2015.06.04 3年前、僕が日本サッカー協会に提出したレポート。

今の日本には、スピードとフィジカル・勢いに任せたサッカーが蔓延している。

「速く!(スピード)」
「早く!(判断)」
「持つな!」

育成年代からこんな指導しか受けてない子どもたちが多く、高校生にもなれば、さらに身体能力任せのサッカーをしている。
体が大きくなり、身体能力が向上すればするほど、その傾向も顕著になる。

蹴る。走る。ぶつかる。
今の日本サッカーには、テクニック、イマジネーション、遊び心、ファンタジーが皆無。

「勝たなければ意味がない」…そのとおり。
でも、それはプロの話。
育成年代から、勝利に目を向けている大人が多いから、子どもたちの個性が育たない。

まわりと同じがそんなにいいのか?
自分の考えは持ってない?
自分にしかできないプレーは?
自分にしかできない指導は?

例えば、もし世界中で私以外の人間全員がパスサッカーを標榜しても私は絶対にドリブル。
そのぐらいこだわっている。
サッカーに遊び心とファンタジーがなかったら、何もおもしろくないから。
いつか必ず、個性的で、ファンタジー溢れる選手を育てる。
それも、世界レベルの。

子どもたちにも問う必要がある。

どのくらいサッカーが好きなのか?
どこまで上手くなりたいのか?
どのレベルで勝ちたいのか?

普通や常識の範囲でやっていても、将来はたかが知れてる。

特別になれ。
常識を超えろ。
突き抜けた存在になれ。
もっと強く思え。
もっと高く願え。
人は、自分自身の意識と気持ち次第でどうにでも変われる。
人と同じじゃダメだ。

ということに早く気づかせる指導が必要。

今、日本サッカー協会が個を育成しろと言っている。
その実、指導者の頭の中にある基本(マニュアル)だけを身につけた(押し付けた)選手を作ろうとしてはいないか?
サッカーの本当の楽しさとは何だろう?
目先の試合に勝つこと?
指導者や大人に誉められること?
トレセンに選ばれること?
いやいや、目の前のボールを自分の意のままに操ることだろう。
練習して、できなかったことができるようになる。
それを試合で成功させる。
その上で、チームとして勝てたら最高じゃないか?
スピードで、フィジカルで、勢いで、戦術で…
たまたまチームとして試合に勝って満足している指導者と大人がほとんど。
子ども自身も、その時は満足している。
でも、その子どもたちの将来までもが明るくなるとは言い切れない。

オシムは言っている。
「日本人コーチに即興性、柔軟性、創造性が欠けているから、選手にもそれが欠ける」と。
やっぱりサッカーには遊び心が必要。
指導者や大人の頭の中にある基本(マニュアル)だけの、ファンタジー皆無のサッカーには何の魅力も感じない。
私は、金太郎飴みたいな指導者にはなりたくないし、金太郎飴みたいな選手も育てたくはない。


熱病フットボーラー OMA

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