自分で自分の人生をクリエイトする。「わたし」を見失っていた元教員が「らしく」生きられるようになるまで。
人生100年時代。私たちは生き方も働き方も自由に選択でき、それが尊重される時代を生きています。でも「本当にこの生き方や働き方でいいのか?」とふと疑問を抱いたり、葛藤したりすることはありませんか?
正解のない人生を歩む現代では、自分自身でキャリアやライフをデザインするスキルが求められています。
今回、お話を伺ったのは接客業で働きながら紙刺繍作家として活動しているchikaさん。以前は高校教員をされていました。教員をされていた当時は仕事内容にやりがいを感じながらも体調を崩し、苦労や葛藤を味わってきたといいます。
本記事では自分の本音に従って人生を選択し、自分らしい生き方を実現していくchikaさんの歩みや姿をご紹介します。
もっと気軽に親しんでもらいたくて紙刺繍の製作を開始
Q1 chikaさんの現在のお仕事を教えてください。
カフェの店員として働きながら、Webデザイナーになるための勉強をしています。また、紙刺繍作家としても活動しています。
Q2 紙刺繍を作り始めたきっかけは何ですか?
姉の結婚式の際、姉が布刺繍で手作りのウェルカムボードを飾っているのを見たことです。
私は3姉妹の末っ子で、9歳と6歳離れた2人の姉がいます。幼少期から姉妹で絵を描いたりものづくりをしたりすることが好きで、姉たちから影響を受けてきました。
姉の手によって作られた刺繍がとても繊細で綺麗で感動し、それを機に私も刺繍してみたいと思うようになりました。当時、私が大学3年生のことです。
Q3 布ではなく、紙を使って刺繍することになったのはなぜですか?
思い返すと、私は幼少期から家族や友人に凝ったメッセージカードを手作りして贈ることが好きでした。紙に刺繍することでちょっとした贈り物に添えたり、何かの記念に渡したりと男女問わずよりカジュアルに刺繍を楽しんでいただけるのではと思っています。
Q4 紙刺繍を作る工程を教えてください!
まずは紙に下書きします。それに沿って穴を開け、微調整しながら縫っていきます。
はじめは何もない紙が縫うことでだんだんと華やかになり、形になっていくところが好きで毎回夢中になっています。
「やりたいことをやるなら今のうち」と教員を退職
Q5 Webデザイナーを目指されているのはなぜですか?
デザインはずっと興味があり、やってみたかったことだったんです!
私は以前、1年の講師時代を経て、3年間高校の英語教員をしていました。赴任先は統合により閉校になることが決定している高校。
高校時代に出会った部活動の顧問や英語の先生に憧れて教員になったものの、実際に働いてみると、自分の心や体が疲れて影響が出てしまったり教員の仕事以外にも興味が湧いたりしてモヤモヤしていました。
いよいよ閉校が迫っている頃。校長先生との面談で別の学校へ異動するか退職するかを決断しなくてはいけない時期が近づき、職場の同僚に「デザインの勉強もしたいし、カナダでco-op留学したい」という気持ちを吐き出したところ「やりたいことがあるんだったら、全然チャレンジしてみたら良いんじゃない?」と背中を押されるような思いがけない言葉が返ってきたんです。
そのときに「そうか💡私はまだ20代。やりたいことを自由に挑戦できるうちにやろう!!人生一度きりなんだから。」と退職を決意しました。そうしてやりたいことにとことん向き合い、今に至っています。
デザインを学ぶのは留学先かスクールか迷いに迷い、最終的にSHElikesで学ぶことを選びました。
Q6 SHElikesでWebデザインを学び始めてどうですか?
やはりデザインは楽しいです。
SHElikesへの入会を検討している頃、私は「本当にデザインを学びたいのだろうか」「自分が本当にやりたいことが分からない」といった状態でした。SHElikesの入会を決めたのもデザインに限らず、マーケティングやライティング、ブランディングなどあらゆるスキルを習得できるスクールだからです。
「入会時期は私と変わらないのにこんなにすごいデザインができるんだ」「コンペで採用されたり業務委託の仕事を受注したりどんどん進んでいる」と他の受講生と比較しては落ち込み、受講生の発信を見るのを避けていた時期もありましたが、自分のペースで確実に前進できていることを実感します。
Q7 これまでにWebデザインの知識が活きたと感じるできごとがありますか?
