日報 3月21日 ノスタルジータウン
記入者:タラバミント
今日は最近オープンした町のクレープ屋へ、
パン父ジュニアと連れ立って出かけた。
店の扉を開けると、
子どもが二人、店内のテーブルでカードゲームをしていた。
駄菓子も売っていて、老若男女の出入りがあった。
どこかで見たような風景に、
なんだか懐かしい気持ちになった。
パン父ジュニアはバナナチョコを、
僕はバナナイチゴチョコを注文した。
ほどなくしてクレープが出来上がった。
少し店員さんと立ち話をしてから、僕らは店を出た。
僕らが店を出るとき、入店する二人の客とすれ違った。
「あ、どうも〜」というあいさつ。二人ともすでに常連客のようだった。
僕らは歩いて、近くにあるJR上富良野駅に向かった。
駅員のいない時間帯だった。
ストーブを囲むようにして置かれている四人がけのベンチに腰掛け、
さっき買ったクレープを食べた。
クレープなんて、
一体何年ぶりに食べたんだろう。
生クリームとバナナとイチゴ、
それから薄いクレープ生地の食感を久しぶりに感じ、
無言でかぶりついてしまった。
駅を出てからしばらく歩くと踏切がある。
いざ渡ろうかというときに、
一台の車に軽くクラクションを鳴らされた。
運転席を見ると、
近所の温泉宿に勤めている知人だった。
彼とはよくこの踏切ですれ違う。
なんとも奇妙な偶然。
彼の振る手に笑って返答し、僕らは踏切を渡った。
最後におつかいものの肉を買うため、
会社の近くにある肉屋に行った。
ひき肉を500グラム注文し、ご主人にひいてもらった。
その間、肉屋の奥さんにクレープ屋に行ったことを話した。
「町でクレープが買えるようになるっていいね」
奥さんはそう言った。僕もうんと頷いた。
町のクレープ屋。
カードゲームと駄菓子。
駅員のいない駅の待合所。
たまにすれ違い、手を振りあえる知り合い。
近所の肉屋。
今日見て感じたものに共通していたのは「懐かしさ」だった。
“地元”を思い出すときの感覚に近いものがある。
どこかで見たこと・体験したことのある風景には、
親しみを持ってしまうものなのかもしれないな。
「どこにでもある風景だけど、なんか、いいよね」
そんなことをぽろぽろ喋りながら、パン父ジュニアと帰路を歩いた。
今日はノスタルジーな気持ちで退社します。
明日は金曜日ですね。皆さん、良い週末を。
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