空はアオかった-序章-

カラクリに惑わされた
虹色の空
その空の中
沢山の大きな羽が生えた天使と
色とりどりの
妖精たちが
舞っていた

私は、ここがどこで
何の場所かわからない

わかることは
性別が女性
10〜20歳
周りにいる人たちとは
着ている洋服も
肌の色も
髪の色さえ違う

よく見ると
街の
細部も全く異なり
ここが私にとって
住んでいた星ではないことだけは
わかった

空の色はまるで
マーブルアイスのような色
ピンク色の空に
紫や薄緑と白色が綺麗にグラデーションがかった
綺麗で
美味しそうな色だ

目の前の道は
くねくねと
どこかへ続いている

私は空腹を感じて
その道の先にある
街らしき場所に向かった

、、、なぜか
わかっているかのように
進んだ

すると

予想通り
街らしき場所にたどり着いた

沢山の見たことがない乗り物
先ほど見かけた異星人らしき
人とはまた違う見た目の異星人が
沢山いた

とりあえず腹ごしらえがしたい
そう思い
頭に浮かんだのは
「ハンバーグ食べたいなぁ」
すると、いい香りがした
横を見るとなんとも美味しそうな
ハンバーグ屋さんがあった

「あ、でも私お金持ってないや」

どうしようと困りながら
お店の中をじーっと眺めていると
店主が
「なんで君は、みているだけなんだい?入って食べるんだロ?」

「でも、私。。。お金がなくて。。。」

「お金?なんだイ?君がハンバーグ食べたいって言うから、もう、そこに置いてしまった。冷めないうちに食べた方が美味しいと思うヨ」

私は訳が分からず、しかし、ぐーぐーなるお腹には勝てず
感謝しながら
ハンバーグを食べた

「おいしかったかイ?そりゃ良かった。ありがとう、食べてくれテ。」
そう言って、店主から感謝されながら
お店を後にした

「変なの、、、。どういうシステムなのかしら?」

ふと、気づいた
「ん?お金??」

分からないことだらけで
知らないことだらけなのに
不思議と違いと違和感だけはあった

そして
安心感と喜びに満ちていて
とても楽しい気分であるのも
感じた

「お腹はいっぱいになったけど、これから寝泊まりする場所はどうしたらいいんだろう?名前も思い出せないし。。。」

ふと、小さな不安が生まれた。

すると、その不安が的中すかのように
どんどんあたりが暗くなり
寝る場所も決まらないまま
どんどん人気も無くなっていった

「さっきまで美味しいハンバーグと、優しい店主さんのおかげて、幸せな気持ちにだったのにな〜」と思い出していたら

「ん?さっきの女の子じゃないカ?どうしたんだいこんな所で。お家はどうしたんだイ?」
優しく声をかけられて
さっきの不安が解けていく感覚になった
「実は、私、、、。名前も家もわからないんです。さっきもハンバーグご馳走になったのにお礼もできなくて。。。」

「ん?君は何をそんなに悲しい気持ちでいるんだい?美味しいハンバーグを食べた時のように、自分のお家考えてみてごらん。そうしたらあるかラ。」
「それに、私は君かラもうすでにハンバーグのお礼はもらったヨ。君ほど、あのハンバーグを『美味しい』と言って食べたお客様は今日いなかったかラね!」」

私は訳が分からないまま、店主さんが喜んでくれているなら良かった、と安心をした。

そして、言われた通り
ハンバーグを食べたいと考えた時のように
「お家があるんだ。」と考えてみた
すると
この星ではない場所に
赤い屋根で、他に家族が住んでて
地面はグレーで空は紺色と
キラキラの粒があった
すると、急に涙が溢れた

「ん?泣いているのかい?よしよし。そしたら、妻に来てもらうから待ってテ。」
街でよく見かけていた不思議な乗り物に乗った、店主の奥さんが
急いで迎えに来てくれた。
「泣いてしまったのネ。大丈夫よ。あなたのお家は、あるから。一緒にいきましょう。」
そう言って
どうすることもできなかった
私の手をとって、乗り物に乗り
移動した。

窓の外は
相変わらず知らない景色
だけど、とても懐かしい気持ちにもなる場所だった
「私、ここと似ている場所を知っているんだわ。きっと。」
「そうなのかい?それは良かっタ。」
店主さんが笑顔で答えてくれた
奥さんは、私の手を優しく握ったまま
うんうん。とうなづいてくれた。

しばらくして
店主さんと奥さんが住む
可愛らしいお家に着いた
「さぁ、どうぞ。上がっテ」
「お邪魔します」
私は、どきどきしながら
お家へ入らせてもらった

「何か飲み物はいるかしラ?コクリとミラクしかないのだけれど。」
そう言われた時に
「コクリ??ミラク??」
聞いたことない飲み物だった
「大丈夫、あなたはすでに知っているワ、どちらがいいか、考えずに心の中で良いなと感じた方を選んで」
そう言われて私は
心の中で
なんとなく味を思い描いた

すると、奥さんがキッチンから飲み物を持って来てくれた

滑らかで甘くてなんだか安心する温かい飲み物が出された。

私が大好きな味だった。

この星に来てから
あっという間に1日がたった

不思議なことはたくさんあったけど
不思議と不安は無くなっていた

朝、目が覚めて

窓の外を見ると

やっぱり空はピンク色で
行き交う人は
見慣れぬ姿

“コンコン”と
扉を
叩く音がして
返事をする
「はーい」

「***ちゃん。おはよウ。」

名前を呼ばれたが聞き取れない

「奥さん。私の名前はなんて言ったの??」
奥さんは不思議そうな顔おをして
「***ちゃん??」

「私の名前だけ、聞き取れない、、、。」

本当の私は誰なのか
なんのためにこの星に来て
なぜ、不安や違和感があって
安心感もあるのか

そして、私の名前は何なのか。。。

そう。私は
この先、沢山の経験を経て
本当の自分を見つけていくことに
なるのであった、、、

#創作大賞2023 #ファンタジー小説部門


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