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製薬業界、医療機器業界の裏側

今回のお話は正直書くかどうか迷いました。
しかし、多くの人に製薬業界や医療機器業界の内情を知ってもらうことは、有益なことだと思いますので、今回書くことにしました。

私は、昨年まで約10年間外資系の製薬メーカーや医療機器メーカー数社で、品質保証職として働いてきました。

日本国内で薬品や医療機器を製造販売するには、製品がそのリスクの度合いに応じて厚生労働省管轄の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(通称:PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)という機関によって承認あるいは認証される必要があります。

(リスクの低い製品は「届出」といって、必要資料を提出するだけで良いものもあります。)

2020年初頭から世界的に流行り始めた某ウイルス用ワクチンの接種が開始されるまでに時間がかかったのは、PMDAによって「承認」されるために、医学的に有効であることを証明する科学的な臨床データが必要であったためです。

うんちくはこれまでに留めておくとして、早速今回の主旨である、「製薬、医療機器業界の裏側」についてお話ししていきたいと思います。

医療業界においても、基本的に資本主義の仕組みは浸透しており、各メーカーは薬品や医療機器を病院などの医療施設に売り込みするわけですが、異なる複数のメーカーが同じような製品を売っているケースはよくあることであり、いかに自社の製品が他社製品と比べて優れているか、各社の営業担当者が定期的に病院やクリニックの先生を訪問し、売り込みを行っています。

このこと自体は、資本主義社会においてすべての業界で普通に行われていることなので、何も悪いことではありません。


マーケティングや営業の方々は、

「私たちの目的は、当社の製品を通してより多くの患者様が救われることです。」

と、病院の先生方に説明しています。

しかし、会社内部では、いかにして売り上げを上げるかという、お金に関する話ばかりをしています。

ある新製品を開発するかどうかを決めるときは、ただただ売れるかどうか、すなわち、お金になるかどうか、ということだけが議論の的になります。


某外資系の巨大製薬メーカーに勤めていたことがありますが、この会社では糖尿病患者に対して、自己血糖測定器を製造販売する事業を行っていました。

自己血糖測定器とは、糖尿病の患者さんが、自宅で血液中のグルコース値を測定する医療機器のことです。

また、私が勤めていた当時、糖尿病Ⅰ型患者のためのインシュリンポンプを上市するための承認申請業務を行っていました。

インシュリンポンプとは、糖尿病患者が常に体に装着し、定期的にインシュリンを血液中に補給するためのポンプのことです。

当然ですが、マーケティング担当者は、国内の糖尿病Ⅰ型患者数の将来的な増加数を見込んで売上予測を立てるわけです。

悪い言い方をすると、病院の先生方にいっているような「糖尿病で苦しんでいる人を救う」ということは一切眼中に無く、いかにして彼らを利用してお金儲けをするかという議論を終始行っているわけです。

そこには、本人たちが気づいていない悪意が隠れていますが、たとえそのことに気付いたとしても、それを会社内で口にするのはご法度です。

もちろん、製薬メーカーや医療機器メーカーが日々良い製品を製造販売することで、助かる患者は数多くいるわけですから、私自身、社内で行われているお金儲けの話に対して異論を唱えることはしません。

ただ、私たちにとって大切なのは、いかにして病気になることを防ぐために予防するか、ということです。

しかしながら、皮肉なことに、多くの人が予防して病気になる人が少なくなると、製薬メーカーや医療機器メーカーが儲からなくなるので、彼らは、予防方法に関して研究開発を行ったりすることは決してないでしょう。

あなたが病気になれば、病院が儲かる、製薬メーカーや医療機器メーカーが儲かる、という構図が出来上がっていますので、私たちはまず病気にならないよう予防することを心がけて生活することが重要になります。

このことは、病院に行ってもだれも教えてくれないので、あなた自身が自ら始める必要があります。

人は生きていれば何らかの病気になりますので、そういう時は病院やクリニックで取り扱われる薬や医療機器に感謝すべきでしょう。

また、それと同時に、病気にならないような心身の健康維持に心がけることも大事です。

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