見出し画像

【丸山穂高Channelまとめ】石平さんの維新からの参院選出馬表明について思うこと

石平さんが維新から参院選出馬表明

▼石平氏、維新から参院選出馬 「吉村洋文代表の国家観、国防観、対中観に共鳴」(産経新聞 25/2/12)

石平さんは中国から帰化し、いわゆる保守系の論壇で論陣を張っている。そして今回日本維新の会の吉村さんと話をするうちに維新の会の考えに共鳴し、夏の参院選に全国比例で出馬するという。選挙への出馬は日本国籍でなければ選挙に立候補できないが、帰化一世で日本国籍を持つ石平さんは選挙に立候補することができる。

石平さんって選挙に出ないって言ってたんじゃなかったか?

最初に思ったのは、「石平さんって選挙に出ないって言ってたんじゃなかったか?」ということだ。調べてみたら、過去のご発言で「帰化人一世は選挙に出ない方がいい。私は26歳まで中国で育ったから。でも私の息子が出るなら止めません、彼は完全に日本人だから」と確かに言っていた。どこかでお心変わりがあったのかもしれない。

石平さんの帰化人に対するスタンスがどう変わったのか、そして維新の会にどう共鳴したのかをお聞きしたい

記事によると、石平さんは、安倍元首相が亡くなってからの自民党、公明党両党による政権運営に言及し、「中国の脅威が高まっている中で、対抗してやっていきたい。媚中外交を展開して中国を増長させている」と危機感を唱えた。

続けて「中国から帰化した私こそ中国共産党の手口の悪辣(あくらつ)さを分かっている。自公政権の媚中外交をどう正すか、国会で実践したい」と話した。

まず、石平さんの帰化人に対するスタンスがどう変わったのか、そして、維新の会の吉村さんは大阪の改革はしっかりやっているが外交は得意ではないように思うが、吉村さんの国家観、国防観、対中観にどう共鳴したのかをお聞きしたい。

維新の会から出馬するメリットは「受かりやすい」

維新の会から出馬するメリットは、受かりやすい、というのがある。自民党に比べても少ない票で受かる事ができる。参院選での得票数を見てみると、維新の会なら2~3万票で当確が出る。しかし自民党だと10万票を獲得しても当確ではなく13万票でやっと当選に届くレベルになる。

維新の会のメリットは「有名人は票になる」ということ

一方で維新の会にとってのメリットは、比例代表制なので、2枚目の投票用紙に名前を書いても党の名前を書いてもどちらも党に票が入る。だから、党としてはお金はかかるが数万票位とれそうな有名人には何人か出てほしいと思っているはずである。有名人だとしても党の思想と圧倒的に違う人の場合はうまくいかないが、今回の石平さんと維新の会は考えが一致するとのことなのでwin-winなのかもしれない。

日本のために立ち上がった事には敬意を表したい

日本に帰化した人が国会議員になる事は法的には許されているので過去にいなかったわけではない。えりアルフィヤさん。白眞勲さん。ツルネン・マルテイさん。蓮舫さん。彼女は二重国籍の問題もあった。

どういう思想であっても、例え共産党の人であっても、日本のために立候補し切磋琢磨していく事は素晴らしい。石平さんも保守論壇で舌鋒鋭く評論をすることが出来たはずだが、変えていかなければならないことがあると言って立ち上がった事には敬意を表したい。

日本国籍があるかどうかよりも、二重国籍かどうかを調べる事が難しい

私(丸山さん)は、国会議員時代、維新の会に所属し政策を作るとこにも携わってきた。そして、足立議員と一緒に100本法案というものを作った。

その中に公職に係る二重国籍の禁止法案というのを出している。

公職に係る二重国籍禁止法案(概要)

