夏の香りを忘れてしまう前に

いつの間にか、秋はそこまで来ている様で。
静かにひたひたと近づいてくる、少しずつ陽射しがやわらかくなって、少しずつ夜の帳が下りるのが早くなって。

それから。

そういえば、今年の夏は何をしたっけ。
毎日家で仕事をしていた私には、一気に最高出力の本気を出した夏は厳しすぎて（後、京都の夏は空気が重い。存在感がある、すごい）、セミの声を聞きながら珍しくどこへも行かない季節を過ごしていた。

ずっと体調も悪いし、仕事もまだ残ってるし、マスクをしながら暑い中を歩くのもなあ……と思いながら4連休が過ぎ、8月も終わりが見えた頃。

目覚めてすぐに体が動いた土曜日の朝。
「どうしても、海が見たい」とカメラだけ掴んで家を出たんだっけ。

電車に揺られて2時間。
田んぼを抜け、山を抜け、ちらりと顔を覗かせる海。
ふわりと心が軽くなる、気がした。

親戚の家が近くにあるから、昔はよく歩いた道。
15年ぶりぐらいかなあ。

どこ見ても山があるのが、らしいなって思わず笑ってしまう。

市内よりもほんの少し涼しいとはいえ、暑い中をくるりと歩いたのでクールダウンに。
柑橘系のサイダー、さっぱりするから夏のお気に入り。レモングラスと他にもスパイスが入ったぴりっとしたレモネード。

駅前の温泉で一息ついて……

地元の原料を使ったクラフトビール。
大人って楽しいね。

この後、このあたりすごい雨が降ったみたい。
ちょっとだけ、どこかにいた、という記録。
日常の中に織り交ぜていくことが、やっぱり好きみたい。