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飯田泰之先生と投資入門③ー基本的な株価指数ー

飯田泰之先生と投資入門も第3回目となりました!

今回動画が長めなので、文字バージョンは前編・後編に分けてお届けします〜
(※4/9 少し修正いたしました!)


いがらし:第3回目になりました!よろしくお願いします。

飯田先生:よろしくお願いします!

いがらし:第1回目2回目と色々教えていただきましたが、前回第2回目では、アクティブ運用パッシブ運用、そしてインデックス投資について教えていただきました。
今回の3回目では、そもそも株式投資をするにあたって知っておくべき、理解しておくべき用語の解説を改めてお願いしたいと思います。

飯田先生:そうですね。前回がインデックス投資の話だったので、今回は日本における代表的なインデックスから説明していこうかなと思います。

飯田先生:まずは日経平均、聞いたことない人はいないと思います。

いがらし:ニュースでも流れますもんね。

飯田先生:そうですね。そしてもう一つはTOPIX、東証株価指数です。

日経平均とは

飯田先生:その日経平均ですが、昔は東証こっちを東証株価指数平均って呼んでました。
日経平均というのは、2005年まではその指数の出し方をダウ・ジョーンズ法という方法で計算しています。ダウ・ジョーンズと言えば、そうです、工業株価指数、アメリカの代表的な株価指数ですね。あの株価指数の計算方法をダウ・ジョーンズ法を発展させたした方法を使って、日本の主要株についてインデックス指数を出してるのが日経平均です。
日経平均の特徴というのは典型的には225種類の株、ダウ工業株30種に比べたらだいぶ多いんですけど、この225の株の株価をただ単に足して225で割るというのが一番イメージに近いです。実際には途中で株価分割があったり、上場の廃止であったり、銘柄の入れ替えがある。最近では子会社化されるNTTドコモがはずれてシャープが入ったことがニュースになりましたね。
なので、割り算の除数が調整されているんですが、基本は225の株に差別を設けずただその株価を足して225で割る、というのが日経平均の基本的な方法なんですね。ちなみに現在の除数は27.8です。

いがらし:その225種は、東証全体の中からどのように選ばれてるんですか?

飯田先生:主要で、かつ取引が頻繁に行われている代表的銘柄、であるとされています。
これはいい質問で、日経平均ってこの入れ替えをたまに結構大きくやるんですね。
投資対象としての連続性を失わないように、これまた除数で調整するんですが、そうすると実はその前後で日経平均株価の動きって連動性が低くなってしまうんですよ。
これはちょっと身内な話なんですが、経済学者が経済動向の研究のために日本の金融市場の動向を調べるための指数として日経平均を使うというのは、注意しなきゃいけないんです。

いがらし:そうなんですか?(わかりやすい指標に思えますが)

飯田先生:途中で銘柄が入れ替わってるので、同じものを比較してるわけじゃないということになってしまうんですよね。

いがらし:ふむ。日経225の銘柄は入れ替えされるんですね。

飯田先生:入れ替わってても投資の上では指標として特別な障害にはなりませんが、マクロ経済をあらわす指標としては要注意です。

いがらし:225種は、東証一部の、225社ですか?

飯田先生:そうですね。一部の銘柄で構成されています。
実はこの日経平均型の、広い意味でのダウ平均型の指数ってちょっと問題があります。どうしてかというと、例えばファーストリテーリングような超巨大企業から、まあギリギリ日経225指定対象銘柄ですみたいなものまでの単純な平均なので、どちらでも1%動くと同じインパクトを日経225に与えることになります。でもファーストリテーリングが1%動くのと、そんなに大きくない会社が1%動くのでは、その意味合いは全然違うはずですよね。
ダウ工業株30種がいまだに高く評価されているのは、30種、アメリカの経済の中でどっからどう見ても重要な30社、だけで構成されているからです。いずれも超重要な30社ですから、その中での大小はそんなに気にしないでもいいだろっていうことなんです。一方で、日経平均は225社もあります。これは日経225対象銘柄で検索すればわかるんですが、意外と小さい、あまり聞いたことないなっていう会社も入ってる、でも日経平均に与えるインパクトは NTT や JR東海と同じっていうことになるのでちょっと釈然としない。
そこで、東京証券取引所はTOPIXという指数を新たに開発しました。

いがらし:はい

飯田先生:そして今まで作ってた東証株価指数(東証平均)が必要なくなった時に、日経=日本経済新聞社がそれを買いました。つまり今は日経平均って日本経済平均じゃなくて日本経済新聞社が出している株価指数なんです。

いがらし:そうなんですね!!!知らなかったー!

飯田先生:なのでここでいう「日経」というのは新聞社の名前であって、「日本経済」の略じゃないということです。

TOPIXとは

飯田先生:では、TOPIXとはどういう指標というと、東証一部全銘柄を対象とした指数で、こちらは加重平均、ウェイテッドアベレージという手法を使っています。時価総額が大きい会社が動いたとき、例えば時価総額が100億円の会社の株価が1動いた時と、時価総額が1億円の会社の株価が1動いた時では、100億円の会社の方を100倍のウェイトで計算します。なので大きい株が動いた時に大きな変動が見られる。

いがらし:なるほど。

日経平均とTOPIXの動きの特徴

飯田先生:実はですね、ここ一年ほどの株高を見ていると日経平均は結構上がってるのにTOPIXはそこまで上がってないんですね。どうしてこういうことが生じるかというと、日経平均は日本の代表的なインデックスでかつ先物取引もあるので人気が高い。そのためファンド買いやインデックス買いの人が多くなると、日経平均そのものを買うことになる。すると、その中の大きい株にも小さい株にも同じだけの買いが入るわけです。そうすると同じだけの金額の買い注文が入ると、小型株はドンと上がるんですね。そういう小型株がドンと上がっても、大型株がドンと上がっても、日経平均に反映される度合いは同じなので、つまりはインデックスファンドの買いのように全銘柄平均的に買うっていう人が出ると、日経平均タイプは上がりやすい。TOPIXの方は小型株が上がったとしてもそこまで指数は上がらないので、動きが鈍くなる。
ちょっと政策めいたことを言うと、ということは今の株高って何か企業の業績を期待して買い注文が入ってるというよりは、今は各国が大幅に財政支出したり金融緩和をしたりしている中で、「さあ何に投資しようか」と考えても、これから新しくホテルを建てようか、工場建てようかっていう対象がコロナ禍なので乏しい。なのでひとまずパッシブ運用しておこうと考えている企業や企業投資家、ファンドが多い。その結果、例えば日経平均連動型の投資信託を買うとその225全銘柄に平均的に買いめが入り、日経平均の方が上がりやすい状況だと思うんです。


日経平均(日経225)とは、東証一部の主要銘柄225種で構成された株価指数。
定期的に組み入れ銘柄入れ替えあり。
ダウ・ジョーンズ法(ダウ式平均)により算出される指数。
TOPIX(東証株価指数)とは、東証一部全銘柄を対象として算出される株価指数。
時価総額を加味した加重平均法により算出。
指数ごとに動き方の特徴がある。最近インデックス買いが多いので、日経平均の方が上がりやすく、TOPIXはやや動きが鈍め。


後半に続く!


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マリエの裏虎@投資初心者
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