母との話
少し前、母とラインで「死」について話した。
ちょうど先日、祖母の命日だったのと叔父(母の兄)が亡くなりまる1年と少し過ぎたときだった。
その時、母が送ってきた言葉が、母ではない別の誰かの声を聴くみたいに思えた。
たぶん「私の母」という関係を超えた、母の本当の姿が見えたから。
こんなことはあまりないのだけど、前にも一度あった。亡くなった叔父の告別式の時だった。
順番に前に出てお焼香をする。
足の悪い母の番になり、少しふらふらしながら前に進み、母はお焼香をあげた。
その時、母は叔父の遺影に向かって、
「にいちゃんサヨナラ、にいちゃんサヨナラ」
って言った。
それはそれはか細くて、可愛らしい小さな女の子の声だった。私はその時はじめて、涙がこぼれた。
そんな母が「死」について語った言葉。
今でも私のこころの中に、お寺の鐘みたいに長く深く響いている。どこかに留めておきたくてnoteに記しておこうと思った。
自分のために。
あんなにスパルタの教育ママだったのに。
こんな風に手放す気持ちを今、持っている。
風みたいに。
でも、やっぱり未練もある。そんな母が愛しい。
それもこれもぜんぶひっくるめて、
感謝 これだけを胸に灯そうとしている。
母に会いたくなってきた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?