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雪の日の一本道で

遠くに小さく、一人と一匹が見えたときから、「なんだか楽しそうなのとすれ違うな……」とは思っていて。

頭に音符マークを浮かべて、数歩すすむごとに高く跳ねながら、こちらとだんだん近づいて。

真っ白な雪道で、前にも後ろにも人がいない中、飼い主のおばさまと目が合いました。

「よくふるねえ、まいったまいった」「ほんとうですね、朝は晴れていたのにね」

雪道ですれ違う時って、小さい立ち話が生まれることが多いのです。

人は誰かの足跡を辿って歩くので。人通りの少ない雪道には一人分の幅しかない、まっすぐな道がずーっと続きます。

そして、あちらから、まっすぐ。

こちらもまっすぐ、そうすると「ごっつんこ」するんですよね。

会話か、目があうだけか、会釈か(まあ相手にもよりますが)小さい接点が雪道の上でうまれます。


「写真を撮りたいのですが、いいでしょうか?」

「うちのわんこ、なにかの足しになるかしら?」

しらないだれかとすれ違うたび、少しの暖かさを分け合うような冬の日。

もうしばらく続きそうな盛岡です。

きょうもLITERSに来てくれてありがとうございます。

「写真を撮りたい」と話すと、その場にぱあっと魔法がかかること、

あるんですよね。


盛岡に灯りをともす、お店と人に光をあてるwebマガジンLITERS[ライターズ]の読み物から転載しています。毎日更新しているので、平日の備忘録としても残したいな、と思います。(1日に二本更新、トライしたけど書けなかった…)





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菅原 茉莉
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