知らないおっさんが私の部屋にいた話〔#2〕
一人暮らしの部屋で私は一人、友人達とオンライン会をしていた💻。
友人「ケーキ作ったの!見て!」
と美味しそうなキャラメル色のクリームが乗ったケーキを見せてくれた。
また別の友人は引越したばかりということで、クローゼットなどお家の中を見せてくれた。暖かい色調の部屋で、素敵である。
画面のこちら側、私自身はというと、部屋の隅っこの壁に面して置いてる小さいローテーブルの前にあぐらをかいて座っている。テーブルの奥側にはパソコン、手前にはでっかいキャロットケーキを乗せた皿を置き、食べやすいように切りながらケーキを頬張っていた。紅茶も用意。
いや、キャロットケーキってやっぱりうまいんだよな。幸せ〜〜〜!!
ふと、家の中で何か気配を感じた。
ん? と何気なく振り向くと、
知らない長身のハゲたおっさんがいる。
青っぽい服の上にエプロンをして、部屋を片付けている。
(なんだろう。あ、引越し屋さんか・・・?)無視して友人との会話を続けた。
少しして、おっさんの動きを横目で確認すると・・・
おもむろに布団を敷き始めている!!
(ん?!ちょっと、何考えているんだこのおっさん!!!)
おっさんが小声で何か呟いている。
「今日、家族が来るんでしょ。お布団敷いとこうね〜。」
これはダメだ。焦って電話を切って立ち上がり
「あなた誰ですか、何してるんですか!よく見たら本当に知らない人じゃないですか!!!!」
すると、おっさんは逆ギレしたかのように興奮し、
「・・・あんたの部屋、クサイのよ!!!!」
と言い放った。
え、急に酷いこと言う・・・😭
慌てて、キャロットケーキや、紅茶のにおいを嗅いでみる。
匂い・・・うーん?
おっさん「あんた匂わないの?まさか・・・!」
私「ちょっとこのご時世にやめてください」
おっさん「一旦外に出て、家の中に戻って臭い嗅いでみなさいよ!ほら!」と家の外(アパートの廊下)に腕を引っ張って連れて行かれた。
玄関の扉を出ると、そこには若めの男性が立っていて、手にはタブレットを持っている。
(うわ、おっさんの仲間や)
タブレット画面を後方から覗き込むと、全体的に深緑色とベージュの2色でデザインされ、たくさんの入力項目があるページが表示されていた。右上にはサインインしたアカウント名だろう、「関 景茂」と書いてある。
そうか、きっとこのおっさんの名前は関で、彼は助手。二人は何か怪しい業者だな。
すると、自分ちのドアが外され、別の分厚くゴツいドアに変えられていることに気がついた。元のドアは壁に立てかけられている。
おっさん「大変だったのよ、下からこのドア運ぶの!」
・・・関さんは、下の階の住人で、あまりに異臭がするため、私の部屋に潜入するためにこのドアを運んで付け替え、入り込んだらしい。
(え、これどこでもドア?鍵付いてるのにドアって外せるんだっけ・・・)
ちょっと意味不明だ。とにかく、
私の部屋臭くないし!
すると、アパートの廊下の奥から、私の家族が現れ、こちらに向かって歩いてくるのが見えた。
(本当に来たんだ。)
家族に駆け寄り、おっさんの話をしようと自分の部屋の方を振り返ると、
おっさんは既に居なくなっていた。
若めの男性は、キャップをかぶり急にガス点検のフリを始め、ドア横にある扉を開けようと腰を低くした。
家族「お昼何食べる〜?」
えー。一人だったらあんぱんでも良いんだけどな〜
あ、冷蔵庫に野菜ミックスと焼きそばの麺があるから、焼きそば作ろう。
よだれが出てきた。
と、部屋に入って冷蔵庫の一番下の段を開け、冷やっと冷気を感じながら中を覗き込み・・・
起きた。
おしまい。
意味不明!!!関さん。私の部屋は臭くないです。
しばらく一人暮らしをしていたのですが、一時的に、現在家族と同居をしています。
コロナの影響でほぼ家にこもっていて、21日間、靴を履かない日もありました笑
でも私の部屋は換気していて臭くないのでご心配なく。
次回もお楽しみに!!!