スパーズの貸借対照表を頑張って読んでみる
こんにちは!marieです。
最近、苦手だった貸借対照表(BS)を読まないといけない機会が増えました。興味のない企業のだけ見て終わってもつまらないので、趣味に還元します。海外サッカーは良い趣味よ。
BSとは
財務諸表はだいたい3つあります。
PL(損益計算書)…1年間の収入と費用と利益。
BS(貸借対照表)…年度末に保持している資産と負債。
CF(キャッシュフロー計算書)…1年間の実際のお金の動き。
どのannual reportも、この3つで構成されているよ。
いろんなニュースで「●●億の赤字」とか言ってるのは、主にPLのことです。私が過去いろいろ書いてきたのも、PLのこと。PLはわかりやすい。
でも、PLは「まだ実際のお金は入金されてないけど、約束はしたから入金されたことにする!」とか、「わかんないけど来年損失立つ可能性があるから、もう損失立ったことにしとく!」みたいな(謎)ルールで作られているので、実際のお金や資産の動きとは全く連動しません。
たとえば、選手の移籍金です。エリクセンって確か分割払いでインテルに移籍したので、移籍した年度時点ではまだ全額払ってもらってなかったと思うんですが、それぞれこんな書き方になると思います。
PL→まだ入金はしてもらってないけど、契約成立した!収入に入れちゃう!
BS→決定事項として1年以内に入金されるって書いとく!
CF→実際のお金は何も動いてないので何も書かない!移籍などなかった!
だいぶ変わりますね。なので、黒字ヤッター!!となってても、実際手元にお金がちゃんとあるかはわからないのです。
見てみよう
では見てみよう!今回はスパーズだけでなくアーセナルと並べます。1クラブだけだと額が多いのか少ないのかよくわからないからです。
ただ、下の表を作ってて思ったのは、クラブによって書き方が違っててめんどくさい!ということです。(これでもスパーズとアーセナルはめっちゃ似てる会社だと思うのですが…)
クラブによって、「これは詳細に内訳を書きたい!(書かないといけない)」とか「これはこっちのカテゴリに入れたい!」とか、それぞれの事情があるのだなと感じました。
<出典はこちら>
まずは資産の部から。
※有形固定資産の内訳(濃いグレー部分):スパーズの分は元々内訳の記載がなかった。詳細を読んで私が振り分けたので、もし違っていたらすみません
資産は、固定資産(Non-current assets)と流動資産(Current assets)に分けられるよ。1年以上動かなそうなのが固定資産、1年以内に動きそうなのが流動資産。
①すごいね!有形固定資産
スパーズの有形固定資産(Tandible assets)がとんでもないですね。約£1,200M…見覚えがあります。スタジアムですね!
アーセナルは約£390M。エミレーツおよび練習場などの設備は、BS上そのくらいの価値があるのだとわかります。こういう設備は、毎年老朽化を加味して少しずつ価値を減らしていくので、それでも結構な価値がありますよね。
②無形固定資産は選手のことなのか?
続いて無形固定資産です。アーセナルが£290Mくらい、スパーズが£200Mくらいですね。
サッカークラブにおける無形固定資産=選手の移籍金(所属権)ということは、この界隈では親の顔よりも見てきたルールですね。でもこれは選手の資産価値なのか?だってケインとソンだけで市場価格£200Mくらいになるよね?
結論から言うと、これは取得金額を元にしたものであり、今の価格ではありません。なので、現在のスカッドの時価総額と考えるのは誤りです。資産って言ってるくせにわかりにくいね。でも、これを取得額とするか時価とするかは、どっちもメリットデメリットがあるのです。時価にしたとしても、選手の価格なんて半年もあればめちゃくちゃ変わるじゃないですか。
ということで、取得金額ベースになっています。
そして、ということは、おそらくアカデミー出身であるケインの価値はまたこれに入ってない。ケインは会計上、社内で作成した製品wだからです。内部で作成した製品(ソフトウェアやハリーケイン)は、製品が完成したときに「これは確実に収益をもたらす資産になる!」と判断できれば資産化、「まだ活躍するかわからない」となれば資産になりません。最初ケインはわかんなかったよね。だから資産化されないままここまで来ているし、最後まで資産化されないでしょう。
あ、エンドンべレは外部から購入してるので入ってますよ。理不尽ですね。
③スパーズってグッズ数異常に多いんじゃないの
全体の規模ではそこまで大きくはないのですが、棚卸資産(Inventories)が両者で2倍違います!
