FMくらしき おまかせラジオ「友達の輪」に出演しました|2024.小暑・蓮始開
FMくらしき おまかせラジオ「友達の輪」に出演しました
「ラジオに出演しませんか」
とお誘いを受ける聴覚障がい者ってどれくらいの人数いるんだろう。
少なくともわたしは、自分以外の聴覚障がい者でこのお誘いを受けた人をまだ見たことがない。
にもかかわらず、2023年12月に地域おこし協力隊になって早8ヶ月目。二度目のラジオ出演を果たした日のこと。
「次の人の紹介を」と言われて高石さんが思い浮かびました
ちょうど10日前、倉敷に移住してきてから公私共にお世話になっている方から一通のメールが届いた。
「聴覚障がい者がラジオに出演?」驚きとか戸惑いとかいろんな感情が渦巻いたけれども、一番大きかったのは「うれしいな」という気持ち。
友達を紹介する
という場面で、わたしの顔を思い浮かべてくれる人がこの街にいる。聴覚障がいの有無に関わらずそれってすごく貴重なことだろうと思う。そして紹介してくれた彼女は、わたしに聴覚障がいがあることを承知したうえで紹介してくれたわけで。
紹介してくれた彼女も、わたしの受け入れ団体一般社団法人はれとこの人も(高石さん、ラジオには消極的なんじゃ……)と心配してくれていたらしいけれども、二つ返事でお受けすることにした。
「ラジオに出演した」「お耳の仲間にそれを聴いてもらった」経験があるというのが決め手だった
実は、わたしがラジオに出演させていただいたのは今回が初めてではない。遡ること4か月前、3月の末にRSKラジオ 天神ワイド朝 に出演したことがある。
このときは、パーソナリティで手話通訳者の遠藤寛子さんがわたしをスタジオに招待してくれて、スタジオの様子を手話通訳していただきながらラジオデビューした。
スタジオの雰囲気、スタッフのかたとのやり取りを丁寧に教えてもらって、実際にわたしが話した声を「ちゃんとリスナーに届く発音と発声でしたよ」と教えてもらってすごく嬉しかったことを覚えている。
ただ、わたしには聴覚障がいがあるので、ラジオという媒体がお耳の仲間たちに届かないのではないか、というかそもそもラジオに出演するわたしを受け入れてもらえるのか……と不安でいっぱいだった。
でも、実際に出演してみると「音声認識アプリを使って、ラジオを見たよ。キコエナイ仲間がラジオに呼ばれる機会がなかったら、こんなことしなかったと思う。素敵な経験をさせてくれてありがとう」と何人かのお耳の仲間からメッセージをもらってすっごくホッとした。
そういう経験をしていたからこそ「今回も出演してみようかな」と思えたんだと思う。
「友達の輪」は倉敷とことこラジオが始まったきっかけの番組だったらしい
今回のラジオ出演は、倉敷とことこの運営メンバーも間に入ってくれていたのでどうやって出演するかを一緒に考えてもらった。
7月15日当日はどうしてもスタジオには伺えそうになかったので、zoomを使った電話出演。そして、パーソナリティの道下さんとは直接お会いすることができなかったので、これまたzoomで倉敷とことこのメンバーと一緒に顔合わせをした。
道下さんはラジオでお話していることもあり、zoomの自動字幕はほぼ正確に出てくる。もちろん口の形も明瞭で声も聴きとりやすい発声だった。
そして、なんとなんとその倉敷とことこのメンバーも「友達の輪」出演経験の縁で、倉敷とことこのラジオ(月に一度、月曜日に放送しているらしい)が始まったんだとか。人とのご縁っていろんなところでつながっていくのねぇ。
「ラジオを見る」を提案してみたり
そんなわけで「道下さんとはzoom越しでしっかりやり取りできるぞ!」と自信をもって当日を迎えた。
15分程度の番組内で、紹介してくれた友人との関係や倉敷に移住してきたきっかけ、地域おこし協力隊として倉敷とことこでライターをしている日々のこと、これからの夢なんかを語らせていただいた。
そう。これからの夢。
地域おこし協力隊としてのミッションは「情報発信」なので、それを頑張りたい的な話をして最後に「キコエナイわたしがラジオに挑戦するきっかけをくださった各所への感謝」を伝えていたときのこと。
「わたしたちは、ラジオの音声を音声認識アプリで文字にして見ているんです」
と話したら、道下さんが
「見るラジオってことですか?」
と問いかけてくれた。
見るラジオ!!!
なんておもしろそうな響きなんだろう。とすっかり気に入ってしまった。
聴覚障がいのあるわたしの発信って、文字によるものに頼ることばかり考えていたけれども。「見て、聴いて」聴覚障がいの有無に関わらず見て楽しめる情報発信のあり方についてもっともっと考えていきたいなとワクワク。
自分とは遠い存在だと思っていたラジオというメディアに出演することで、世界が大きく変わった昨日。自分で勝手に「これはわたしには関係ない」と線引きしないで、とりあえず挑戦する精神で活動していきたい。そんな今日この頃。
素敵なきっかけをくれた士水の田中さん、背中を押してくれた倉敷とことこの戸井さん、対話をしてくださったパーソナリティの道下さん。そして、応援してくださった周りに方々に感謝でいっぱい。
蓮始開(はすはじめてひらく)
noteの更新がすっかりギリギリになってしまった。
実は、週明けに提出しないといけない資料もまだ提出していないし、取材した記事も書けていないし、最近任せていただいている編集のお仕事も進んでいない。
この三連休は思いっきり休むことにしたのだ。
わたしはとにかく、ほどほどに働くことが苦手で、ついつい仕事が楽しくなってしまう。楽しめているから良いのだけれども、やっぱり適度なリフレッシュも心身の健康のために必要なんだろうなとは薄々気付いてはいて。
このタイミングでえいやッと、連休を取得してしまった。
休みすぎて、遊びすぎてヘロヘロだけれども、お耳の仲間とたくさん手話でお喋りをしてだいぶエネルギーチャージできたので、また明日からも日々を活動を楽しんでいきたい次第。
日本語でお仕事をして、手話で思考を整理する。
言語を複数もつわたしにとって、どちらか一方に比重が偏らない環境を模索することはきっと大切なんだろうな。と、そんなことを考えるリフレッシュ期間だったのでこのことはまた改めて、どこかで発信していけたらいいな。