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モスクワの美しい鉄道の駅 カザン駅

カザン駅は、モスクワで3つの駅の広場と呼ばれるコムソモーリスカヤ広場に面しています。

3つの駅とは、レニングラード駅、ヤロスラブリ駅、そして、カザン駅です。

それぞれの駅舎は、歴史を感じさせる趣のある建物です。

それらの中で、カザン駅を今回見学することが出来ました。

駅前では、たくさんの人々が行き来しています。駅独特の雰囲気を感じます。荷物を持って到着した人達。荷物運びの人達。お客さんを待っているタクシーの運転手達。動画では、そんな駅の雰囲気を少し、感じていただければ幸いです。

カザン駅は、地下鉄のコムソモーリスカヤ駅と接続しており、便利なロケーションにあります。

モスクワの駅には、行先の名前が付けられており、カザン駅は、ここからカザンに行く列車が出発する駅です。

現在、カザン駅は、長距離および近隣の乗客14万人に対し、効率的にサービスを提供することができ、ヨーロッパ最大の駅の一つとなりました。

カザン駅の建設は19世紀の70年代に始まりました。当初は 4 本の線路が建設され、駅舎はモスクワ・リャザン鉄道協会の主任建築家 M.Yuレベスタ の設計に従って1864年に建てられました。

1910年に旧駅舎の一部が改築されたが、同時に、新しい設計に従って駅を完全に再建する必要があることが明らかになりました。

建築コンペの後、1911年に駅の最終デザインの開発が、建築家シチュセフ A.V. に委託されました。

カザン駅建設プロジェクトの承認は 1913年11月に行われましたが、新しい建物の建設の準備作業は1912年7月にすでに開始されていました。

多くの計画は、第一次世界大戦の勃発と、それに続く 革命や困難により、実現する運命にはありませんでした。

カザン駅の建設工事は1918年に再開され、1年後に本館のドアが開かれました。

駅の建設と内装工事の第1段階は1926年に完了し、第2段階は1940年に完了したと考えられています。

建築家 シチュセフ A.V. はこの建物を東への門と解釈しました。
そのため駅の正面玄関にはカザン クレムリンのシュユンビケ塔に似た塔があります。塔の頂上には、カザンの古代のシンボルであるジラント(ドラゴン)の置物が置かれています。塔の左側には時計のある低い塔があり、その文字盤には黄道十二宮が描かれています。

1940年に駅は部分的に再建工事が行われ、主要なファサードは大理石で仕上げられ、駅舎の内装には、パネル、大量の絵画、豪華な漆喰の装飾、豪華な照明器具が使用されました。

駅舎の正面の右側には、建築家 シチュセフ A.V.の胸像が建っています。

困難の伴う建設工事でしたが、既存の駅舎では乗客の増加に対応できず、構内の大規模な改修、修復、部分的な改築が必要でした。そのため、モスギプロトランス研究所はカザン駅の完成に向けたプロジェクトを構築し、1985年に建設工事が開始しました。

建築家 A.V. シチュセフの図面に従った追加の建設の際、既存の建物より12メートル突き出たリサリットの形で塔が建てられました。この塔の尖塔は、メインのシュユンベキ塔と並んで、駅の2番目に重要な特徴となりました。新しく建てられた塔は、ツァーリの塔と呼ばれています。

また、ノヴォリャザンスカヤ通りに面積3700平方メートルの新しい建物が出現し、駅線路上に迫力あるコンコースが建設されました。
再建と増築のおかげで、駅の収容力は2倍になりました。

ツァーリの塔の前には、ロシア鉄道の創始者という銅像が建っています。
ロシア皇帝 ニコライ1世、ロシアの発明家、工業技術者外国人技師 エフィム・アレクセーヴィチ・チェレパノフとその息子ミロン・エフィモヴィチ・チェレパノフ、外国人技師 フランツ・フォン・ゲルストナー、最初のロシア帝国鉄道大臣 パベル・ペトロヴィチ・メルニコフ、ロシア帝国鉄道大臣ミハイル・イワノビッチ・ヒルコフ、政治家であり、鉄道建設(グレート・シベリア道路を含む)への投資を奨励した鉄道大臣 セルゲイ・ユーリエヴィチ・ヴィッテです。最後のヴィッテは、日露講和条約(ポーツマス条約)に関連して日本でも知られています。

2016年、駅舎は1940年代の外観と内装の復元工事が行われました。
主な工事に加えて、青銅製の壁灯、照明、旗竿の修復も行われました。
歴史あるオーク材のドアも修復の対象となりました。

カザン駅の内装の修復作業により、建物の歴史的部分である右翼ホールの一部の工事が行われました。以前のレストランだったホールNo.3(現在は豪華な待合室 コンフォートルーム)、待合室No.5(現在は、カフェが入っている)のランプシェードとパネルの工事が行われました。

コンフォートルームに入ると、その美しさに圧倒されます。
色使い、そして、天井の絵、装飾など、惜しみなく贅沢に飾られています。
その美しさは言葉で表すことが出来ません。部屋に入った人々は、皆、天井ばかり眺めてしまうほどです。

現在、コンフォートルームは、一定の条件を満たせば、使えるようです。本当に贅沢な待合室です。ぜひ、動画で確認してみてください。

ツァーリの塔にはギャラリーが入っています。今回そのギャラリーで行われていたBAM鉄道(バイカル・アムール鉄道)の歴史に関する展覧会を見ることが出来ました。

展覧会では、鉄道工事に使った設備の説明、そこで働いた人達の暮らしを展示しています。ギャラリーにある映画館では、(1)ロシア鉄道の創設者についての映画、(2)BAMで働いた若者たちについての映画の2本を上映していました。幸いにも、ポスターに乗っているQRコードを使って映画を見ることが出来るようです。

ここまで読み進んで頂き、誠にありがとうございます。

私なりの目線で捉えた動画です。ぜひ動画をお楽しみください。


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