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エリートの作り方~100人インタビュー26人目 もえもえ
「インタビューされたい」と胸に秘めている人は多い。
100人インタビューはそんな願望に応える企画であるのと同時に、点と点を繋ぐ役割も担っていると勝手に自負している。
インタビュー希望者は公式LINE➡https://lin.ee/qbmp3HDに「インタビュー」とメッセージを。現在希望すると年末ごろのインタビュー予定。
#026
エリートの作り方~もえもえ
26人目のインタビュー相手は もえもえ。京都大学を卒業後、東京大学院を経て、司法試験に合格。現在は弁護士のタマゴという超超超華々しく、エリートな彼女。でも鼻につく感じはまったくない。
私ってちょっとメンタル弱めなんだよね。人の目を気にしがちだし、落ち込みがち。だからこそ克服したくて、講座やコーチングを受けてみたり、強くなるために自分なりにやってきたんよ。でも無理なもんは無理だった(笑)
メンタルが弱いと言いながら、もえもえはとても朗らかに明るくそう言い放った。
そりゃ前より、いくらかはいいって言うか。リラックスしている自分に気付けたり、エネルギー高くいられる時もあるんだけど。でもしんどい時はやっぱりしんどいのよ!!!
真意だと思う。ポジティブな状態ばかりだったら、それはただの退屈で。リラックスができた状態なのか、エネルギーが高いのか低いのか、それは「差」によって明らかになる。ポジティブばかりなんてあり得ないのだ。
経歴は武器か?重荷か?
京大や東大を目指した理由は、日本でも指折りの大学に入ったら、自信がみなぎって、絶対に違う自分になれるって期待してたからなの。
でも全っ然だった!!(笑)
京大に行っても全然なの??!(笑)
上には上がいるっていうかね...。
確かにー!
レベル高いところに入ったら、レベル高い人たちばっかりだもんね。
そう!!そうなの!!その反応、なんか救いだな。
京大行って、東大行って、司法試験受かりましたっていうと一見華々しいでしょ?それが余計に周りの人をイライラさせがちなの。
「なんでそこまで行って、自信がないの?」とか。「なんで自分を卑下するの?」って、なっちゃうんだよね。
ああ。
でも、その反応も分かる。「その経歴で自信がないって嫌味でしかない」って言われることもあるし、客観的に見たらそう思うだろうなって。でも本人的にはやっぱり周りを見て「はあ...私なんて...」って肩を落とすのよ。
人間だもの。当たり前だ。でもどうだろう。私たちは経歴や権力を前にすると、その奥にある人間味に蓋をしてしまうのかもしれない。
「やり続けた人が成功者だ」ってよく言うじゃない?それってシンドイなーって(笑)でも、そうやって心折れるくせに、自分より周りの方ができてると悔しくて。頑張りたい私もいる。
そんなもえもえが一番落ち込んだのは大学院の受験。人生で一番勉強をした。でも心が持たなかった。滑り止めの受験をした直後、「もう無理」と号泣した。家族にも「そんなに辛いのに続けさせることはできない」と言われた。そしてうっぷんを晴らすため1週間ほど遊んだ。
勉強してなかったら、結局ヒマになっちゃって(笑)また勉強再開した。もう私にはこれしか生きる術がないんだって、そのときい思い知った。
守って欲しい。そばにいて欲しい。
もえもえ、家族仲良さそうだね。
母親と弟のことも、おじいちゃんおばあちゃんのことも大好きなんだけど、お父さんとだけ、うまくいかないんだよね。
急に家族の話をしたら、こんな反応が返ってきた。
似てるからってこと?
周りから言わせたらそうなんだと思う。
父とのエピソードでトラウマとして残ってることがある。大学受験に落ちたときのこと。落ちた当日ってそりゃ悲しいし、でも元気出さなきゃって思うから、弟とテレビ見て笑ってたんだよね。それを見た父が「よく受験落ちたのに、ふつうに息していられるな」みたいなこと言われたの!慰めて欲しかったのに。
ぉおう。結構キツイね。
それから。おじいちゃんが倒れちゃったとき、父親は海外で仕事してて。海外って言ってもフライトで6時間くらいの場所。週末に帰ってくることは可能なのに、帰ってきてくれなかった。
人に言わせたら「仕事優先なんだから当たり前」なのかもしれないけど、父親の代わりに家族の大黒柱だった人が倒れるって家族にとって大きくて。お母さんもてんやわんやしてたし、当時高校生だった私はそんなお母さんを支えないとって不安だった。守って欲しかった。大事にときにそばにいて欲しかったのに、見捨てられてる感じがした。
家族に掛けた想いを吐露し、表に出すというのは容易なことではない。もえもえがこのインタビューの場で、父親の話をしてくれたのが彼女が強い証拠だと思った。
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「プロフェッショナル~仕事の流儀」のオマージュとして、この100人インタビューでも毎回同じ質問をして締める。
あなたにとってあなたとは?
努力をするのはもうシンドイ。でもやっぱり諦められない。それが私なんだなって。結局もがき続ける人なんだよね。
もえもえはインタビューを受けるのが夢だったと話してくれた。そして、そのときに話したいと思っていたことを話せたと言ってくれた。
自信があってやり遂げたことじゃない。自信がないからこそ、狂おしく、決して美しくない軌跡をたどって来られたのだと。