一陰一陽、これを道と謂う (易経 繫辞上伝より)
易の世界では、物事には必ず陰と陽があり、例えば表(陽)があれば、裏(陰)があり、昼(陽)があれば夜(陰)があり、動(陽)があれば静(陰)があり、男性(陽)があれば女性(陰)がある、とします。
若い頃、易経を学び始めた頃は何故、女性は陰なのか、陽気で活発な女性もいるのに、日陰の身なのか、男に負けているというのか、と、勝気な私は不満に思いました。
ですが、女性には女性の特性、役割があり、男性には男性の特性、役割があり、それは良い、悪い、勝ち負けではないのですよね。
男性でも、時に苦しく弱気になる時もあり、女性だって、例えば出産の時など、男性以上に強さを発揮する事もあります。
そして、女性という立場からは「陰」ですが、親、保護者の立場となれば「陽」となり、息子は男でも、保護される子の立場となれば「陰」になります。
また、女性の先生が講義をしている時というのは「動」いているので「陽」であって、講義を受ける男性は「静」かにしているので「陰」になります。
陰陽は、相反しながらも助け合い、一対で、統合されているもの、統合し、反発し合いながらも交わり合おうとし、そして発展成長するものであって、人生というものは常に、この一陰一陽の中で営まれている、という事を、易を学び進める毎に、改めて己の人生を振り返りつつ、知る事となります。
易の世界では、この陰陽の作用による発展成長する働きを道といい、陰陽が交わり統合される事によって、途轍もなく大きな活動力を発し、そしてその活動力が全てのものを生み出す源となる、という事が、「一陰一陽、これを道と謂う」なのです。
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