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3塁側中段あたりから見つめる青

私はハマスタをパワースポットと呼ぶぐらい特別な場所だと思っている。神宮ともドームとも違って開放感がある。決して広くはないけれど、大好きな青と2色の芝で彩られた空間。
笑顔で溢れるファンで混み合ったコンコースを抜け、胸を躍らせて階段を上がり、不意に視界が開ける。
一瞬の眩しさの後、目に飛び込んで来る突き抜けるような真っ青な空と蒼い芝のコントラスト。思わず身震いしてしまいそうな、心がきゅっとなるこの瞬間が、とてつもなく好きなのだ。

最近の観戦位置はもっぱらバックネット寄りの3塁側、中段から上段。
視界が開けていて、試合やスタジアムを俯瞰して観られる場所を選ぶことが増えた。

東京に来てから5年目のシーズンを迎える。当初から1人で観戦に行くことが多かった。
熱戦を観たいだけだから、今日こそ勝てるか観たいだけだから(2015年シーズンハマスタの観戦成績1勝10敗(もっと負けてたかも)、自分が疫病神か何かかと思っていた頃)、別に誰と話すわけでもないから……とどうせなら全力で応援する席にしよう。これが外野席との出会いだった。さみしいやつだなあ、と思われるかもしれないけど、これがどうしてとても楽しいのだ。
得点の度に周りの人達とハイタッチをし、ピンチを乗り切ると胸を撫で下ろし、勝利を一緒に喜んでいると、1人で来たことを忘れてることさえあった。好きも歓喜の瞬間も共有出来るのは貴重なことだ。

どの席、どの球場にも言えることだけど、必ず良し悪しがある。外野席は単純に疲れる。その時は気づいていなくても試合後に来る体の重さで年齢に気づき、次の日が仕事の時は極力避けるようになった。
心理的にも変化があった。時々応援しないと「いけない」雰囲気を感じたことだ。
声を出して腕を上げることは分かりやすい。少しでも背中を押したくて、声を届けたくて、祈りを込めて。全力で応援をしている。
もちろん私だって応援はしている、いつだって。それでも、いつの間にかチャンステーマを口ずさむことを忘れてしまう瞬間があった。試合がかかった真剣勝負を目の前に、この1球に神経を研ぎ澄ませていたい。白球の行方だけ追いたい、そんな時が。集中しているのか不思議とスタジアム中の大歓声が聞こえなくなるときすらある。まるで映画のワンシーンみたいに。

好きだからこそ目の前の没頭したい、そう思うことが増えてきた。試合も観たい、応援の仕方も選びたい、そんなわがままから最近は内野席にいる。
だいたい定位置は真ん中、いやもうちょっと上の方、スタジアムを俯瞰して観られる場所。選手の守備位置やランナーの動き、色んな情報を集めながら楽しめる。1回表、ベンチから出てくる選手達を正面からみる。やっぱりその時に調子が良さそうな選手は出てくる姿も軽く見えるのは不思議なものだ。

そして、ホームとビジターが入り混じった3塁側。ビジターチームのファンの人と一緒に来ている人達も多くて比較的穏やか(だと感じている)場所。
こんなこと言いながらストレスでいっぱいの日なんかは外野席取ってるかもなあ、なんて。その時々によって楽しみ方や心地良さを求めて選べるのがいいところ。

今年も開幕まで後3日。あんなに待ち遠しかった開幕がすぐそこに迫っている。たったの3日。戦う準備、楽しむ準備進んでいますか?

#日記 #エッセイ #コラム #プロ野球

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