2010.11.21 高校サッカー雑感
第89回全国高校サッカー選手権山梨県予選
準決勝
山梨学院 3-0 帝京第三
日本航空 3-2 日大明誠
見に行ってきた。
試合内容、技術、戦術、etc…
物申したい部分は多々あるけど、今回は他のことで俺の感想を。
部活でサッカーをやっている高校生たちにとって、究極の目標である選手権。
1~2年生として臨む大会、3年生として臨む大会、間違いなく後者の方が気持ちの高揚・興奮が大きいはず。
山梨県の準決勝でも、気持ちを全面に出して…
走る・走る・走る、ひたすら走る。
球際では激しく体をぶつけ合い、ルーズボールに必死に足を伸ばす。
相手より1mでも1cmでも早くボールに寄ろうとする。
走る姿に速い・遅いはあるけど、ボールに対する執着心は皆同じ。
1点でいいから…華麗じゃなかろうが、どんなに泥臭かろうが、今までのサッカー人生すべてを懸けているかのようにゴールを目指す。
絶対にゴールを奪われたくない…圧倒的にボールを支配されても、どんなに危ない場面があっても、全員が体を投げ出してゴールを死守する。
その姿を見るためにあれだけ多くの観客が集まってくる。
応援席…自分の応援するチームが失点すれば静まりかえり、「大丈夫、大丈夫!!」、祈りながら大声で選手たちを鼓舞する。
ついに得点した時、得点者・チームメイト・スタッフ・観客、全員の気持ちが一つになって感動を共有する。
あの気持ちの高鳴りは半端じゃない。
試合終了後…
勝者は喜び安堵の表情を浮かべ、敗者は、ただただ肩を落とす。
「敗者の美学」がある日本では多くの視線が敗者に注がれ、その姿に観客も涙する。
「胸を張れ!!」、「下向くな!!」、応援席から仲間が叫んでいる。その声が余計に選手や観客の胸を打つのかも知れない。
高校サッカーには勝ち負けを超えた何かがあるということは間違いないだろう。
大切なことは、興奮から自ら解き放ち、変わらぬ練習・生活の日常をより濃くし、落ち着いて繰り返すことだ。
ふさわしいプレー、優れたプレーはそれ以外から湧いて出てくることは絶対にありえないからだ。
「気持が強いほうが勝つ」というが、気持ちなら私生活・日常の練習にこそ正しく現れている。
試合直前の興奮・高揚などまったく本質ではない。
結果はどうなるかはわからないといわれるが、それは日常の苦労した頑張りの総和を公平に見ることができる秤(はかり)を神以外だれも持ち合わせていないからだけだ。
結果は戦いの前で、すでに決しているんだ。
一夜漬けで覚えた知識は何一つ身に付かなかっただろう。そういうものだ。
(静学blogより抜粋)
明誠高校サッカー部の皆へ
最後の公式戦だから
準決勝だから
相手が航空だから
会場が小瀬だから
いろんな「だから」が重なって、試合に臨む気持ちも雰囲気も異様に盛り上がっていたでしょう。
でもちょっと思い出してみて。
毎日の練習を、生活を、今日の試合と同じ気持ちで戦っていたかどうか。
皆、終わってから気づくものだよ。
人より早く気づけた者だけが、もっと先の舞台まで進めるんだと思う。
皆の戦いっぷりに多くの観客が感動し、勇気づけられたのもまた事実。
俺も感動した。どうもありがとう。
職場は違うけど、これからも明誠高校は応援したい。
いつか明八の子どもたちもあんな舞台に立てるように俺たちも努力し続けるよ。
サッカーに対して真摯に、いつも前向きに、お互い頑張っていこう!!
熱病フットボーラー OMA