冬の富士山
移動するとき、私はどこか富士山を探してしまいます。冬は空気が澄んでいるからかよく見える。
当たり前だけど、近いようで遠いのです。
この日は飛行機に乗りました。もうすぐ富士山上空を通過します、というようなアナウンスが入り、窓から下を覗き込みます。上空からの富士山はあいにく撮れませんでしたが、地上から見るのとは違う見慣れない富士山です。上から見える街ってミニチュアのようで不思議。普段こんなところで生活しているのかとたまに思ってしまいます。
幼い頃、祖父母の家へ帰省で飛行機での移動中に窓から街を見下ろしていて、隣に座っている母に「こんなに小さいところで生活しているんだね・・」と話しかけたことを思い出します。小学生の高学年の頃でしょうか、学校の部活が結構厳しく、先生や部員たちとの人間関係について悩んでいて毎日憂鬱な時期でした。当時、母が「こんな小さな場所で繰り広げている悩みなんて大したことないのよ」と言われたことを思い出します。そう、たいしたことないんだ。
帰りは新幹線。
C席(3列シートの通路側)から。新幹線の車内でも静岡に入って富士山を通過するあたりで車掌さんからアナウンスがあります。
見事だなといつも思います。スマホをいじっていた人や何やら食べいた人、本を読んでいた人、パソコンで仕事をしていたビジネスマンもアナウンスが入ると、手を止めて外の富士山を見ていました。声は出さないけれど、心の声が聞こえてきそうでした。昔も今も富士山って特別な存在です。
以上、富士山の話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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