今年5月、2つのイベントに初めて出店した際に実感しました。
出店したのは、黒部市で開催された「KAYA DO! フリー」(主催:KAYA DO! フリー実行委員会)と滑川市で開催された「紙モノ富山」(主催:紙モノ富山実行委員会)です。
「いつかイベントに出店してみたいと思っても、自分で行動しなければその『いつか』は来ない!」と自ら鼓舞し、思いきって出店を申し込みました。
イベント出店の際のショップカードやポップアップ 、紙刺繍作家La fleurとしての活動を発信しているInstagramのクリエイティブなどはPhotoshopを使って自分で制作しており、SHElikesでの学びが活かされたと感じます。
また、日頃からカフェの店員をしているので、足を運んでくださった方々へのお声かけや清算などの接客も自然と対応できました。
イベント出店は自分が持っているすべてのスキルや経験が活かされる場だと自信になりました。
自分の人生を悔いなく選択し生きてほしい
Q8 どんな働き方でWebデザイナーを目指されていますか?
現在はカフェでの仕事が主な収入源ですが、今後はWebデザイナーや紙刺繍作家としての柱でも収入を得ていきたいと思います。
Webデザイナーとしてキャリアを築くにあたり、いきなり未経験からフリーランスになるよりも、まずは制作会社に入社して幅広いデザイン経験を積んでから独立したいと考えています。
個人で事業やサービスを始めたいと考えている女性をデザインやブランディングの領域から支援していきたいと思うようになり、それらを中心に学んでいます。
Q9 chikaさんの理想の働き方を教えてください!
将来的にはフリーランスのデザイナーになり、自分で働く時間や場所を選択しながらワークライフバランスを保つことです。
教員時代、精神的なストレスやそれによる持病の悪化でとても悩みました。当時、悩み苦しんだことが「心身ともに健康で、プライベートを大切にして暮らしたい」という思いの原点です。
「私にしかできないこと」「私だからできること」を武器として備え、それを求めている人にサービスとして提供していきたいです。
Q10 最後に、キャリアで悩む女性へメッセージをお願いします!
私は大学卒業後、講師を経て教員になりました。講師として勤務しながら試験勉強に勤しむ日々はしだいに「安定した仕事に就かなきゃ」「応援してくれる家族や周りの人たちのために頑張らなきゃ」といった焦りが混じった気持ちが大きくなり、当時の私は「自分が本当はどうしたいのか?」を見失っていたように感じます。
退職の際、「せっかく教員の資格を取得したのにもったいないね」と言われることもありました。
しかし、過去の自分の経験から感じることは、周りがどんな言葉をかけたり評価したりしても「私の人生を歩むのも、その仕事をするのも私自身。誰かのためでなく、自分の心の声に従って自分で自分の人生をクリエイトしたい!」と思っています。
皆さんが生きる人生は「あなたの人生」です。皆さんがご自分のやりたいことや好きなことを大切にできる人生を生きられるように、たくさん悩んで、行動してほしいです。時に立ち止まったり周りの人たちを頼ったりしながら一度きりの人生を悔いなく生きましょう!
【あとがき】自分の本音にしたがって生きる
読者の皆さんはすでに紙刺繍をご存知でしたか?chikaさんとの出会いによって紙刺繍を知った筆者はあっという間にその繊細な技術と美しさに魅了されました。布ではなく紙に刺繍するのも斬新なアイデアですよね。
インタビューでは教員を退職してこれまでやりたいと思ってきたことすべてに挑戦するchikaさんから高い熱量を感じ、パワーをいただきました!
一度きりの自分の人生を一生懸命生きるchikaさんをこれからも応援しています!chikaさんの作品やイベント出店などの最新情報はインスタグラムで随時更新されています。ぜひ紙刺繍の世界を覗いてみてくださいね。