Re:ゼロから始めるZwift生活

どうも、「知識量」というパッシブスキルをもって転生しました。Yuです。
一旦富士ヒルも終わったので振り返ろうと思います。


これまでのロード人生

トレーニング変遷

まず初めにこれまでのロード人生を簡単にまとめてみました。青線がCTLです。
この表でロード人生を語るのがいかにも自分らしいなと思いました(笑)
ほとんどは図を見ればわかると思います。補足というか自己紹介も兼ねて細かく書いておきます。

始動(2018/8)

ロードバイクを乗り始めてすぐにZwiftを始めました。もともとは弱虫ペダルとかツールドフランスとか見て自分も始めてみたいと思ったことがきっかけです。
ロードバイクを買ってすぐにZwiftという面白そうなガジェットを発見し、パワー計測できるローラーを買いました。
FTPという要素もこのタイミングで知って、乗り続けるとドンドン数値が上がるのが楽しく、そこからトレーニングにハマりました。

成長(2019/1~2020/8)

2019/1にはトレーニングの理論的な勉強をし始めました。当時の私は友人が一人もいない中でトレーニングをしていたため、相談できる人は一人もいませんでした。そのような状況だったため知り合いを増やそうとまずはTwitterを始めました。Twitterを始めることでZwiftで活動している方との交流が増え、顔も見知らぬ他人である私にいろいろなことを教えて頂きました。その方たちには今でも本当に感謝しています。
2020/8まではトレーニングを本格的に継続できており、CTLは75~85を維持していました。PWRは5.4倍、5分パワーは6.5倍であり、まだまだ5分パワーに対しての割合的には伸びしろがあり楽しくトレーニングができていました。当時はSSTとVO2MAX系の高強度をメインでトレーニングしていました(低強度は少なめ)。
2020年2月の大会に向けて本格的に準備する時点では既に相当良い状態だったため、2020年の大会では確実に良い結果が出ると確信をしていました。

失意(2020/9~2022/3)

そのような中でコロナが流行拡大し大会が全て中止となってしまい、目標を見失ってしまいました。当時の先行き不安な世界情勢、コロナ自体も全く収束しない状況が長い間続いており、完全にモチベーションも失われました。また、自宅でひとりで仕事をしている状況で、更にその時は仕事も忙しく、毎朝ただ朝起きて仕事をするだけの人生になっており、軽いうつ状態だったと思います。
2021年にはいくつかの大会も小規模で開催されていたかと思いますが、この時期には乗り込みの量もかなり減り、出場する気になれませんでした。

絶望(2022/4~2022/6)

あきらめきれず、もう一度再開しようと思いました。ただ元々出せていたパワーが勿論出せない状況、マイナスからのスタートがあまりにもつらく、結局は心が耐え切れませんでした。この時に、「もう終わりだな」と。

無(2022/7~2023/12)

無。

再起(2024/1~)

これで復帰できなければ最後、もうクライマーとして自転車に乗ることはやめようと。
2024年1月から再起、本当にこれで終わりにしようと思って再始動しました。
全く乗っていない期間は1年半あり、2021年後半からCTLも20~40台だったため2年以上のブランクとの闘いでした。

そして今に至ります。


再起に向けて

ここからトレーニング戦略的な部分を説明します。

目標の設定

今年中にFTP5倍(TTEは45分以上)。2025年きちんと結果を出すために復帰できたと言えるレベルまで持っていく。TTEっていうのはFTPを維持できる時間って大体思っておけば大丈夫です。
ちなみに、富士ヒルゴールドは今年のメイン目標じゃないです。

普通は「レース目標」から「測定可能な数値目標」に落とし込んだほうがいいですが、私の場合は復帰するのが目標なのでレース目標がないです。代わりにFTP5倍のTTE45分、つまり5倍を45分維持することを目標にしています。

現状の理解

ビジネスでは分析手法としてSWOT分析がありますが、これはトレーニング戦略を考えるうえでも有用です。この表をベースに自分の現状をまずは理解します。(自分用には作成していませんが頭の中で似たようなことを考えています)

SWOT

強み、弱みはフィットネス(全般的な能力)の意味で整理します。機会、脅威はその他の外部環境の要素としてまとめます。例えば家庭、仕事の環境だったり、周りのライド環境もそうですし、怪我のリスクも入ります。情報の整理のためにするため、カテゴライズが難しいことがあればプラスのことだったら強み、マイナスだったら弱みという感じでざっくりで大丈夫です。

