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アメリカ有機農場 滞在記② ワイルドな生活がはじまった

幸福度は、便利さとは別の場所にあるんだろう。
東京での泥ひとつない生活に比べたら、農場ははるかに汚かったし、虫もたくさんいたし、不便だったけれど、私は1日が1週間に感じられるくらい、農場での生活を楽しんでいた。

もちろん2週間という限られた期間だったからこそ楽しめたという側面もあるかもしれない。でも私は、あの日々が日常になることを夢見るくらいには、幸せだった。

では、私が泊まった場所のルームツアーをしよう。

滞在した小屋

まずこちらに見えるのが、ベッドルームでございます。女子3人で行ったのだけど、3人が寝るスペースと荷物を置けばもういっぱい、というくらいの小さな小屋。小屋の前に広がっているのはハーブの畑。10種類以上植っている。本当にかわいいお気に入りの小屋です。
農場の人がDIYしたのだという。いや、すごくないか。

ただしこの小屋は電気が通っていないため、夜はろうそくを灯す。不便だと思うかもしれないが、全然気にならなかった。なんせ昼間たくさん動いているから疲れてすぐ眠ってしまう。しかも朝はにわとりの声で強制的に起こされるから(立派な雄鶏がいるのだ)、夜ふかしもしてられない。というわけで、ろうそくがもったいなくて夜8時には寝るという小学生みたいな生活をしていた。


洗面所?

お次は洗面所。写真の右に見える白いシンクです。朝日をたっぷり浴びながら顔を洗うだけで一日が楽しくなるのはなぜだろうか。


雲ひとつない空を眺めながらシャワー。

衝撃のシャワールーム。え、外?
木の板の囲いはあるのだけど、納屋の外の壁にシャワーヘッドが突き出ていて、空を見ながら浴びる。なんか、タワマンのガラス張りのお風呂みたいでいいじゃないか。
1日の仕事が終わったら、お日様が出ているうちに急いでシャワーにかからないといけない。お天道様に照らされているうちはいいけれど、夜になると死ぬほど寒くなってしまうから。


滞在の最後に撮った写真だから、ウェルカムフラワーがしおれているけれど。

こちらがダイニング。こんな場所でもテーブルクロスがかかっていることが、アメリカだと思う。

キッチンもあります。一緒に滞在した3人で3食自炊していた。
冷蔵庫やコンロやシンクがそれぞれどでかい納屋の端っこにあるので、ひとつ料理を作るだけで1000歩くらい歩数が溜まる。家事動線なんてガン無視の健康的な物件。
ここで作った料理の数々についても書けたらいいな。

何かを置くときに毎回小鳥のフンがないか確かめなきゃいけなかったり、靴を履く前に中になめくじがいないか確認しなきゃいけなかったり、色々と普段は気にもしないようなことに精神使わなきゃいけないことはあるけれど、でもここでの生活は本当にすべての瞬間が輝いていた。もしかしたら、毎日おいしい野菜が手に入るだけで私の心は満たされる、ということかもしれないけれど。

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