語学留学をするなら、欧米ではなくアフリカに行くべきだと思う

アフリカに来てから早いもので4ヶ月が過ぎた。最初の数ヶ月を過ごしたトーゴとカメルーンはフランスの旧植民地で、今でも公用語がフランス語なため、毎日コツコツとフランス語を勉強していた。3月にケニアに移ってからは一気に英語環境に切り替わり、英語は特に不自由ないので便利に暮らしているのだけど、東アフリカのもう一つの公用語・スワヒリ語と、ブリティッシュ寄りのケニア英語のイントネーションに慣れる必要がある（ケニアはイギリスの旧植民地）。それに加えて、地域や部族毎の現地の言葉もあったりして、アフリカの言語の多様性に毎日圧倒されていたりする。

現地の言葉も複数あるうえで、旧宗主国の言葉（英語やフランス語、ドイツ語など）も習得しているからか、アフリカの人は（一般化はできないが、少なくとも私がこれまで見てきた3カ国では）、言語習得能力に長けている人が多いなと思う。バイリンガルは当然で、4つも5つも話せたりするマルチリンガルの人も全く珍しくない。道端でのんびり音楽を聴いている、何で生計をたてているか分からないようなお兄さんでも、流暢に何カ国も話せる人に多く遭遇した。

「フランス語話せる？ドイツ語は？じゃあスペイン語はどう？」みたいな感じで、これで通じないなら、この言葉もあるよ〜というノリで、ぽんぽんと喋れる言語カードを出してくる。英語はもちろん、日本語を少し教えても、びっくりするくらいすぐに覚える。

これは、将来のアフリカにおける経済発展において、多いなる武器になるなと思った。資本の集中する欧米諸国と、共通言語があるというのは大きい。もちろんそれは、植民地という負の歴史によるものでもあるのだけれど。

この武器は、日本や中国にはない。これはもう、圧倒的に負けてるなと思った。

で、これから語学を勉強したいという人は、高いお金を払って欧米諸国に行くより、アフリカに飛び込んだ方が良いのではないかと、私は本気で信じている。以下、いくつか。

1. アフリカ訛りはむしろアドバンテージ

アメリカやイギリスのような"正統派""ネイティブ"の発音を完璧に目指すよりも、インド人の喋る英語や、スワヒリ語と少し混ざった東アフリカ人の英語や、その他いろんな国の人がいろんなミックスで喋る第二外国語としての英語を聞き取れるスキルの方が、遥に大切だと私は思う。

フランス語もそう。フランス本圀のネイティブ発音に固執するよりも、フランス語圏アフリカで自由にフランス語を学び、彼らの異なるアクセントに慣れておいた方が良いと思う。

理由は簡単。これからの経済・文化の中心は、"ネイティブスピーカー"達のいる欧米諸国ではなく、アフリカ（アジアもそう）であるから。

アメリカ英語は話せるけど、スワヒリ語なまりの英語は全く理解できないようじゃ、これから世界人口の5人に1人になると言われているアフリカの人たちとコミュニケーションできない。

所感だけれど、英語ネイティブのアメリカ人やイギリス人は、なまりのある英語を聞き分けるのが、第二外国語として英語を学んだ人たちに比べて、すごい下手だなと思う。今まで自分たちの言語を世界の人たちが習得してくれる、という甘い蜜を吸ってきた人たちには分からない、苦労して覚えたからこその"多様なアクセントへの許容感"が、これからは強みになるような気がしている。

2. 授業料が安い

ケニアで私が受けようと思っているフランス語のプライベートレッスンは、1時間600円ほど。もちろんその地域の物価やレベルによって値段は違うけれども、大金を払ってフランスにホームステイ＆語学留学に行くよりも、遥かに手を伸ばしやすいケースが多いのではと思う。

3. コネクションを作れる

語学留学だけ、というのは随分もったいない話だなと思う。文化交流とか、色々あると思うけれど、アフリカはまだまだ日本でも知られていないことが多いので、アフリカの文化を学びつつ、言語を学べるというのはプラスだなと思う。そして、既に社会人の人は、アフリカでのコネクションづくりの一環で言語を学びにきても良いかもしれない。他の記事でも書いたけれど、経済の中心はこれから、最後の巨大市場であるアフリカに徐々に移行していく。その時に備えて、と言ったらあれだけど、同じ業界内で友達やビジネスネクションを作っておくに越したことはない。

4. 何ならスワヒリ語や現地の言葉を学んでも良いかも

スワヒリ語やアラビア語など、いわゆる欧米言語（英語、フランス語など）とは違う言葉を、同じ機会に習得してみても良いかもしれない。まずは英語から...ではなく、同時並行で複数の言語を学ぶことは、思っているほどハードルは高くないと思う。少しでもスワヒリ語が話せると、現地の人の警戒心は一気に溶ける。かつ、英語やフランス語を話せる日本人なんてはいて捨てるほどいる。ならば、非欧米言語もセットで勉強すると、他の人と差がつくのではないかと思う。

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以上、取り止めもなくざざざーと書いてしまったけれど、要は言語学習は、もっと楽に、楽しく、今までとは全く違うやり方でできるんじゃないか、ということを、アフリカにきてひしひしと感じている、という話でした。