選挙に立候補する時には、日本国籍が必要になっている。立候補時に戸籍謄本(抄本)を提出しなければならないので外国籍の人は出られない。

しかし、日本国籍があるかどうかのチェックよりも、二重国籍で他の国籍があるかどうかを調べるのが難しい。二重国籍の有る人が国会議員になっている事例もある。

「公職にかかる二重国籍の禁止法案」では、外国籍を有する日本国民が被選挙権を有する事がないようにする

そして、選挙公報掲載事項として候補者の氏名、経歴、政見を出すことになっているが、それに追加して、外国籍を得たか失ったかという履歴を出させるようにしようというのがこの法案だ

しかしこれはまだ通っていない法案で、維新の会の人数が少なかったので成立できていない。

維新の会は二重国籍の問題に関してむしろ厳しい

維新の会は一時期国籍が問題になった時に、結局曖昧になってしまったが所属議員の国籍を出させようとしていた。維新の会が二重国籍の問題に関して緩いという訳ではない。むしろ厳しめにやっている。現行法は被選挙権に関して日本国籍に限っているので石平氏は立候補できる。あとは有権者が選ぶかどうかだ。しかし、石平氏のファンが立候補によって離れるかもしれない。

日本は被選挙権についての決まりを厳しくするべき

日本国籍を持ってるかどうかは日本でわかる。しかし、他の国籍の権利を放棄したかどうかは他国が証明しないとわからない。だから二重国籍の問題は難しい。実はこの問題の根は深く、スパイほどその素性はわからない。現状は形式的に自分で宣言させるしかない。

選挙権について、日本国籍という決まりを守っていく必要がある。日本国籍を持っていない人に選挙権を与えてはならない。そして、被選挙権に関してはもっと厳格にやらなければならない

外国の被選挙権に関するルールは各国によってちがう

外国では例えばアメリカ大統領はアメリカに生まれてアメリカ国籍を持っている人でなければならないので、事実上帰化一世は大統領になれない。ペルーもそうだ。一方でイギリスやフランスは二重国籍を持つ人が政治家になる事が認められている。オーストラリアは二重国籍持つ人が国会議員になる事は憲法違反になる。

実は各国ルールはばらばらだ。ばらばらなので、石平さんが議論するこのタイミングで議論するのが良いと思う。リベラル系の人達は「国籍で差別するな」と言うが、立候補の要件が緩すぎるので議論が広がるのはいい事だ。

帰化一世が選挙に出る問題より前に二重国籍に蓋が必要

選挙の場合は他の国籍を持っていても違法ではないので、維新の会の法案(公職に係る二重国籍の禁止法案)が必要になる。帰化一世が選挙に出る問題より前に二重国籍に蓋が必要だ。「私は二重国籍ではありません」と署名してもらっても、本当のスパイだとわからない。今の制度だと有権者一人一人がチェックしていく他はない。

参院選まで半年を切っている

いずれにしても誰に投票するのかを決めるのは有権者であり、参院選まで半年を切っている。参院選では任期満了の半年前、つまり2月からは候補者一人だけのポスターは貼れなくなり街には2連ポスターが増えている。維新の会だと吉村さんと候補者のポスター、自民党なら石破総理や他の大物と候補者のポスター。立候補予定者もどんどん決まってきていて、夏には参院選で有権者による投票で参議院議員の半分の議員が新しく選ばれる。

石平さんが立候補するこの機会に、二重国籍や帰化の問題について考えることが大事

石平さんに対して、今後の言動が日本の国益に資するものなのかを皆がチェックしている。注目され、チェックされている分、石平さんは国益に反する動きはしにくいだろう。

逆に誰にも注目されていない人がスパイ活動をしているのかもしれない。二重国籍の問題は奥が深くて、本当の事を言わなかったとしても日本では調べられない仕組みになっている。むしろ本当のスパイはお金やハニートラップで懐柔して自分以外をスパイに仕立て上げているので帰化や国籍は関係ないとも言える。

国民一人一人が政治家の言動をチェックしていかなければならない。そして帰化した人に選挙権や被選挙権を与えるかについて考えることも大事だ。

帰化一世に被選挙権があるかどうかは国によって違うが、日本の現行法上は日本国籍があれば選挙権も被選挙権もあるので石平さんは次回の参院選に立候補を予定している。