人生で初めてワンチャン狙った話①
私は人生でナンパされた経験が3回しかない。
モテとは程遠いキツめの顔立ちだし、隙や女性的色気があまりないので、その3回も①夜道②クラブ③人づて(友達経由でメアド聞かれる)と、暗がりか間接的のみ…!!
でも渋谷や新宿を歩いていると、女子を足早に追いかけて必死に話しかける男子とかよく見るし(あれはキャッチか)、可愛い女友達と飲んでると『一緒に飲みませんか?』みたいに声掛けられたりするので、ハイレベルな男女たちが日々繰り広げるナンパワールドは確かにあるんだと思う。
嗚呼。一度でいいからハチャメチャにナンパされて、受け流すの大変〜とか言ってみたいんですけど!!!!
そんな感じの私なので、自分から知らない男性に話し掛けるなんて事も絶対絶対絶対無理だし、そんな出来事は一生起こらないだろうと思っていた。
のだが。
あれは4年前。大阪で一人暮らししていた頃の話である。
そんな私でも人生で一度だけ、よく知らない人にワンチャンを仕掛けたことがある。
私は大阪に1年半ほど住んでいた時期があった。しかもその頃、4年近く付き合った彼氏と別れた直後だったこともあり絶賛自暴自棄中。
深夜まで友達と飲みまくり.忘れるために仕事に精を出しまくり.痩せて周囲に心配され.だいぶ精神的に荒んでいた。
そんな時に出会ったのは、職場の近くのカフェで働くヤナギくん(仮名)であった。
たまたまランチしに入ったお店にいたヤナギくんは、私の大好きな綾野剛にそっっっっくりでストライクゾーンど真ん中の塩顔男子。
最初は『こんな似てる人間が存在するのか』位にしか思っていなかったのだけれど、カフェで見かけるたびに少しずつ彼のことが気になり始めた。
何歳なのか
彼女はいるのか
どこに住んでるのか
どんな兄弟構成なのか
正社員なのかバイトなのか
お酒は飲むのか
犬派か猫派か
聞いてみたいことは色々あったけど、自分から声をかけるのはどうしても恥ずかしくて、レジでの最低限の会話しかできず、不自然ではない程度にカフェに通い詰める日々が続いていた。
やはり元彼への未練も引きずっていたし、すぐ次の恋愛をしようという気にもなれなかったので、ヤナギくんを密かな心のオアシスにしていたのである。
しかし、そんなある日
またもや人事異動で東京へ戻ることが決定。慣れ親しんだ大阪から1ヶ月半後に引っ越すことになった。
そこで私は『もう失うものは何もないから、ヤナギくんとのワンチャン狙っても良くない?』というスターモード(マリオカートの無敵モード)に突入したのである。
どんなにキモい感じになったとしても
どんなにドン引きされたとしても
たとえ彼女がいたとしても
私は1ヶ月半後には大阪から居なくなる人間!
しかも東京戻ったら仕事もっと忙しくなるしセンチになってる暇ない!
しかも物理的に会えない距離だからすぐ忘れられる!
よってノープロブレム!
行 く し か な い !!!!
こうして私は『引越しまでにヤナギくんとワンチャン狙おう作戦』を決行することとなる。
パート2に続きます。