見出し画像

視覚は味覚の先導者

食事をするとき、五感のなかでもっとも強く影響を受けるのは視覚かもしれません。たとえば、鮮やかな赤いソースをまとったパスタを目にすれば、トマトの酸味やハーブの香りを、濃厚な白いソースならばチーズや生クリームのまろやかさを思い描くように、わたしたちは食べる前から無意識に味を予測しています。また、ジェノベーゼのように鮮やかな緑色のソースならば、バジルの香りやオリーブオイルのコクを感じるでしょう。料理の色は、味の印象を大きく左右するのです。

シャンパーニュもまた、視覚に導かれる飲みもののひとつです。もし液体が漆黒やスカイブルーだったら、わたしたちはそれをシャンパーニュだと認識し、同じ味わいを期待するでしょうか。

パスカル・ウォーザック ブリュット・キュヴェ・プレスティージュのエチケットカラーは、グラスに注がれたシャンパーニュの色と完全に調和しています。少しくすみがかったゴールドカラーが室内の照明を浴び、やわらかく輝きを放ちます。その光景は、すでに味覚へと働きかけ、熟成した黒ぶどうの深みや、かすかに漂う焼き立てのブリオッシュの芳醇な香りを予感させます。

そして実際に口に含むと、洋ナシや白桃のふくよかな果実味が広がり、ローストナッツの香ばしさが味わいに奥行きをもたらします。エチケットの色彩がもたらした期待と、実際の風味が見事に調和した瞬間、視覚と味覚が一体となる至福のひとときを迎えます。

シャンパーニュの色は、単なる外観ではなく、味わいそのものの一部です。パスカル・ウォーザックのエチケットカラーは、そのメッセージをやさしく補完し、わたしたちはボトルを開ける前からすでに、味の物語を思い描いているのかもしれません。視覚が味覚を導く世界には、シャンパーニュの奥深い魅力が詰まっています。

いいなと思ったら応援しよう!