7週間のハネムーンで失ったものと忘れたくないもの
夫と2人で暮らして2年、結婚してちょうど1年。わたしも夫もそこそこハードワーカーで、あんま家にいないし土日も割と別行動。朝ごはんは毎日一緒だけど、晩ごはんは週に2~3度一緒に食べるかな?ってぐらい。
狭い1LDKで、新型コロナウイルスと緊急事態宣言がなされる2020年をむかえることになりました。
コロナ寸前の2月に滑り込みで新婚旅行に行っていて、10日間まるまる24時間一緒で、ハネムーンってすごいな〜こんなに夫と長時間ぶっ続けで一緒にいることなんて次は何年後にあるのだろうか…なんて思っていました。
その2ヶ月後に緊急事態宣言、7週間2人で家に閉じこもることになるわけですよ。人生なにがおこるかわかんないって本当だな。
毎日ごはんを三食一緒に食べ、全体会議で売り上げの報告をしてくたびれてベッドに倒れた夫にそっと布団をかけてあげたり、ムカつく取引先と電話したあとは夫の胸で絶叫させてもらい、「なんか調子でないな〜」「私も〜」「散歩でもいくか〜」とお昼休みに公園に行ってキャッチボールして。8時ぐらいにはパソコン閉じて二人で夜ちょっと散歩して、ビール買って帰って適当につまみ食べながら飲んでネフリみて。
自分を守ってくれる身内と24時間いっしょなわけですよ。辛いときも嬉しいときも完全に味方にたってくれる人が常にそばにいる。これはね、完全にメンタリティが赤ちゃんになりますね。ウェブ会議のあとの一息に夫のメタボ腹をモミモミできる環境以外で働けるのか?上司にマウント取られてイライラしているときに夫によしよしと慰めてもらわずにこの社会の荒波を超えていけるのか?緊急事態宣言あけて無事社会人に戻れるのだろうか?
土日は土日でお出かけ予定がないもんだから、罪悪感なくずっとベッドでゴロゴロして、ゲームして漫画読んで、夜に運動がてらふたりで出かけて、今日は左へ、次の日は右へ、適当にお散歩しながら公園を見つけたり、人の庭の薔薇を眺めたり。毎週ライブだの女子会だのバーベキューだのと出かけ倒していた私でしたが、なんかもう一生この人と二人で静かに暮らしていければそれでいいんじゃないか???ほかに人生に必要なものある????っていう精神的隠居状態。
二人の会話も幼稚園児かな?っていう知能指数におちてきている。「ビールのむむ~?」「のむむ~」ぐらいバカみたいな喋り方してる。あと夫がすることなすことに毎日げらげら笑ってるんだけど、やばいことに気づいた。こないだzoom飲み会があったときに共通の友人に「〇〇くんがこないだ英語のつづりのあれ間違えてさ~」みたいに話したところ私だけプププって笑ってて、ほかの人はきょとんって感じで、つまり他人からみたら全然おもしろくないっていうか「だから?」案件だったんですよ。わかります?この究極に寒い感じ。自分の旦那の内輪ネタで笑うっていうおもしろくない女の代表格みたいなことしちゃって本当に今思い出しても羞恥で死にたくなってくる。
気が合って私に優しい家族(夫)とだけふれあって、そのほかの他人はウェブの向こう。リアルの社会を断っているせいで、体力やメンタリティの強度だけでなく、社会性やコミュニケーションスキルも下がってきているのを実感したわけです。
ハネムーンは素敵だけど、一生続いたらダメだな~って思ったはなし。
ただ、この生産性もなくぼんやりとした時間は、忘れずにいたいなと思った。夫と昼休みにしたキャッチボールの向こうに見えた入道雲とか、夕暮れ誰もいない街で行き先も決めずに手をつないで歩いたこととか、陽光の差し込むリビングで伸びたひげを撫でながら仕事をする彼を盗み見たこととか。また日常が始まればきっとどうでもよくなるようなことだけど。まあ世界がどうなってもぼやっと二人で生きていきたいな、と思ったという記録。
10年後も20年後も、コロナとか地震とかいろいろあるんでしょうが、いろんな荒波をぼんやりと越えていけたらいいな~という備忘録。
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