2024年1月時点の自分に当てはめてみるとこんな感じです。

  • Strength

    • VO2MAX、FTPのベストを考えると目標を達成できる能力は有している

    • 高強度トレーニングは得意であり、トレーニングに対する適応が早い

    • 高強度トレーニングを継続しても、頭打ちになるフェーズが遅い(つまりドンドン伸びる)

  • Weakness

    • VO2MAXが低い

    • 乳酸輸送能力が低い

    • 脂質酸化能力が低い

    • 体重が重い(当時66kg)

  • Opportunity

    • 在宅勤務がメインであり、トレーニングする時間帯は選べる

    • 家庭環境の影響はない

    • 周りを走ってくれる友人がいる

    • トレーニングに関する知識量、修正力

  • Threat

    • モチベーションが低くなりトレーニング継続が難しくなる

    • 仕事が忙しくなり、トレーニング時間を確保することが難しくなる

    • 膝痛

月間方針(メソサイクル)

復帰するにあたって、まずはトレーニングを継続するという点で「Threat」への対応を最優先と考えていました。あとは進捗によって方針は変えるつもりです。

1月~3月

  • CTLを意識して、乗り込み量を何でも良く少しずつでいいので増やす、継続する(全般的な能力の強化)

  • 関節に負担がかからないように高強度は週一に限定する(膝痛対策)

  • 連続して高負荷になる練習はしない(モチベーション維持、トレーニングの精神的な負担を減少)

  • 無理しない程度に減量する(体重のマネジメント)

  • ローラー中の楽しみを見つける(モチベーション維持)

  • 1月~3月は仕事が忙しいためトレーニング中にできることがあればやる(仕事のリスクへの対処)

4月~5月

  • 高強度は週2回まで増やしてもOK

  • 低強度のボリュームを増やす

  • 5月はSSTやクリスクロス系の乳酸輸送能力、TTEを意識したトレーニングを行う(富士ヒル対策)※富士ヒルが目標じゃないので特別なピーキングはしない

6月~9月

  • 高強度は週2回まで増やす

  • 低強度のボリュームを増やす(CTLは80目標)

  • クリスクロス系のトレーニングを行ってVO2MAXと乳酸輸送能力のどちらも強化する

  • レース前の月はTTEを増やすようなトレーニング(SSTのmed等)

  • どこかで一週間ぐらい休む(モチベーション維持)

10月~

  • レースが落ち着くので低強度メイン

  • 高強度週1~2回

  • 時間がかかる脂質酸化能力をキチンと鍛える

週間方針(マイクロサイクル)

基本方針を以下の通りとして決めていました。あとは月間方針に従って事前にトレーニング内容を登録して身体の調子を見てレストしたり、長めにトレーニングしたり臨機応変にしていました。

  1. 週1回は必ず高強度をする

  2. 週5回以上はトレーニングをする

  3. 低強度は必ず1時間半以上行う

  4. レースの前月以外はSSTなどの中強度はしない

  5. 1か月に1週はレスト週を設ける

4点目は中強度をしない理由としてはかなりメンタルが削られる点、疲労度が大きく自分の疲労回復力ではトレーニング全体に対する悪影響が大きいため、「したい場面はあったけど切り捨てた」という感じです。
長いブランクがあるため、やりたいことはかなり多いものの、「何を捨てるか」が非常に重要なポイントだと思います。特に6月に富士ヒルがあるため、富士ヒルを目標にするのであれば本来であればレースに対応するトレーニングを4月から準備しておくべきです。

トレーニング内容

  • サージあり低強度(90分~180分)

低強度は本当にこれだけしかしてないです。180分は自作でやってました。
低強度中は飽きさせないためにネット麻雀でランク戦をずっとすることでかなりの時間耐えられるようになりました。
また、仕事が1月~3月忙しかったのですが、少しでも業務時間を減らしたり、仕事を言い訳にしないためにも、仕事に関する資料(システムエンジニアなので技術的な資料)を読み込んだり、Kindleで書籍を買って勉強することで業務を間接的に効率化することができました。自分の業務範囲については業界の中でも高いレベルにもなり、また仕事についてのモチベーションや楽しみも見出すことができました。

  • 高強度(RattleSnake)

VO2MAX90%以上と近似値である「HR90%以上の時間を最大化」するためにRattleSnakeをしていました。
FastStart(最初に強度が高い)と強度のグラデーション(だんだん強度が低くなる)、ショートインターバルという点で優秀なワークアウトなのでひとまずはこれをしていました。高強度はFastStart一択です。

