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ユナイテッド戦の試合レビュー ( ICC 2018 ACMilan vs Manchester United)

今シーズン初の試合はユナイテッドと。プレシーズンマッチゆえ、レビューしようか迷うところだったが、せっかくのシーズン初試合ということでレビューしてみた。

試合自体は1-1で引き分け、PK戦へ突入しGK対決有りの2巡目突入しーの、リーノとモウリーニョが俺たちでPK蹴ろうぜ的なシーンありーのでなかなか楽しめる試合であった。


さて、この試合ボールを持つミランに対してユナイテッドは主にカウンターで得点を狙う展開であった。失点シーンでは相手GKのフィードがこぼれたところをサンチェスにやられた。何度かあった危ないシーンはロングカウンター、もしくは縦に速い展開で攻められたシーンであった。まずは、失点シーンと得点シーンから振り返る。

前半11分の失点シーン(0-1)

この失点はなんてことないGKのフィードから始まる。中盤でGKからのフィードで競り負け、そのボールがマタに渡る。

マタはダイレクトでムサッキオの裏に抜けるサンチェスにパスを通す。ムサッキオはポジションをあげ、裏に抜けを狙うサンチェスをオフサイドにかけようとするが上手くいかずに、サンチェスに抜けだされる。

完全にGKと1対1になったサンチェス。ドンナルンマはニアへのシュートを読むがサンチェスのファーへのシュートを選択し、ゴールにボールが吸い込まれ失点を喫す。

ムサッキオの判断、ボヌッチの寄せが甘くマタにダイレクトでいいボールを入れられたのが失点につながった。

前半14分の得点シーン(1-1) 

対するミランも失点した直後の14分、すぐにゴールを返し同点に追いつく。

左サイドからのビルドアップを何度か試み上手くいかずにいったん最終ラインへのボヌッチまで下げる。ボヌッチはトラップ後にワンタッチでユナイテッドの最終ラインの裏へをフライパスを通す。

1つの攻撃のカタチとして練習していたのか、ボヌッチにボールが入るとスソとクトローネが動き出し、ユナイテッドの守備陣は遅れをとり2人が抜け出す。

パスはスソに渡り、一瞬クトローネとかぶりヒヤッとする瞬間があったもののスソが左足を振り抜きシュートが決まり、同点に追いつく。

ユーベへの放出が既定路線のボヌッチのフィードで生まれた得点。1つ武器を失ってしまうのはなんとも惜しい。

ユナイテッドの決定機

失点シーン以外にもユナイテッドは縦に速い攻撃でチャンスを掴んでいた。

まずは、26分のカウンターのシーン

ユナイテッドゴール前でボールを奪われ、サイドのショーにボールが渡る。前がかりになっていたミランはチェックが遅れショーはサイドをドリブルで上がる。サンチェスがサイドに走り抜け、そこにパスが出る。ボヌッチは、サイドのサンチェスへチェックに行かなかったので、サンチェスはそのままサイドを駆け上がる。ペナ付近まで来たところでボヌッチがチェックに行き、サンチェスはそのタイミングででゴール前にボールを送る。マタにはDFがついていたので、その後ろのエレーラにサンチェスが優しい優しいパスを送るが、エレーラのシュートはドンナルンマの正面に飛びミランは事なきを得た。

67分にも危ないカウンターを受けた

ペレイラのロングパス1本でサンチェスが抜け出す。DF2枚でサイドに追い込むが、空いた中央に走りこんだマタにフリーでシュートを打たれる。これも運良く事なきをえる。

他にも、後半開始直後の46分。縦に速い攻撃で決定機を迎えられる。

ペレイラがポストしに降りてきたサンチェスに当てる。

この時、ムサッキオが釣り出されDFラインが手薄になる。サンチェスは、チェックに来た2人を交わして、サイドを駆け上がるダルミアンにパス。

サイドで受けたダルミアンはそのままサイドをえぐり、中にマイナスのパス。マクトミネイもサンチェスもフリーで、サンチェスへパスが出る。上手くボールがミートできず、シュートは枠外に。これも決定的なシーンであった。マクトミネイへのパスコースにはDFがかかっていたかしれない。

ミランが迎えた危ないシーンは、ロングカウンターや縦にシンプルに速い攻撃からが多かった。サンチェスがうますぎたのもあるが、サンチェスを上手く抑えきれていないシーンが目立った。逆に言えば、それ以外のシーンは上手く抑えられていた。プレシーズンマッチではあるが。

逆に、ミランが迎えたチャンスは前線の選手の連係から作り出されている場面も多くあった。

ここからは、ミランのチャンスシーンを振り返る。

ミランの決定機

まずは連係からチャンスを作ったシーン

前半ロスタイム47分

いったんボヌッチまで下げ攻撃を作る直すシーンからチャンスは始まる。

チャルハノールがボヌッチからボールを受けに下がってくる。ハカンがボールを受けに動いたタイミングで、クトローネが、ボールを受けにハカンに近づいてくる。パスを受けたハカンはクトローネにボールを渡す。この時、ユナイテッドのCBを1枚釣り出す。クトローネはダイレクトでハカンに返し、ワンツーに成功。ハカンはフリーで前を向く。

