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クレイにできないこと(風邪の経過について)

子どもと一緒に風邪をひいていました。今回の風邪は息子、娘、私、みな共通して咳がひどかったため、クレイ湿布をすることにしました。(写真↑)

前回、クレイで喘息の症状が改善した経験から、今回の風邪も「クレイをしたら治るかも!」と期待し、使い方を工夫してみましたが、残念!!クレイ湿布中は気持ちよく、症状も和らいだものの、目立った改善は見られませんでした。


そして気づきました。風邪が治るには必要な過程があり、それをすっ飛ばすことはできないのだと。


例えば、ウィルス由来の風邪では、体は熱を出して戦います。そこへ外から介入して熱だけを下げてしまうと、ウィルスが体内に残り、体は戦う手段を失ってしまいます。

だからといって、薬を使うことに反対しているわけではありません。

大切なのは、「体は間違えない」という視点を持つことです。熱や下痢、蕁麻疹、咳が出るには理由があります。それを理解しないまま薬で抑え込んでしまうと、かえって体の自然な働きを妨げることになりかねません。

熱が出る体をポンコツだと思うか、正常に働いていると信じるか、その認識の違いはとても重要です。まずは、なぜ今この症状が出ているのかを理解すること。その上で、状況に応じて最善と思われる対応を選べばよいと私は考えています。

私自身は、投薬や通院をせず、家で養生しながら自然に治るのを待つことが多いですが、それが「私にとっては」楽だからです。


今回、クレイの働きが症状の緩和のみにとどまったことで(本来はそれで十分ですが)、改めて気づくことができました。有効な対応策があっても、体にとって必要な症状は止めることができないということです。

私と子どもたちの咳が酷かったのは、「皮膚や呼吸器に症状が出やすい体質」ということもありますが、それに加えて、「目を使うのが好き」ということも影響したと考えられます。野口整体では、目の疲労が呼吸器系に影響を与えると考えるからです。

野口整体では、風邪を「自然の整体法」と捉えます。つまり、風邪をひくことで、体は自ら「こわばった状態(あるいは鈍くなった、偏った状態)」から、「より良い状態」に戻ろうとするのです。そう考えると、今回の咳も、体がより良い状態に向かうために必要な過程だったと考えることができます。


また、前回のクレイケアの手応えが大きかったため、「クレイが解決してくれる」という期待が大きくなり過ぎていたことにも気づきました。クレイは治癒を促進し、素晴らしいサポートをしてくれますが、 あくまでサポート役です。

自分自身に健やかさ、回復力、治癒力が備わっているからこそ、クレイがサポートできるーーその認識が大切だと、改めて感じました。


ちなみに、4年前の今頃も、似たような経験をしていたようです。「本人も親も辛い」「学校の先生との連絡がプレッシャー」「休みすぎて焦る」「早く治って」そんな気持ちでした。(↓)

今回も子どもたちは1週間学校を休みました。私の方は、4年前に感じたことなどすっかり忘れ、同じような焦りや不安に飲み込まれていました。人間って変わらないんですね(笑)。読み返してようやく、この時期に体調を崩しやすいこと、そして治るのに時間がかかるのは仕方がないことだと、受け入れられるようになりました。

野口整体の創始者である野口晴哉は、著書『風邪の効用』で次のように記述しています。

早く治すというのがよいのではない。遅く治るというのがよいのでもない。その体にとって自然の経過を通ることが望ましい

『風邪の効用』は、ユニークな語り口も面白く、学ぶことが多い必読の書です。一般的な健康観や病気観とは異なる視点が多く、意味がわからなかったり、受け入れにくい部分もあるかもしれません。それでも「こういう考え方もあるのね」くらいの気楽さで、一読されることをお勧めします。


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