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『17歳の肖像』から考察する年上男性の魅力

皆さん『17歳の肖像』という映画をご存知でしょうか。

この映画は、恋愛とか年上男性とか文学とか芸術とかイギリスとかパリとか、私の好きな要素をブチ込んでミキサーにかけたスムージー的作品であり、私のサブカル琴線にビシビシ触れまくるオシャレ映画なのです。

主演のキャリー・マリガンは、品と知性があってコケティッシュな魅力満載。ピクシーカットや眉上前髪が似合う数少ない女優さんだと思う。

彼女が演じるジェニーはロンドンの中流階級の一人娘。教育熱心な両親のもと、オックスフォード大学を目指し勉強中で、学校の成績も優秀。しかも美人。
そんなロイヤルストレートフラッシュな彼女の密かな夢はパリに行くこと。
厳しい両親に隠れて、勉強の合間にこっそりシャンソンレコードを聴くのが楽しみな毎日だった。

そんな中、デイヴィットという倍以上歳の離れた男性に出会ってしまうのであーる!!!!!
デイヴィッドは教養豊かで、会話も上手く、エスコートも完璧。しかも音楽会.シャンソンバー.競売.ドッグレースなど、オシャで大人な場所にたくさん連れ出してくれる。
しかも憧れの地パリにまで連れて行ってくれるというリアル足長おじさんである。

2人の関係は順調に進んでいくように見えたけど、実はその恋愛には手痛い仕打ちが待ち受けていて…
という感じのお話です。

オシャレベルやスケールは各々違えど、この話は若い女性のやらかし恋愛を大いに象徴している…!と思ったんだよね。

私の10代のやらかし恋愛遍歴

自分の10代後半を思い返すと、自信と劣等感を行き来しまくり、好奇心旺盛だけど無防備で、感情的になっていちいち傷付いて、だいぶアンバランスな年代だったなぁ…と思う。
そんな時期の恋愛なんて、空回りが過ぎるし、相手の本質や真意を平気で見誤るし、本当にやらかしの連続だった。
(別れ際の彼氏に鬼電+メールしすぎて『もう金輪際連絡してくるな』って言われたり、遊ばれてると気付かず夜中に呼び出されると相手の家にノコノコ出向いたり、付き合ってから素をさらけ出しすぎて1ヶ月で音信不通→後々メールで別れを告げられたり、、等々。書いててツラくなってきた。)

でも、その時期に色々なことをやらかしておくのはとても大事な事だったと思う。その事実から何かを学んで自分で落とし前を付け、同じ失敗を繰り返さないように努力していくことが大人への通過儀礼なのである。

デイヴィッドとの恋愛を経て、失ったものを取り返すために努力するジェニーの姿は、とても美しくてなんだか神々しいものを見たなぁという余韻が残った。

年上男性の魅力とはなんぞや

年上だというだけで2割増にカッコ良く見えてしまう現象って一体なんなんだろうね。
映画に登場するデイヴィットは一見とても品が良いおじさまである。性的な下心などまるで無いかのように(実際はあったけど)サラリと近づいてきて、サラリと誘ってくるし、何より自然体で余裕満載。

私も17歳の頃から、5歳上のサラリーマン→6歳上の公務員→7歳上の美容師…と歳上の人とばっかり付き合ってきた。20代以降は何人か同世代.年下の彼氏も出来たけど、最終的に結婚した旦那さんは10歳年上である。
10代の小娘にとって、自分より社会的経験値の高い年上男性と対等に関われるのは恋愛くらいだったし『年上男性と付き合っている私』に当時の自尊心は満たされまくっていた。
彼らは同年代男子のように力が入ったメール送って来たり、俺!俺!っていう感じのギラギラ感をあまり見せて来ない。初デートに革ジャンonダウンベストという謎ファッションをしてきたりしない。(実在した)
そして彼らが連れて行ってくれるのは、サイ●リヤとかカ●オケ館…みたいなヤングな場所ではなく、神泉とか青山とか恵比寿。そして夜は素敵なダイニングやオシャ居酒屋へ。ジンジャエールに甘いのと辛いのがある…というのもこの時期に初めて知ったし、私がトイレに行っている間に会計を済ませているスマートさにもいちいちシビれていた。
彼らとのデートは、大人の場所を覗き見させてもらえるとても貴重な体験だった。

私は常に相手と対等でいたい

付き合うカップルの魅力はほぼ同等で、総合点数±5以内に収まっている…という。それには完全同意するし、私が当時彼らと付き合えていたのは『若さ』『女子高生』という大きな資産の上乗せがあったからだと思う。

10代の背伸びした付き合いでは色々手痛い経験をしたし、相手に振り回されていちいち不安定になる自分がすごく嫌いだったし、手帳にエモいポエムとか書かなくて済む自分になりたかった。
だからこそ、20代に入ってからは、素敵な男性と対等に渡り合えるような教養.仕事力.センス.会話力etc...若さ以外の価値を身に付けて、自分が魅力的だと感じる人達にもっとリスペクトしてもらえるような自分になろうと思えたのである。

そうやって20代を駆け抜けてきて、そう思わせてくれた歴代の年上彼氏たちには心から感謝しているし、当時の彼らと今出会ったとしても、当時よりずっと良い距離感で付き合えそうな気がしている。

むしろ今彼らと再会したとしても、今は付き合いたいとすら思わないかも知れないけど。



でもでもでもでも
もしもしもしもし
突然目の前に素敵な紳士が現れて、音楽会や競売やドッグレース…はたまたパリに連れて行ってくれるなんて事になったら

多分学んだ事なんて全てぶっ飛んで、
舞い上がって、メロメロになってしまったりするんだろうな。

今まで学んできた教訓なんてまるで役に立たない、けど感情が一瞬で持っていかれるような引力がある。
そんな強烈な楽しさを孕んでいる物はこの世で恋愛だけだと思う。

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