日報 3月18日 近所の酒屋で音楽の話を
記入者:タラバミント
休憩時間に吉澤商店へ行った。
喉が渇いたのと、
ちょっと誰かに会いたくなって。
会社から徒歩30秒ほどのところにある酒屋さんで、
瓶ビールからウイスキー、マッコリ、果実酒まで、
様々なお酒が棚と冷蔵庫に並んでいる。
缶ビールは6缶入りが売っている。
1缶だけ買いたい時は、6缶入りのケースから1缶だけ抜き取る式。
人の出入りを感じる優しい冷蔵庫だなぁと思った。
吉澤さんはいい人だ。
彼を表現するうまい形容の言葉が他にあるんだろうけど、
吉澤さんのことを深く深く知っているわけではないので、
“いい人”と言うのに留めておく。
「どうもね〜」という挨拶が素敵なんだ。
彼の笑顔を見ると、どうにもこうにも胸が苦しくなる。
吉澤さんは、そういういい人。
お酒のほか、お菓子に洗剤、たまごなんかも売っている。
今日はウィルキンソンの辛いジンジャーエールを3本買った。
昨日会社の前でついたお餅をほんの少しおすそ分けして、
吉澤さんとぽろぽろ立ち話をした。
音楽の話題になって、
僕はギターを練習していると言った。
「いいねぇ、ギターは弾けるといいねぇ」と吉澤さん。
吉澤さんは何かやるの?と尋ねると、
「僕は聴くのが好きでねぇ」と言った。
「昭和の音楽はいいよねぇ」
「あの曲はサックスの音がまたねぇ」
そんな風に、休憩時間いっぱい、酒屋で音楽の話をした。
最後に教えてもらった曲は、
石原裕次郎の「夜霧よ今夜も有難う」だった。
会社に戻ると、パン父ジュニアがお茶を濁しに来ていた。
瓶のジンジャーエールを彼と半分にして飲んだ後、
検索エンジンに曲名を打ち込み、ヘッドホンをつけた。
教えてもらった昭和は、
聴覚から五臓六腑へ染みていった。
僕の生まれた平成のことは、
どんな風に振り返るようになるんだろう。
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