わいのあった地方都市が、現在どのような課題を抱えているのかも、ほんの少しですが理解できました。

高齢化や人口減少と共に、老いていく街並。
この流れは変わらないにしても、楽しく老いていくにはどうしたらいいんでしょうね。

この日はこのあと、豊玉市〜高槻に行きますが、長くなったので次の記事で。


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