『CROSS DRESSER』Vol.12
本作は女装How toメールマガジン『CROSS DRESSER』をリライトしたものです。
◆How to メイク：マスカラ〈１〉
これまでの過程で本来、黒いはずのまつ毛は、あたかも砂浜で遊ばせたマルチーズのように汚れてしまっている。厚化粧を免れない女装メイクにおいてマスカラは、まず汚れたまつ毛を黒に戻すという一義的な役割がある。その意味でも欠くことのできないアイテムである。
ビューラーとはまつ毛を整える道具である。これでまつ毛を挟み、ばらつきを無くし、まつ毛にカールをつける。この作業はマスカラを塗るための前準備として必須であるが、これが意外と難しい。
もともと男性は女性のようにまつ毛は長くない。マッチ棒が乗る人などそうそういない。大方の男性はまつ毛を整えるどころか、挟むことさえ容易ではない。しかしこれがうまくできないとマスカラがきれいに塗れない。女装者はなんとしてもこのビューラーの使い方を習得しなくてはならない。
◆Nightcap〈12〉
いわゆるパンストと違い私の求める網タイツは脚の付根までしかない。本来、パンティストッキングのようにパンツとストッキングが一体になったものはタイツといい、網タイツのように脚の付根までしかないものはストッキングという。一般にパンティストッキングといわれているものは実はタイツであり、俗に云うところの網タイツはその実ストッキングなのである。
そんなことはどうでもよくて、その網タイツを履くためには靴下どめ、つまりガーターが必要になる。そのガーターはショーツのコーナーに置いてあった。黒いスキャンティと緋色のガーターベルトをつけた太腿からへそまでの人台が陳列棚の上に乗っていた。
Thanks reading, See you…