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生糸じゃなくて、紬糸のお話。

前回、お蚕さんの繭(まゆ)から糸を取り出し、何本かを合わせて一本の”生糸”にするお話を書きました。

すると、ブログを見てくださった結城紬の糸取りをされている方がコメントをくださいました。(ありがとうございました!)

「紬を作るための糸はまた別の方法なんです。よかったら結城紬の手つむぎ糸についても調べてみてください」

えっ…、別の方法?何それ何それ!まだあるの!?

ということで調べてみました。٩( 'ω' )و


まず、繭(まゆ)を原料とする糸には3種類ある。

①主に繰糸機(そうしき)で作る「生糸」
②真綿から手で紡いで作る「紬糸」
③繰糸中にできた繭クズなどを用いた絹紡糸(また知らないワードが出てきた!)

今日はこの中の②真綿から手で紡いで作る「紬糸」のお話。

<紬糸って何からできてるの?>

生糸が繭(まゆ)の状態から糸口を探し出し、何本かを合わせて繰糸機(そうしき)で糸を引き取っていくのに対して、紬糸は繭(まゆ)を煮て、柔らかくなったものを綿状に平らに伸ばしてから人の手で糸を引きます。

紬糸は、繰糸(そうし)による糸の引き出しができない繭(まゆ)が使われます。

紬糸で作られた着物は、見た目は綿や麻を素材にした着物に似ていますが、絹であることに変わりはなく、上質なものに変わりはありません。

また、紬糸の原料となるのは真綿(まわた)です。アオイ科の植物「ワタ」からとれる繊維から作られる木綿(もめん)(コットンと言われますね)でななく、動物である蚕の繭(まゆ)を原料とした絹です。

室町時代に木綿(もめん)の生産が始まるまでは、綿(わた)というのは蚕の繭から作られる真綿(まわた)のことを指していました。(室町時代以降に名前が分けられるようになった!)

同じような「綿」という漢字に頭の中がパニックです!(゚∀゚)


<紬糸はどのような工程で作られるの?>

1、繭(まゆ)の選別(汚れているものや極端に小さなものを取り除く)
2、繭(まゆ)を煮る(繭を袋の中に入れ、重曹の入ったお湯で1時間ほど煮る)
     (繭にあるセリシンというゴワゴワのもととなるタンパク質を落とす)
3、真綿を引き伸ばす(袋真綿や角真綿をつくること)
          (両手を差し入れて袋状に引き伸ばしたものを「袋真綿」)
          (四隅を取って1枚に引き伸ばしたものを「角真綿」)
          (袋真綿の方が高級と言われている)
4、乾燥させる(2日間ほど陰干し)
5、結城などの紬の産地へ送られる
6、糸つむぎ


最後の糸つむぎ。

調べれば調べるほどいろんな種類がありました。

<代表的な結城紬の糸つむぎについて>

真綿をさらに両手で広げ、「つくし」と呼ばれる器具にからみつけ、その端から糸を引き出し、片方の手で糸を引き、唾液をつけたもう片方の指先で真綿を捻るようにしてまとめ糸にする。

この糸つむぎの工程は昭和31年に「国重要無形文化財」、昭和53年に「伝統工芸品」、そして平成22年に「ユネスコ無形文化遺産」にも登録されています。(糸つむぎの工程の他にも、絣くくり、地機織りの工程も同様)


糸の段階でこんなに長く手間のかかる工程があるなんて_φ(・_・

1枚の着物って、本当にたくさんの人によって作られているんですね。

大事にしたいなぁ。

着物の携わっている人ってすごいなぁ。


「これも調べるといいよ!」ということがありましたら、ぜひコメントください!

また、私と同じく着物について知りたいという人で「こんなこと知りたい!」という人もぜひコメントで教えてください!(゚∀゚)


今日も読んでくださり、ありがとうございます(^ ^)

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