棚卸資産とは、ざっくり言って商品の在庫のことです。スパーズのレポートにも「販売のための商品のことです。」とだけ書いてありました。
これが膨れ上がる理由は、
・商品数が多い
・在庫回転率が悪い(余剰品が出てしまっている)
のどちらかです。別に膨れるの自体は悪いことではなく、グッズ収入と比例していれば問題ありません。Matchday収入自体はめちゃくちゃ増えているスパーズなので、グッズ数を多くして利益増をはかる!ってやってるところなのが見て取れます。パッと見わかんないけど、グッズだけの収支も見てみたいな。
たしかにスパーズは近年グッズ数がすさまじく、これ本当にいる?みたいなグッズや種類がたくさんあるので、納得ではあります。
ただ、これで廃棄が多く出てしまうようだと死活問題になりかねないので注意ですね。
④未収入金のあれこれ(アピールポイントの違い)
未収入金の中身は、記載している項目が全然違っていました。
アーセナルは、土地開発と売上債権等(税金は売上債権等の中に含んでる)
スパーズは、税金と売上債権等(土地開発はあるか不明、あるとしたら売上債権等の中に含んでる)
それぞれ、「うちはこんなに土地開発してる!」「うちはこんなに税金払ってる!」の表れですね。
ちなみに売上債権は、最初に出したエリクセンの例のように「まだ入金してもらってないお金」のことです!(細かいところだと、私たちがグッズをクレカで買って、引き落としがまだだったらそれもここに入るよ)両クラブともに£30Mくらいあるんですね。
次は負債と純資産だよ!
負債も、固定負債(Non-current liabilities)と流動負債(Current liabilities)に分かれます。分かれ目は、1年より長いか、1年以内かです。
⑤借入金に注目してね
スパーズは負債の内訳が細かいw(アーセナルは「Creditors within one year/after more than one year」の一行しかなかった)
それは銀行からの借入金が多いからですね。
流動負債(Current liabilities)の借入金は、昨年度は£175Mありましたが、20-21シーズンでは返済し終えて一旦安定したのがわかります。
ただ、その分固定負債(Non-current liabilities)の借入金が£650M→£850Mくらいに増えていますね。スパーズのannual reportsにも書かれていましたが、スパーズは昨年、長期借入金を借りなおすことで短期分を返済しました。借りたお金で借りたお金を返済したのです。
こういうお金の借り換えは、企業では普通に行われることですが、別に全体の借金が減っているわけでないのは理解しておいた方がよいと思います。
あと、先ほど「固定負債(Non-current liabilities)と流動負債(Current liabilities)の分かれ目は1年」と書きましたが、スパーズの長期借入金は30年ローンです。1年以上の借金が長期と呼ばれるカテゴリで、30年契約なのです。めちゃくちゃ先の長い話…。
⑥営業債務(レギロンなど)
いちおう、営業債務も見ておきます!
営業債務は、④売上債権の逆です。契約はしてるけど、まだ先方にお金を払っていないものを指します。レギロンとかね。
ただ、£240~300Mもある。そんなあるの??と思って詳細を見たら、うち£120Mくらいは選手の買掛金(まだ払っていない移籍金)でした。先延ばしにしすぎである。
別に全然レギロンだけじゃないんだけど、なんかイメージが強くて題名にしてしまいました。そんなにいるかな?いるか。
細かく見られていなくて恐縮ですが、アーセナルにも結構いるようですね。ノーロンは、買いオプの白、分割の赤ですからね。
⑦純資産を見て終わり
最後は純資産(Equity)です。結局、企業がもっている資本金+利益剰余金(配当とか投資に使える自分のお金)はいくらなのか。
スパーズ £256M、アーセナル£238M。ほぼ同じ!利益剰余金もほぼ同じ!
末永く友達でいようね!!
※2022/5/10追記
利益剰余金もほぼ同じって書きましたが、スパーズの方が£10~20Mくらい多かったです!大した差ではないかもしれませんが、これは記しておきます!!笑
ということで、あまり誰も取り上げないBSを見てみましたが、いかがだったでしょうか。
アーセナルを比較に出したのは、オーソドックスでちゃんとしてて、規模もスパーズに近いからです。今激変のチェルシーなんかは見たら面白いと思いますが、一行ずつ「何これどういうこと?」って詳細を見に行かないといけなそうなので、今回はやめました。
皆さんも、気になるクラブがあったら「●● annualreport」でググれば大体出てきますので、ぜひ見てみるといいと思います。PLもBSもせいぜい1ページですので。
株価とかは難しいので別でやります!今回は以上です!