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フランス生活の振り返り(前編)#NoteDay8

「フランス暮らし、どうだった?」
と、みんなによく聞かれることを思い出した。
記憶がまだあるうちに、少し綴ってみようかなと思い立つ。

私がフランスに滞在したのは、
2017年〜2019年の間。夏の間のパリ、少し長く居たリヨン。

最初のきっかけは、2017年の春のこと。
京大の院で出会ったフランス人の友達に、
ヨーロッパ出張の際に、リヨンを3日間案内してもらったことだった。

その時に、リヨンの旧市街を登って行った時、Fourvièreの丘の眺めに感動して、忘れられなかった。いろんな場所に行ったけれど、この景色は最高だと感じて、「絶対、もう一度リヨンに来るから!」と断言して去った。

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その当時、ヨーロッパとの仕事がいくつかあり、
同じタイムゾーンで仕事ができるのも良いと思ったので、
実験的に夏に、パリで住んでみることにする。

せっかくだから現地の人の暮らしを知りたいと思い、
夏のパリはみんなバカンスに出てしまって空っぽなのだが、
なんとかマダムを見つけて、家に受け入れてもらった。

マダムは、パリ13区で一人暮らし生活を楽しんでいる素敵な女性だった。離婚後、子どもはもう手を離れていて、働きながら、こだわりのインテリアのアパートに住んで、週末には華やかなワンピースを着て、美しい姿で幸せそうに恋人とデートに出かける。生活の節々に、芯のある彼女のスタイルが表れていた。

マダムは英語を話さず、全く話したこともないフランス語でコミュニケーションを取る必要があり、フランス語を勉強したことがなかった私はあれやこれやと意思疎通の方法を探る必要があった。

さすがにフランス語を勉強した方がいいなと思い、2週間だけ語学学校似通った。同じ夏の間、パリでフランス語を学びにきたアメリカ人の小学校教師をしている子と友達になり、よく公園や川を一緒に歩いく仲間になった。

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早朝に起きて、日本と仕事をして、語学の勉強をして、ヨーロッパと仕事をして寝る繰り返し。ずっと走りつづけていたような感じだった。

マダムは、いつもリビングで音楽を聴いてゆっくりしていて、金曜の夕方になると「公園にピクニックに行かない?」と誘ってくれる。

小麦粉と野菜を買ってきて、キッシュやパイを一緒に粉から作って、焼いて、本を持って近くの公園でゆるーいピクニックをした。

日本はもう眠っている時間だったので、私自身も仕事と勉強から離れて、ふたり黙って本を読んだり、マダムの恋人や家族の話など、わからないフランス語を聴きながらなんとなく返事をして、日が暮れるまでふたりでまったり過ごした。

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短いパリ生活で学んだことは、
・マダムに垣間見るフランスの女性の芯のある自立した強さと美しさ
・料理は自分たちで粉から作った方が美味しい
・一緒にごはんを作ってほおばると楽しい
・でも、フランスではフランス語ができたほうがいい
といった感じ。
無装備で飛び込んだ短いパリ生活だった。


そう、断言したことは実現するのが、私である。
その後も「リヨンに絶対に行くぞ!」という想いを絶やさなかった私は、
翌年リヨンに滞在する機会を得る。

リヨンでは、あのFourvièreの丘の上にあるフランス人の老夫婦の家にお世話になった。ケーブルカーで丘まで上がり下がりする生活。まだフランス語ができない私に、カタコトの英語で話してくれる夫婦。とても仲の良い夫婦で、娘のように可愛がってもらった。

仕事が忙しくなってきて、家で仕事をしてられなくなり、シェアオフィスを借りて、フランス人に紛れて仕事をした。みんな楽しそうなのに、フランス語が話せなくて、英語で話せる人たちとしか交流できなかったのが残念すぎた。

あっという間にその期間も過ぎ、
「恋人でもつくって、またリヨンに戻ってきてね!いつでも待ってるよ!」
とご夫婦のフランスっぽい送り出しの言葉でそのお家を去る。

リヨンは、歴史のある街並みが残されていて、大きな2つの川が流れていている美食の街。雰囲気がなんだか少し京都に似ている気がして懐かしくって、好きだった。

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このタイミングで、ヨーロッパ向けの仕事が大部分だったこと、リヨンでプロジェクトができたことで、リヨン滞在を決める。

その先は、色々と展開した。
・リヨンを拠点に、ヨーロッパで仕事をする
・毎日、粉からつくる料理三昧(グルテンフリー条件付き)
・言語ができず、とにかく料理で仲良くなる作戦
・仕事もプライベートも、最も楽しく、最もつらかった時期
・院を中退しようとしたが、交換留学でリヨンのビジネススクールに
 (過去記事:私達はどんな世界に生きているのか。#NoteDay7
・コロナ禍で帰国(強制終了)
と続くのだけど...

異文化の中にある、わかりあえたこととに心から喜び、わかりあえないことに涙したフランス生活。

様々な人の気持ちについて真剣に考え、
今一度、自分の中にあった考え方を見つめ直さざるを得ず、
「自分にとって、愛を持てることは何?」と問うことが多かった。
自分の未熟さや弱さにも気づけた経験。


ひと記事でまとまらないので、
リヨンのことは、フランス生活(後編)に書きます👋


ドイツ、シンガポール、タイ生活や、スウェーデン企業での仕事のことなど、振り返りも兼ねて、綴ってみようかと思っています。(今さら感がすごい)


最後に、パリのマダムの家の近くにあった、Miss.Ticのストリートアート。
いつも前を通るたび目が合って、彼女の強い言葉に元気をもらってた🙏

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