鯉幟
昔はこの時期になると、屋根より高い鯉幟やフラフをあちらこちらで見かけました。
最近は鯉幟もこじんまりとしてきましたが、そこは庭だけは無駄に広い田舎です。伸びやかに鯉が泳ぎ、フラフが舞っていました。
でも、少子高齢化の最前線の田舎、見かけるのは高齢者ばかりです。たまに隊列を組んで歩いている小学生に出くわしますが、彼らも中学、高校と成長して、そのうち居なくなるでしょう。
県庁のある、住所だけは市内、でも、バスも列車も走ってなくて、不便が売りの田舎では子どもも居つきません。
いや、不便を売りにして移住者が増えている地域もあります。靴作りで訪れる工房も山の奥にあります。地元の者でも敬遠するようなド田舎ですが、そんなぶっ飛んだ田舎の方が人を惹き付けるのでしょう。
中途半端で、たっすいがはいかんなぁ。
そんな中途半端な田舎に、久しぶりに鯉幟とフラフが泳いでいました。男の子が産まれたのかしらねぇ。立派な金太郎のフラフです。
そういえば、わが家にも鯉幟があって、父と祖父が山から切り出してきた、背の高い竹を庭に立て、鯉幟をあげていました。
今の鯉幟とは違って、当時は布製で泳ぐには相当風が吹かないと、だらりと垂れ下がっていました。
夕方になると鯉幟を下ろします。そうしたら弟と鯉幟の中に入って遊びました。頑丈な布製だからできる遊びです。まるで障害物競争みたいで、ハイハイ歩きをしてどちらが早く鯉幟を通り抜けるか。競ったもんです。
懐かしいなぁ。