アントワープひとり散歩🇧🇪
ベルギーのブリュッセルに住んでいました今から9年前の今頃、ふらりアントワープへ出かけました。
当時子供たちはアフリカやフランス、オランダやドイツなど、学校行事やバカンスなどで自由にあちこち出かけていましたが、私もちょっと、気晴らしに何処かへ行きたいなぁと、近いからいつでも行けると思っているところこそ行けないもの、と、前々から出かけたいと思っていましたアントワープへ車を走らせたのでした。
家から車で走る事30~40分程で到着。ベルギー国内で近い街なのにアントワープはオランダ語圏、フランス語が全然聞こえてきません。街の標識や看板等も全てオランダ語。同じ国なのにたった数十分で、まるで外国に来たような不思議な感覚になりますが、有難い事にオランダ語圏の方達は英語がとってもお上手、英語が通じない事はありません。
道や場所を訊ねるにもレストランのオーダーなども、お買い物の際も全て英語でOK♪ とても助かります。
また、アントワープでは自転車を利用する方がとても多い事にもビックリ。オランダ人も自転車利用率高いですが、スーツを着たビジネスマン風の
男性も、後ろに鞄をさげて自転車通勤する姿はとても素敵に見えます。
自転車専用の道も充実していて、うっかり自転車専用の道を歩いていると、後ろから大声で
「危ない!よけて!!!(多分、オランダ語なので推測)」と怒られます💦
同じベルギー内でも違うものですねぇ。お洒落な自転車発見↓
アントワープといえばマルクト広場、市庁舎前のブラボーの噴水、ということで早速出かけてみましたら、何か大きなイベントの準備中のようで、ブラボーの噴水が観覧席に埋れ↓このような状態でした。
ローマ軍の兵士としてやって来たシルヴィウス・ブラボーさん。↓
伝説の男。彼は切り取られた手を持ち投げようとしています。
その昔、川に巨人が住んでいたそうで、その巨人は川を上下する船から通行料を巻き上げ、通行料を払えない船乗りの手を切り落としていたそうな。
ブラボーはそんな巨人に挑み、巨人を倒してその手を切り、川へ投げ込んだ、という英雄伝説があるそうです。
オランダ語で「アントワープ」は「アントヴェルペン=手を投げる」、と訳されるのも、この伝説が由来なのですね。
ぐるっと歩くと見えてきますのが↓ノートルダム大聖堂☆
ベルギー最大のゴシック教会、1352年に着工、日本人にとっては馴染みのあります「フランダースの犬」の舞台にもなり(アントワープ西南の村、ホーボーケンに住んでいたネロはパトラッシュの引く荷車で、ミルクを毎日、アントワープへ運んでいたのですよね)ここは是非来たい場所、と思っていましたところ、時計を見ると丁度お昼。
ランチの後ゆっくり出かける事に😊
ランチを終え、ノートルダム大聖堂へ向かいます。
ノートルダム大聖堂は、ベルギー最大のゴシック教会とは存じていましたが、実際目の当たりにしますとその壮大さに圧倒されます。
169年もかけ高さ123メートルのゴシック建設が完成されたそう。中に入りますととても広々、沢山の絵画や聖像、ステンドグラスが並んでいました。
奥へと進みますと観光客の方達が大勢囲んでいます絵があり、もしや、と思いましたら矢張り、それはルーベンスの絵画でした。
「キリストの昇架」。
そしてこちらは↓「キリストの降架」。フランダースの犬の舞台となり、ネロとパトラッシュはこれらの絵を見ながら最期を迎えたのですね。
この「キリストの昇架」と「キリストの降架」には第二次世界大戦後までカーテンがかけられて、一定のお金を払った人(銀貨を払えるお金持ちな人)のみに公開されていたそうです。これらの絵を見る事がネロの夢だったのですよね。
こちらも↓ルーベンスの「聖母被昇天」。
その頭上を見上げますと、高さ43メートルの位置に、息をのむほど美しい円形絵画↓が見えます。あまりの美しさに長い事眺めていましたら首が痛くなりましたが、コルネーリス・シュフットの、こちらも聖母被昇天です。(天使たちが光と共にネロとパトラッシュを連れに降りて来たのは
この円形絵画からでしょうか)
ステンドグラスも美しく
聖母大聖堂というだけあり、素敵な聖母像が多いです。
そしてそして、この大きなノートルダム大聖堂のなかで、個人的に一番、心惹かれましたのが↓こちらの「聖母子像」です。
もう、この愛らしさ、洗練された優雅さにすっかり心を奪われてしまいました。だって、聖母が柔らかく微笑んでいるのですもの✨
右手で母の顔を無邪気になでる小さなイエス、母子の姿が温かな愛情に満ち溢れ、眺めていると心が和みます🍀
マースランド地方の大理石彫刻の巨匠と呼ばれていた、リエージュの彫刻家のもので、14世紀前半のものとのこと、7世紀近く経った今でもなお、私たちの心を和ませてくれるこの像の本質的な魅力は変わりないですね✨
