もっと面白くなったはずなのに~『RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日』(荻原規子)~
今巻は、2日間にわたる「戦国学園祭」の話です。
↑kindle版
学園祭の準備の話だった前巻よりテンポが良く、最初のうちはすらすら読めました。
ただ、途中から恋愛ものの要素を無理に取り入れようとしているように思え、だんだん辟易してきました。もちろん高校生の話なのだから、一般的には恋愛を話にからめるのは自然なのでしょうが、「人間の世界遺産候補」という突飛ともいえる題材を扱っているのだから、逆に恋愛要素なしで話を進めても良かった気がします。
何か全体的に今巻は、もったいない印象なんですよね。文法的におかしい点があちこちあったり、説明が足りないところがあったり、逆にもう少し書き込んでほしいところがあったり。作者の荻原規子の頭の中にある話を、全部描き切れていない感じがしました。書きたい思いに、技量が追い付いていないというか。もっと丁寧に加筆修正及び削除を加えれば、更に面白い話になった気がします。
見出し画像は、わたあめを持ったワニさんですが、わたあめが話の中でちょっと重要な役目を果たすため、使わせていただきました。ワニは出てきませんが、初めてわたあめを食べる主人公の泉水子は、このワニさんのような表情だったかもしれません。
↑文庫版
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