「ザ・争続」仁義なき戦い ~遺産分割調停のリアル〈登場人物の紹介〉
筆者の自己紹介
アラサーをそろそろ卒業する微妙な年齢の女性です。都会で暮らし、夫と2人で小さな会社を経営しています。子どもはいません。
夫婦ともに法律畑の出身で、相続のような法律問題には一般の方よりは強いと言えるでしょうか。
いわゆる毒親育ち。母親に幼い頃から抑圧を受け、結婚に失敗してメンタルを病んだ姉が1人。私は母が30代後半で生まれた娘なので姉とは年齢が離れています。
父は4年前に亡くなっており、遺された母と姉が前記のキャラクターゆえに災いし、実父の相続でもトラブルを経験しました。
親戚付き合いが苦手な親の元に育ちました。「争続」に直面するまでは親族との関係が悪かった訳ではないのですが、成人してから冠婚葬祭でしか親族とは会っていません。
唯一のきょうだいである姉は病院の精神科を渡り歩いている人物なのでアテにはならず、今回の争続も老いた母の代わりに私が1人で奮闘しています。
この連載の目的
この若さで相続トラブルを重ねて経験しているからには記録に残そうと。
今回は遺産分割調停にまで発展したので、同じようなトラブルを抱えている方の参考になればと考えました。
私自身、トラブルが発覚した当初は頭を抱え、ネットで情報を求めて右往左往したので、少しでも困っている方のお役に立てれば幸いです。
経験した争続は、独身で妻子を持たない親族が亡くなったことで起きました。
巷でよくある親きょうだい (一親等) との確執ではなく、故人のきょうだい (二親等) 間で起きたトラブルになりますので、少し特殊な事例になるかもしれません。
身元バレ防止のため登場人物に若干の脚色があることと、親族同士の争いが展開されていくため、私自身もこれから本音を全開にして毒を吐くかもしれませんが、そのあたりご容赦ください。
プライバシーに関わるセンシティブな内容になりますので、場合によっては断りなしで非公開とさせて頂くこともあるかと。ご理解頂ければ幸いです。
主な登場人物
関係者が複数で事案が複雑なので、以下の紹介は毎回登場することになるかと・・・読者の方の理解を助けるために。
下記は現時点での人物紹介で、既に亡くなっている親族も掲載しています。
被相続人 (S) N家の三男。独身貴族を謳歌し70歳過ぎて急死。遺言書を残さなかったために争続を引き起こす原因になった人物。
元相続人 (M) N家の長女。相続トラブルの最中に病気で他界した。
相続人 (Y) 元相続人(M) の長女。専業主婦で実妹Rとは折り合いが悪い。
相続人 (R) 元相続人(M)の次女。50代半ばの独身で非正規職につく。メンタルに問題を抱え、争続に発展させた人物のひとり。
相続人 (T) N家の次女。認知症で弁護士の成年後見人がついている。
従兄 (K) 相続人(T)の長男。還暦で独身、同居する母親の介護を担う。被相続人が入院時の手続きと金銭の管理者で遺産分割調停の申し立てをした。
相続人 (I) N家の末っ子。発達障害の疑いがある筆者の母で独り暮らし。
弁護士 (O) 相続人 (I) の調停代理人。仕事で筆者と長い付き合いがある。
元相続人 (H) N家の次男。姉である相続人(T)に相続分を有償で譲渡した。
元相続人 (A) N家長男 (故人)の息子。相続トラブルの最中に病気で他界。
元相続人 (N) 元相続人(A)の実妹。叔母である相続人(T)に相続分を譲渡した末に親族とは絶縁中の専業主婦。