もどかしい現実を味わう
抗がん剤治療は折り返し地点を過ぎ、
年明けのゴールがうっすらイメージできるまでになった。
ようやく、ここまで来た!!
実はこの間、予想外の大事件が勃発していた。
感染症対策はかなり徹底していたのだけれど、
まさか
自分の中に潜んでいた敵と対峙することになったのだ。
右目に痛みを感じたのが8月末のこと。
眼科に行っても、なかなか原因が分からず…
夜中に電気が走るような謎の頭痛が起きたりもして、
不安な時間を過ごした。
数日後、顔から頭にかけて右側だけに発疹が現れ、
ようやく眼部帯状疱疹と診断された。
右目の縁や頭部にポチッと吹き出物ができてから
3日以上経っていたと思う。
恐らく、対応が遅れた…
左目すら開けることができない痛みと発熱から始まり、
2週間は寝たきりで、仕事どころじゃなかった。
視覚を奪われてしまい、メール対応すらできなかった。
仕事を少しずつ再開してからも、
時々起こる激痛発作の恐怖がしばらく続いた。
今まで体験したことのない、
とんでもない痛みだった…
もう、あんな痛みは二度と味わいたくない。
それからペインクリニックに通い、
ブロック注射や投薬治療を続けながら
少しずつ、回復に向かっているものの…
発症から3ヶ月近くが経つというのに、
日常生活に支障はない、緩い痛みとはいえ
痛みと共に暮らしている。
視力への影響はなかったことだけが
不幸中の幸いだと思う。本当に、ありがたい…
そんなこんなで、
抗がん剤は2回ほど延期されることになってしまった。
2回の延期によって、
久しぶりに髪の毛が生えてきたりもした。
10月末には、
鏡に映る自分を見て
試験期間中の高校球児をイメージしたくらい
頭は黒々としていた。
また抜けると分かっているだけに
健気な毛たちのことが、なんとも愛おしかった。
投薬を再開したら、やっぱり抜けていき
以前よりツルツルになってしまったのだけど。
でも、
生えてくる未来を具体的にイメージできたことは、
かなりの励みになった。
それにしても…
最近、帯状疱疹ワクチンのCMをよく観るな
と思っていたけれど
まさか、自分ごとになるとは考えていなかった。
先日、薬剤師さんに
「過去に事故などで強い衝撃を受けていませんか?」
と聞かれた。
強い衝撃を受けると
そこに神経が集中するそうで、
免疫力が落ちたときにウイルスが攻撃しやすく、
帯状疱疹が起こりやすい
というのだ。
思い起こすと、学生時代に
右目にバレーボールをまともに受けてしまい
眼底出血で大変な状態になったことがあった。
なるべくして、なっていたのか…
もっと早くに帯状疱疹の可能性を探っていたら…
無知であったが故に、
昨日 めでたく最終日を迎える予定だった抗がん剤治療は
年を跨ぐことになってしまった。
いい加減、自分の体力を過信してはいけない。
風邪をひかなくたって、免疫力は落ちているのだ。
帯状疱疹は、
水疱瘡になったことがある人なら誰もがなり得る。
もし、免疫力が落ちている時期に
体表にビリビリとした痛みが走ったら、
帯状疱疹も疑った方がよい。
数日以内に、ポチッと吹き出物が近くに現れたら
それは恐らくビンゴなのだ。
抗がん剤治療中は、
大なり小なり 色々なことが起こるけれど
痛みを伴うことについては、願わくば避けたかった。
この体験は、誰かの役に立ってほしい。
そんな思いで、
久しぶりにnoteを書いた。
今回の一件で、
主治医からは帯状疱疹ワクチン接種を勧められた。
また、身体が弱ったときに軽傷で済むようにと…
かなり高価で、一本2万円くらいするそうなのだけど
背に腹は変えられない。
それぐらいの大惨事を経験しましたとさ。