ウイルスベクターのゲノム挿入

お題は、新型コロナワクチンです。

前回の記事は前書きみたいなものなので、ここからいろいろと書き始めていこう、、、、って思っていたら、これが人生で初のブログなので、どんな風に書いた方がいいのかわからず、混乱しながらこの記事を書いています。個人的な出来事を書くのもリスクが高いので、最初は最近疑問に思っていることを書こうと思いました。

この記事を書いている時点(2021年3月)で、ニュースで話題になるのは、中国の不活性化ワクチン、ファイザーなどのmRNAワクチン、アストラゼネカのウイルスベクターワクチンの3種類です。この中で1つだけ生物学的に気になるワクチンがあります。それは、

ウイルスベクターワクチンです。

「予防効果が低いかも」とか、「血栓ができるかも」とか、などと報道されているので、いろんな意味でみんなの関心を引いているワクチンのようです。

でもね、突貫工事で作って緊急措置的に使うワクチンなんだから、予防効果とか短期的な副作用については既に織り込み済みで使用しているんだと、私は信じてます。そういった通常想定されて対処されるべき欠点よりも、予防効果による利点が上回ると考えて打つのがワクチンですし、しかも緊急措置的なんだからある程度の欠点の多さは受け入れなければいけないんでしょう。実際アストラゼネカ社が書いているように、通常の安全試験は十分にしているし、Lancetの論文(Voysey et al. Lancet, 2020)をみる限りでは問題はなさそうです。

https://www.astrazeneca.co.jp/media/othernews/initiative.html

でもバイオサイエンスでウイルスを使っているとシンプルな疑問が浮かぶんです。

このウイルスベクターってホストのゲノムに組み込まれないの?

もしゲノムへ挿入を仮定すると、2つのことが気になりはじめました。

①組み込まれることでかなり長期にわたって抗原が発現する:これは良い結果にも悪い結果にも行き着きます。長い期間にわたって抗原にさらされることで長い期間の免疫が得られるかもしれない。でも免疫が抗原に慣れてしまったら、コロナに対する免疫能が低下するかもしれません。

②ゲノム挿入位置:チンパンジーアデノウイルスではありませんが、アデノ随伴ウイルスは、通常はゲノムには挿入されません。このウイルスはゲノムに挿入されないという前提で基礎研究では広く使用されていますが、肝細胞癌などではアデノ随伴ウイルスの挿入が疑われる例が見つかっています(Nault et al. Nature Genetics, 2015)。このチンパンジーアデノウイルスがゲノムに挿入されていないかを調べるのは結構大変だと思うのですが、細胞選択的、染色体領域選択的にゲノム挿入が起きて、そのゲノム挿入位置が細胞の変異と結びつくようだと危険な気がします。時間があったら自分で調べてみようかな。

私がワクチンを打てるようになるまでには、まだまだ時間があると思うんですが、できればmRNAワクチンを選ばせてほしいなって思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?