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やりたいと思っていることを一つずつ
この冬は「自分らしさ」と思っているものと
積極的に離れてみています。
優しくできない時でも人に気を遣い
場の空気を読んで笑ったりする
そういう昔の習慣に
疲れてしまったと言えばその通りだ。
がんばろう、と思わなくていい
なんなら無表情でもいい、と
開き直ったおかげで最近はかなり生きやすくなりました。
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やりたいと思っているのにやっていなかったことを
冬の後半はぽつぽつと行動に移している。
雪山で遊んでそこでお昼ご飯を食べる
という企画に息子をお誘いし
大きくはないけれど
スキーもスノーボードもソリも共存できる雰囲気の
近所のスキー場に行きました。
美しい雪の斜面を
手をつないで一歩ずつ登る。
持ってきたソリで滑ろうと思っていたけれど
歩いて降りたいと言うので
また、一歩ずつ降りる。
息子は、ちょっと、こわい!と笑いながら
はじめて自分の足で雪山を登り降りした。
こわいなと思いながら
でも楽しくてやっちゃう
子どもの好奇心とエネルギーはすごい。
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じゃがいもの粉末スープをコップに入れて
家で沸かしてきたお湯を注ぎ
スプーンで混ぜて溶かす。
コップからあふれる香ばしいゆげで
冷えた顔がしっとり温まっていく。
フー、と
息を吹きかけ
あつ、あつ、と
スープをすする。
沸かしたお湯でコップをゆすぎ
タオル一枚でコップの水分も濡れた手も拭く。
外で過ごし食べることの魅力は
シンプルな営みの中によろこびを感じられることだ。
年をとっていくと
感じたことをなかったことにできたり
知らないことをそのままにしておいても
好奇心に邪魔されることは少なくなる。
ちょっとこわいけど
やりたいならやる。
息子の生き様を見ていたら
人間の素直な感情を
もっと剥き出したくなった。
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剥き出し、と言えば
つい最近出会った最高の山ごはんには
本能をまる裸にされてしまいました。
表紙と、少しだけめくったページを見ただけで
これはわたしのための本だ
と思えてしまう。久しぶりに痺れた。
ホシガラス山岳会という
「本を作る」という仕事を通して知り合った
女性たちからなる山の会の人々が作った本のようです。
さすがご本業。
文章を読まなくても良い気分になれてしまう。
今年は外で過ごして食べるごはんに
火がつきそうです。