CBが1枚釣り出され、自分サイドでボールをフリーで持たれた事で、ダルミアンが中に絞り、ミランから見て左サイドにスペースが生まれる。

カラブリアがその空いたスペースに走り込み、ハカンもそこにパスを出す。

ダルミアンがいったん中に絞っていたので、カラブリアはサイドをより深く侵入。右足に持ち替えクロスをあげる。中では3対3の比較的優勢な場面が生まれるも、ボールは相手にはじかれる。こぼれたボールが運良くケシエの前に転がり、最後はケシエがシュート。しかし、決まらず。

54分の決定機も連係から生まれる

ミランがボールを奪うもユナイテッドが前線から取り返そうと前に多く残り、カウンターのようになったシーン。

スソがビルドアップ途中でチェックに来られた場面で、ロカテッリが上がってくる。そこにフライパスが通り、ロカテッリがフリーでボールを持つ。ボールを持ったロカテッリはすかさず、裏に走るボリーニにパスを出す。ユナイテッドのCBがボリーニにチェックに行き、どフリーになったクトローネにパスが出る。

しかし、クトローネのトラップが少し足元に入り、自分のスピードを殺す事になり、シュートシーンでは相手からのチェックを受ける事になりで、結果シュートは決まらず。スムーズに最前線までシンプルにボールがつながった良い攻撃で、決めて欲しかった場面でもある。

69分もショートカウンターからチャンスを迎える。

バイリーの中途半端なペレイラ?へのパスをクトローネが奪おうとし、ボールがケシエにこぼれる。ケシエはすかさず、サイドを上がるスソにパス。

パスを受けたスソにトゥアンゼペの意識が向かい、そのトゥアンゼベの背後のスペースをケシエが突く。スソは、ケシエにパスを返し、ケシエは中にボールを送るもうまく合わず。

このシーン、スソがタメを作りトゥアンゼベをもっと引きつけた上で、バイリーが中央に残れば、トゥアンゼベの背後にパスを入れケシエがシュート、バイリーも手前のサイドに引きつけられたら、バイリーの背後にケシエが突き、そこにクロスといったカタチもできただけにかなり面白いシーンであった。

この他にも、65分と84分に個人技からチャンスが生まれる。

65分は中盤でのマウリの突破から。

右サイドでビルドアップし直すシーン。

マウリがケシエからボールを受ける。ボールを受けたマウリをペレイラがチェックしにくるが、右に抜けるフェイントで完全にペレイラを交わし左のスペースにフリーでドリブルで侵入していく。

ここのフェイントは本当に上手かった。

前を向いてドリブルするマウリにチェックに行こうとバイリーが大勢を変えた瞬間、ボリーニがそのバイリーの裏に抜け、マウルもそこにパスを通す。バイリーは完全に裏を取られ、ダルミアンも前を取られているので、ボリーニはゴール前中央でフリーでシュートを打てたのだが、まさかの宇宙開発。もったいないシーンであった。

84分の決定機はチャルハノールのパス1本から生まれる

ボールを回しながらチャンスをうかがっていたシーン。

チャルハノールが裏抜けを狙うボリーニにドンピシャのパス。一気に裏を取り、そのままシュートをファーに打つが、残念ながらシュートはポストにはじかれる。ハカンの精度の高いパスから生まれたチャンスだった。

総評

ミランはとにかく連携の練度が昨季シーズン終盤並みに高い。ほとんど主力で選手の入れ替えもなくリーノが監督に就任して以来の変わらぬスカッドなので当然と言えば当然。だが、この阿吽の呼吸のメンバーはシーズン中も大きな武器になるはず。

気になったのは守備面。上記で取り上げたようにサンチェスを中心とした縦に早く攻められるシーンで、CBの判断が悪いシーンが何度も見られた。このような場面は、経験が大事なのかもしれないがELで少しでも上のラウンドに行くためには、簡単にやられるようではいけない。

また、交代して入ったマウリがよく動きパスコースをつくり、絶えずボールを動かし、取り上げたような決定的なプレイもしていたのは、チームにとって収穫だった。レンタルで放出かもしれないが、できればチームに残りロカテッリとともにビリアの控えとして戦力になってほしい。ボリーニも素晴らしい飛び出しが多かった。昨季はSBまでして便利屋になっていたが、今季は攻撃での活躍を期待したいところ。チャルハノールのインサイドハーフでのプレーが問題なく機能した事も収穫だろう。

ボヌッチの移籍に付随して、多少のスタメンの顔ぶれの変化はあるだろうが、大きくメンバーが入れ替わる予定もなく、今季はシーズンスタートから勝ち点を積み上げられそうだ。昨季は本当にモンテッラ指揮時の成績が悪すぎた。





反省

このレビューで3試合目だが、チャンスシーンを取り上げすぎた。守備ブロックの作り方、左右のサイドでのビルドアップパターンとか、ロカテッリ、マウリのビルドアップへの関与の仕方とか他にも色々取り上げたいテーマがあったが力尽きた。今後は、多くても得点シーン含め5つ程度にし、もっと全体的なゲームに関わる点を取り上げていきたい。

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