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「ザ・争続」仁義なき戦い ~遺産分割調停のリアル〈ことの発端〉



今回の登場人物

被相続人 (S) N家の三男。独身貴族を謳歌し70歳過ぎて急死。遺言書を      
       残さなかったために争続を引き起こす原因になった人物。

元相続人 (M) N家の長女。同居していた次女に看取られて昨年末に病死。
相続人 (R)  元相続人(F)の次女。50代半ばの独身で現在は非正規職。
       メンタルに問題あり、争続に発展させた人物のひとり。

相続人 (T)  N家の次女。認知症で弁護士の後見人あり。3人の子持ち。
従兄 (K)   相続人(T)の長男。還暦で独身。同居する認知症の母親の
       介護を担う。被相続人が入院した時の事務手続きの担当と
       通帳キャッシュカードを管理。調停の申立てをした人物。

相続人 (I)  N家の末っ子。発達障害の疑いがある筆者の母で独居老人。



従姉からの電話 (発端)

2年ほど前に遡りますが、初夏に伯父が亡くなって半年が過ぎた11月はじめの昼下がり。冠婚葬祭で顔を合わせるだけの関係だった地方に住む年の離れた従姉 (相続人R) から初めて電話がかかってきた。

悪い予感がしたのは言うまでもない。世代が違うので親しかった訳でもなく、年賀状のやりとりしかない独身の従姉からの電話に良い話などあるはずがない。

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