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チチガ/チクガの話

はてさてお待兼ね(?)のこの話である。

一体なぜチクガの話なのか。

ことの発端はつい最近とあるYouTubeで話されていたチクガエピソードだ。

その動画の中では、チクガの人はワキガでもあると言われていた。

それを聞いて私は思った。

え、そうなの?

チクガの人に当たったことがあるけれど、その人はワキガではなかった。

と、思う。

何せそのチクガ男性に当たったのはもうかれこれン年前、もちろんBeforコロナで私が最も(性的な意味で)奔放だった頃なのだ。

もう粗方忘れつつあるが、臭かったという記憶はない。

一応始めから振り返ってみよう。

その人との出会いは合コン的な飲み会だった。

飲み会は(おそらく)そつなく終わり(正直覚えていないが)私は首尾よくその場で1番のイケメンと2人きりになることに成功した。

そやつがチクガとも知らずに。

正統派さわやかイケメンで背が高く会話も楽しい。

この時点では完璧である。

もはや2軒目には行ったのか終電があったのかなかったのかすら覚えていない。

私の記憶がはっきりし出すのはラヴな方のホテルからだ。

私たちは部屋に入るや否やシャワーも浴びずにそのままベッドに傾れ込んだ。

そいでもって私が攻めていった。

唇から首筋、徐々に下に降りてゆく。

そしてついに到達してしまうのだ。

そう、そこに。

ま、まずい?

え、苦い??

頭の中は「???」だらけだ。

ちょっと待て、なんなのだこれは。

臭くはないけど変な味がする。

しかしこのまま動きを止める訳にはいかない。

さっさと胸から離れて更に下へ降りてゆき、無事、無難に事を終えた。

その後の流れも至って無難だったはずだ。

ひとまず仲良く()就寝し、朝を迎えた。

朝。

昨夜は盛り上がっていて終始カップルのように接していたが、冷静になった私はよそよそしさしさMAXだった。

何せ未知との遭遇、招かれざるチクガだったのだから。

ラヴなホテルを出た後も彼は紳士的だった。

ヒールでよろめく私を支えてくれた事ははっきりと覚えている。

嗚呼、チクガでさえなければ…!

ワキガじゃないのにチクガ…!!

他は完璧でもあの味だけは厳しい…!!!

てな感じを彼も察したのか、次回のお誘いはなかった。

あの時は変な経験をしたなぁといった感想を持った程度で、チクガについて調べることもなかった。

けれど冒頭の動画を発端に記憶が蘇った。

そして気になってチチガ/チクガを調べていく内に、認知度の低さとバリエーションの豊富さを知ったのだ。

ワキガとセットの人とそうじゃない人がいる。

スソガも同じく。

味にもいくつか種類があって、ピリピリと舌を刺激してくるようなチチもあるらしい。

これは実に興味深い。

私は匂いフェチで人の頭皮や耳周りや足など割と臭いと言われるような匂いも好きなのだけれど、ワキガは苦手で避けてきた。

だからワキガとセットのタイプには当たったことがないのかも知れない。

いやこれは語りたい。

と思ったけどその思いは一旦置いておこう。

重要な話はここからだ。

私からのお願いである。

その壱。

チクガの存在を知らない其れ即ち自身がチクガかも知れないのに簡単に「舐めて」と言ってくれるな。

その弐。

乳輪周りの毛は剃ってくれるな。

蛇足にはなるがあれは剃りたてでも舐めると痛い。

以上。

ここまでお読み頂き有難う存じます。


おまけ

チクガはワキガと同じく然るべきクリニックで治療可能だそうだ。

冒頭のチクガ以外完璧男子にはチクガを克服あるいはそれも良しとするお相手と巡り合われることを祈るばかりである。



ー完ー




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