最近の高強度の研究界隈のトレンドは以下の論文が非常に参考になります。自動翻訳で読みやすいので翻訳かけて読んでみてください。非常に参考参考になるかと思います。
https://cdnsciencepub.com/doi/10.1139/apnm-2023-0603

  • クリスクロス

1月から4月までは本当にサージあり低強度とRattleSnakeしかしていません。
5月は週1でクリスクロス(50秒以上踏んで乳酸を出してからFTPの80%で2分のようなワークアウト)かSST(med)をしていました。
クリスクロスは30秒ではなく、50秒以上踏むことで大量に乳酸が生成されます。その後、乳酸代謝が最大になるFTP80%のポイントで踏むことで、効率的に乳酸輸送能力を向上できます。

クリスクロス(Yu版)

50秒、FTP80%がポイントです。
FTP115%~120%で50秒、FTP80%で2分10秒、これを4セットです。間のリカバリーは4分です。 

これは個人的に作成しているものになるので、Zwiftで使えるワークアウトには存在しませんが単純なワークアウトなのですぐに作れると思います。
なんかかっこいい名前つけたいね。

現状

トレーニング結果

  • CTL(継続性)

    • CTLは1月の時点でゼロでしたが、5月の初めには75程度まで上昇しました。無事継続できています。

  • FTP

    • 180~190がスタートでしたが、今では260まで上昇しました。ベストパワーまであと10ワットほどです。

  • 体重

    • 66kg→54.5kg(11.5kg減)

    • 体脂肪率はまだ14%ぐらいでベスト体重までまだ5kg近くあるので継続して落とします。

    • PWR的には4.8倍ほどです。

トレーニング遷移

富士ヒルの結果

富士ヒル1時間7分38秒という結果でした。振り返ったら実際の山を登るのは2年ぶりぐらいみたいです。実走も今年は1回だけしかしていなくて外を少し走ったぐらいです。
普通にもっと実走しておけばよかったかもですが、別に外走っててもローラーとあんまり感触変わらなかったです。※人による

展開的な話を言うと、ゴールドトレインを呼び掛けて集まったのは良いもののペースが速すぎて崩壊してしまいました。15分ぐらいからほぼ単独で40分ぐらいまでは確かゴールドペース維持していました。トレインが崩壊していなければもしかしたらゴールドを取れていた可能性もあったとは思います。
しかしながら自分がトレインをコントロールできる立場だった点と事前のタイム設定(1時間3分ペース)が速すぎたという点、この2点については準備を疎かにしていなければ対策できたことであり、そういうマネジメント込みで実力不足だったと思います。

ただ、最後まで踏みやめずに心は折れなかったことと、このスタート地点にそもそも立てたこと、これだけで本当に走ってよかったと思います。タイムもここまでの経緯を考えると納得はしています。また、トレインから3人も入賞者が出ました。ウェーブ6からこの結果は異例のことで自分のことのように嬉しいです。

富士ヒルのパワーグラフ

パワー的には60分平均で230Wでした。パワー的には260WがFTPになるので高地効果で10%下がるにしても少し下がり気味です。
理由としては序盤飛ばして垂れてしまった、TTEを伸ばす練習をしていなかった(割り切っていたのでしょうがない)のが原因と思われていて、むしろ思ったよりパワー出て満足です。。

とりあえず最後までもがこうと思って気づいてなかったのですが、コース終盤の平坦からゴールまでシルバーぎりぎりの方を自分が引いていたらしく、ゴール後にお礼を言われました。
誰かのためになれたのだったらゴールドは取れなくても自分の走りに意味はあったと振り返って思います。

最後に

思った以上に短い期間でかなり取り戻すことができました。

ここまで継続できた要因としては、今回はトレーニング的な計画だけではなくて、自分のメンタル面や仕事面でもケアできたことだと思います。

まだまだ先は長いので焦らず、じっくりやっていこうと思います。

いつもメッセージくれる友人へ

お前がいなかったら俺はとっくに自転車を辞めていた。
高強度始めたタイミングでメッセージくれたりとか、最初の1月~3月の時期に定期的にメッセージ送ってくれて本当に感謝している。
復帰するって言って復帰できなかったのに、俺が乗らないタイミングでもたまにラインしてくれたり、気にかけてくれて本当にありがとう。
応援するときも俺がモチベーションの問題があることを考慮して、気を遣ってくれて、できないときも優しく声かけてくれて救われることが多かった。
お前の応援に報いるためにもゴールドは獲りたかったし、もしかしたらと期待してくれていたのに申し訳ない。でもお前のおかげでここまで、一旦はスタートできたと思う。

また、ヤビツで一緒に走ろう。


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