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ヒュッゲしたい。

テレビが生活の一部ではなくなった。
理由は色々あるが、ニュースやドキュメント番組以外全く観る気にならない。

テレビの代わりに、Amazon primeで海外ドラマを観たり、youtubeでBGMを流しながら過ごすことが多い。

今は代替としての選択肢がたくさんあって
とても恵まれていると思う。

大人になって、テレビが人生の時間を奪っていく感覚をもう無視できなくなっていた。

海外で暮らした経験も影響していると思う。
タイの田舎町で暮らして驚いたことは
たとえ大人でも、自分の居心地が良い事、楽しい事、したい事を当たり前のようにすることだ。
優先するとかのレベルではなく。
本当に当たり前に。

仕事が終わったら、自然と仲間同士で集まる。みんなで夕食を準備し、会話を楽しみながら夜を過ごす。お酒を飲んで、音楽に合わせて踊る

まだ22歳だった私には衝撃的な光景だった。
同時にとてもカッコ良いと思った。

陳腐な表現だが、今を、人生を、楽しんでいるように見えた。

パリの街角の小さなカフェで熱心に話し込む人々や、アメリカのホームパーティーで気さくに会話を楽しむ人々。
海外ドラマを観て憧れていた。
それと同じカッコ良さだった。

帰国してから、漠然とそんなカッコ良さを
日本の生活の中で探していた。
でもバーベキューやお花見でも
いわゆる居酒屋での飲み会も
全くカッコ良くなかった。
タイでのそれとは、むしろ正反対の空気が流れていた。


なぜなら、あのカッコ良さの根源には
自然さや一体感、安らぎ
全員の居心地の良さ、誰も無理はせず
今に感謝し、今を楽しむ気持ち
家族や友人との時間を大切にする
という価値観があったはずだから。

集まって楽しむ機会を作るんじゃなく
居心地の良さと楽しさを求めて自然に集まる
それが日常に存在している。

これまで漠然といいなぁと思いながら
このカッコ良さを上手く言葉に出来なかった。

けれど最近、ヒュッゲ(HYGGE)
という言葉を知って、もしかしたら
この言葉に近いんじゃないかなと思った。

ヒュッゲとは、デンマーク語で「居心地が良い空間」や「楽しい時間」を指す言葉。
幸福度の高いデンマーク人が大切にしている
ライフスタイル、価値観。


この数年で欧米でもブームになって
ヒュッゲという暮らしの考え方が見直されているらしい。

15年前にタイの田舎で
ヒュッゲに出会っていた。

15年経って
あのカッコ良さにやっと名前がついた。

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