『CROSS DRESSER』Vol.18
◆How to むだ毛のお手入れ:女性用エステティックシェーバー
次に考えたのが女性用エステティックシェーバー。つまりは毛剃用の電気カミソリで、これにはネットとコームの二つの刃がある。
ネットとは笊を裏返したような外刃のなかをプロペラのような内刃が回転し毛を切るというもので、その構造は一般的な男性用シェーバーのそれとまったく同じである。他方コームはいわばバリカンの小型版で、上下二枚のノコギリ刃の固定式上刃が毛をとらえ、左右に動く下刃がそれを切るというものである。
わきの下のお手入れを例に使用方法を説明すると、まず長く伸びたわき毛をコームで切る。次に刃をネットに切り替え切り残しを切る。他の部位も基本的に同じである。カミソリ刃付コームに比べこちらはずいぶんきれいに仕上がる。が、そのぶんひまがかかる。といって速くやれば早くできるというものでもない。
このへんのことは朝、髭をあたるのと同じで、いそげば切り残しがでる。へたをすれば肌を過つことにもなる。特にノコギリ刃のようなコームはソフトにやらないと引っ掻き傷をつくってしまう。髭剃りもむだ毛のお手入れもより早く、より美しく、より安全にが理想であることにかわりはない。
◆Nightcap〈18〉
私のスリーサイズはバスト85、ウエスト68、ヒップ83。肥肉はまったくない。身長165センチ、体重53キロ。小柄ではあるが、どちらかといえば骨太で、ひところ凝ったベンチプレスで鍛えた上腕二頭筋がポパイのように盛り上がる、男としては恥ずかしくない体型であるが、女としてはオリーブのように円みに欠ける。それでも見苦しくはなかった。決して醜くはなかった。それどころか、この躰なら充分、女として通用するように私には思えた。
以後、夜な夜な天使のコスチュームを身に着け、私は鏡の前に起った。そしてしだいに倦きてきた。というより半ちくに思えてきた。下着姿や地顔では手ぬるい。どうせやるなら、きちんと化粧をし、ちゃんと服を着る。女のように化粧をし、女とおなじ服を着る。その姿は想像もつかないが、その想像は私を嬉しくさせた。
Thanks reading, See you…