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キューバ旅行記(1)

最近、中国のスター歌手である周杰伦がMojitoという新曲を発表した。「麻烦给我的爱人来一杯Mojito♪」から始まる、なんともキャッチーなラテン調の曲である。
https://www.youtube.com/watch?v=-biOGdYiF-I
しばらくMVを見ていると、周杰伦の乗るクラシックカーや景色に既視感を持たずにはいられなかった。3年前に訪れたキューバ の街並みにどうしても重なるのだ。
実際、歌詞には「当街灯亮起,Havana漫步〜♪」と出てくるので、キューバが絡んでいるのは間違いないと踏み、調べてみるとやはりキューバで撮影したようだった。

そこで、もはや2年前のことだが、キューバに行った時のことを振り返ってみようと思う。記憶が曖昧の部分もあるが、自分に記憶されていることこそが経験と言えるのであろう。

キューバに行ったのは2018年3月頭の3泊4日のことである。その頃、私はカナダに留学をしており、冬の寒さに幾分か憔悴し暖を求めていた。以前から、カナダ人が冬に旅行する目的地としてメキシコやキューバが人気であることを耳に入れており、大学が(勉強週間という名の)休みになると知ってキューバに行くことを決心したのである。キューバという、縁もゆかりもない国に強い興味を持ったのだった。メンバーはフランス人の友人三人と私。

キューバ旅行の一番の難点は、現地でWiFiが自由に使えないことである。よって、必要な情報は事前に調べる必要があった。高級ホテルは事前にネットで予約が取れるようだが格安ホテルは現地で探さないといけない模様。幸い、知り合いが以前キューバ に行った際に訪れたホテル(Casa)を紹介してくれたので、泊まる場所の検討はついていた。いざ、出発。

もちろん、当時も現在も貧乏には変わりないので、カナダのモントリオールからキューバのハバナまでの格安のチケットを買った。これはトロントの乗り継ぎの際、空港泊が必要なプランであった。トロント空港に着いてから、時間を潰すべく彷徨い歩いた。意味もなく空港カートに乗った。眠そうな空港泊旅行者とたくさんすれ違った。そして、寝れそうな場所を見つけた。

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しかし、夜でも明るい空港ではあまり眠くなかった。そこで、友人とカードゲームをした。トランプではなく、タロットカード である。フランス人はなんと優雅なんだ、と驚いた。初めて遊ぶゲームであったが、なかなか楽しめたのを覚えている。ルールを忘れてしまったのが惜しい。

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しばらくして、眠ることにした。3月のカナダはまだ冬である。キューバでは邪魔になるだろう、と厚手のコートを持っていなかった私たちは、そのことを少し後悔し、丸まって眠った。

翌日、無事ハバナに到着した。空港の係員の服が派手目だったのが印象深かった。くすんだ緑色の制服が一応あったようだが、靴が真っピンクだったり、網タイツだったりした。なんとなく、昔訪れたインドネシアの人たちの格好に似てるな、と思った。暖かい地域だと、明るい色を身に付けたくなるのだろうか、と考察したのを覚えている。若い男女の係員がキャッキャしながら仕事していて羨ましかった。

両替をして、空港の外に出た。晴れ渡る青い空、みずみずしい緑の葉をつけた椰子の木、少し湿った暖かい風。そして、緑色のクラシックカー。あの高揚感を今でも覚えている。今まで見たことのない景色。カナダの寒さで縮こまった心を溶かす暖かさ。

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空港から都市部へタクシーで向かった。高い建物がなかったので真っ青な空が景色の半分以上を占めた。幅の広い道路と脇に生茂る緑。たまに見える洗濯物に生活感を感じた。

しばらくぼんやり外を見ていると、ハバナの市街地に着いた。タクシーのおじさんに、危ない人もいるから気をつけるんだよ、と言われた。スペイン語で。検討をつけていたホテル(Casa:Bed and Breakfastのような感じ)を訪れると、どうやら宿泊客はおらず、我々四人で止まれるようだった。家の外と内を分けるドアという概念はないらしく、風通しの良い作りであった。そしてカラフルな内装である。

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荷物を置いて、街中へと出発した。建物も車もとてもカラフルだった。雲で隠れることのない太陽の光が、街をとても明るく楽しく映し出した。

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続く。

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