というわけで、年末~来年の、クリスマスカード兼年賀状は、この聖母子像のカードに決定♪教会ショップにて大量に求めました。
他にもUPしきれない程それは美しい絵画や聖像、ステンドグラス等で満ちていました✨
ノートルダム大聖堂では随分長い時間を過ごし(広々と美しく丸で美術館のようでした)建物を出ますとそこはグルン広場。中央には1843年に建てられたルーベンスの大きな像があり、偉大な芸術家を生み出した街に対する人々の誇らしさが伝わります。個人的に、ルーベンスのどや顔に笑ってしまうという何とも失礼な私です🙏
ルーベンスの家も中央駅から徒歩13分のところにあるとのことでしたが、またの機会にさせていただき、ベルギーではアントワープでしか求められないチョコレートショップへGO♪
(ルーベンスのお家よりチョコを優先💧🍫 ルーベンスさん、すみません)
一軒目は『ジー・バスタン』という、100年前の小さなチョコレートショップが始まりというお店。
アントワープ生まれの手作りチョコレート、お兄さんの始めたチョコレート店を妹が引き継ぎ、生後18ヶ月で父親を亡くしたその息子が第二次世界大戦後、チョコレート作りを修業し、独自の製法で今の味を築き上げたとのこと、品の良い甘さでくどさがなく、あっさりとした口当たりの素朴な手作りチョコは後を引き止まらなくなります。
アントワープといえば矢張り伝説の男、ブラボーさんと手、そしてノートルダム大聖堂なのですね。
もう一軒のお店へ出かける途中、ステーン国立海洋博物館が見えてきました。
海からの敵の攻撃から街を守るように立っているお城。ステーン=steenとはオランダ語のstoneの意味で、13世紀初頭、殆どの家が木造だった当時石で建造され、1520年にカール5世が拡張、1549年に市の所有となり、牢獄として1823年まで使われた後、1952年以降は海洋博物館となったそう。
中へ入ろうか迷いましたがこちらもまたの機会ということで、チョコレート優先🍫
お城の入口には Lange Wapper という大男の像が。巨人や大男が良く出て来る街です。この大男、酔っ払いや子供たちに悪戯をするという伝説の人物なのですって。アントワープは伝説の男が大活躍✨
お城の前を更にドライブしていましたら、ハートの赤信号を発見。
思わず立ち止まり撮影しました。
ベルギーはバレンタインデーに信号の赤い部分がハート型になります❤️
途中、オランダ人の友人からメールがあり、「Dries van Noten shop is my favorite!」とありましたが、それは次回のお楽しみとしまして先ずはチョコレートを🍫
ジー・バスタンに続き、目指すチョコレート屋さんは、日本にも店舗がありますデルレイ。
店内にはチョコレートを始め、美味しそうなクッキーやケーキ、マカロンなどが沢山💓
チョコレート500g、クッキー250g、その他プレーンな板チョコ等求めました。 デルレイもジー・バスタンもブリュッセルにはないお店で、アントワープにしかないのですよね。(日本の銀座にはデルレイありますね)
当然ですがと~っても美味しくて!チョコレートは勿論のこと、クッキーも甘さ控えめでチョコとのバランスが絶妙、また、チョコがサンドしてありましても小さいのに半分齧ってもポロポロと崩れたりしませんし、こんなに美味しいチョコレートクッキーを口にしましたのは初めてかもしれません💕
チョコレートは矢張り、手の形のものが。
アントワープのチョコレートはジー・バスタンもですが、あっさりと控え目な口当たりで、例えばゴディヴァのような華美な感じがない分、チョコレート本来の美味しさが楽しめて、私にはブリュッセルのMaryと同じくらい好きなお味でした😊
・・・ところで・・・
アントワープで気になりますのは「フランダースの犬」の、ネロが住んでいたという村、ホーボーケン。
村にはネロとパトラッシュの像があるとのこと、チョコを求めた帰り道、立ち寄ってみましたが・・・ 村という雰囲気ではなく、普通の町で、像もみつけましたが何故かとても不自然な場所にありました。
マンション?何かのお店?の前、道路に面した所に。
元は観光案内所(村の案内やグッズ、ホーボーケンの芸術家たちの作品など)があったそうですが移転したようで、ネロとパトラッシュだけがここに残ってしまったらしいです。
風車は近くの公園にあり、16世紀のお城の数々も現存しているそうですが、時間も遅くなりましたのでネロとパトラッシュに会い、ホーボーケンを後にしました。
偶然にも本日、ふわりさんが『ルーベンスとフランダースの犬』という記事をUPされていました✨ アニメのフランダースの犬、子供の頃を思い出します。ネロが念願の絵を見られて本当に良かった。
アントワープもとても素敵で美しく、興味深い街でした😊
今後もこんな風にヨーロッパふらり気まぐれお散歩記事をアルバムのように纏めたいと思います💖