大きな1年生と小さな2年生

創作童話傑作選  古田足日 さく  中山正美 え  1970年


ほたるぶくろが、咲く季節になると、この小学生たちの童話を思い出す。


体が大きい泣き虫の1年生のまさやと

体が小さいがしっかりしている2年生のあきよ。

二人の友情とまさやの心の成長の物語。



わたしが小学校2年生の夏休みの課題図書の一冊だった。

作文なんて嫌いだったけれど、この本に出会えてすごく嬉しかったなあ。


小学校2年生だったにもかかわらず、

読み始めると、す~っと感情移入できたことを今でも覚えている。


ほたるぶくろ

しっかりする

崖と川

もみの木(?)

笑顔

これらがキーワードだった。


もうお話は細かくは覚えていないが、

まさやの戸惑いや不安の心情に始まり、

最後に勝ち誇る笑顔への逞しい成長が鮮やかに描かれていた。

まさやはそういう意味でまっすぐな心を持った子であった。



話は、飛ぶが、

何年前であろうか?思い出せないが少なくとも30年位前。

「湯宿」というところに父と出かけたことがある。

父がいうには思い出の地とか。

親孝行のつもりで連れていったことがある。


バスを降りて、道沿いに親子で歩いていた。日は高かった。

地元の白のランニング姿の少年とすれ違った、その時

「こんにちは!」

と、元気よく挨拶された。

一瞬、知り合いだっけ?と思ったが、

そうではなかった。

「こんにちは!」

私達も、挨拶を返した。


さわやかであった。

心がまっすぐな少年だと感じた。

わたしの地元鎌倉ではあり得ない、と思った。


いや、ここにはまだ 大切なものが残っているのだ。

そう思い直すと、

嬉しくなった。

父も喜んでくれたし、良い旅であった。


まさやとあの少年の心はおんなじ、まっすぐだった。

あのランニングの少年は

今どうしているだろうか?


まさやもあの少年も、そのまんまで、

今も わたしのこころに生き続けている。

まっすぐなこころの持ち主として。



今年もほたるぶくろの咲く季節になった。

短い開花期間を逃さないで

見ることができてよかったな。


















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